令和6年度の臓器移植等推進功労者として、広島大学病院の眼科の福戸敦彦講師、消化器・移植外科、尾三地域外科医療支援講座の清水誠一寄附講座助教、小児科の下村麻衣子助教の3人と、骨髄ドナーを募る啓発活動を続けている渡部朋子さんに広島県知事感謝状が贈られました。県庁で10月25日、贈呈式がありました。
福戸講師は2010年に眼科に入局後、献眼を受けて角膜の摘出を行う献眼協力医として活動。2018年から2年間は米国で角膜の創傷治癒の研究を行いました。2021年からは眼科で年間50件を超える角膜移植を執刀。2022年からは日本臨床眼科学会でインストラクターとして指導し、角膜の線維化・混濁を抑制する新規治療薬を探索する基礎研究も行っています。「提供者を1人でも増やすよう活動していきたい」と決意を新たにします。
清水寄附講座助教は、広島大学大学院時代の研究で日本移植学会賞を授与され、2018年から5年7カ月在籍した国立成育医療研究センターでは約300例の小児肝臓移植や、腎臓、小腸、ES細胞由来の幹細胞の移植に携わりました。2024年に広島大学病院に戻り、安全で治療効果の高い移植医療の提供に力を尽くしながら、小児への臓器移植の立ち上げをしています。広島県、中四国地方で「移植が必要な子の手助けができるように」と話します。
下村助教は2015年から小児血液腫瘍疾患の診療と研究を進めています。主治医として年間10例前後の造血幹細胞移植を実施し、骨髄移植推進財団の調整医師として骨髄バンクのドナーコーディネートも。2021年には日本小児がん研究グループ(JCCG)の取り組みとして、小児期移植患者のフォローアップや体制構築の活動・研究も行っています。「移植によって助かった子どもたちの人生も長くフォローしていきたい」と力を込めます。
渡部さんは市民グループ「ひろしま骨髄バンク支援連絡会」を立ち上げ、ボランティアとして活動。ドナー登録の意義を若者に語りかけるなど、普及に尽力している。特定非営利活動法人ANT-Hiroshimaの理事長も務め、「仲間とともに、地道にこつこつと活動を重ねていきたい」と思いを語りました。
感謝状を手渡した山根健嗣副知事は「多くの尊い命が救われるよう、さらに協力と支援をお願いしたい」と述べました。
左から下村助教、福戸講師、山根副知事、清水寄附講座助教、渡部さん、北原加奈子健康福祉局長