震度6弱を想定し防災訓練 医療、行政機関と連携確認

 震度6弱の南海トラフ地震を想定した防災訓練を11月30日、広島大学病院で実施しました。医師や看護師、職員、学生たち120人余りが参加し、運び込まれた負傷者の傷病の緊急度や重症度に応じた優先度を決めるトリアージを行いました。またDMAT(災害派遣医療チーム)活動拠点本部を開設し、中国地区から約20隊のDMATが参集。広島市内の病院への患者搬出など、院内災害対策本部や中国地区の医療機関、行政機関との連携を確認しました。

 前日の29日に安芸灘から豊後水道にかけての海域を震源とした地震により、広島市内を中心に停電や地盤の液状化が発生し、広島圏域では3500人以上の負傷者が出ているとの想定。広島県の依頼を受け30日午前8時、DMAT活動拠点本部を放射線災害医療研修棟に開設しました。

 院内外の被害状況を確認するとともに、診療棟と臨床管理棟間の駐車場にトリアージポストを設け、学生たち模擬患者を、医師と看護師が2人1組で素早く診察。軽症、中等症、重症の症状によって治療エリアにストレッチャーで搬送し、検査や治療に当たりました。他の災害拠点病院とは、転院対象患者の情報共有や空床の確認などを進めました。

 訓練終了後の振り返り会議では、「声を掛け合い、チームとしてまとまってできた」「悪天候時のトリアージポストの開設場所には検討が必要」「同伴する家族への対応も考える必要がある」などの声がありました。


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