広島市安佐南区を拠点に活動する子育て支援団体「ぽこぽこトレイン」から7月2日、小児病棟に入院する子どもたちや、付き添う保護者に役立つグッズを詰め合わせたカートをプレゼントしていただきました。カートは広島市南区のマツダ本社工場第1車両製造部22人による手作りで、費用はマツダ(広島県安芸郡府中町)の支援をいただきました。
アルミフレームや樹脂でできており、プレスや組み立て、塗装など自動車ができるまでを描いた緻密なイラストで飾られています。収納棚を引き出すと、上部に載せたミニスポーツカーが動き出す仕掛けもあります。入院棟廊下の棚の下に収まるよう高さ95cm、幅と奥行き約65cmのサイズです。
中には、ぽこぽこトレインの支援者から寄せられた子ども向けの文房具や歯ブラシ、割りばし、洗剤、化粧品など50種類余りのアイテムが収められています。入院中の子どもたちや保護者が自由に取り出して使え、月に1、2回のペースで、ぽこぽこトレイン様が補充してくださいます。マツダ社員の皆様も、家庭に不要の日用品などを提供してくださる予定です。
ぽこぽこトレインの鋤田真樹子代表は、次男の入院に5回付き添った経験があり、食料品の買い出しにも苦労し、割りばしを繰り返し使っている母親の姿も見かけたといいます。必要な日用品がすぐにあるだけでも安心感は大きいと、今回の取り組みを発案しました。相談を受けたマツダ財団も意義深い社会貢献活動と共感され、実現しました。
カートの設置を終えた鋤田代表は「自宅にいたら普通のことが、入院中はできなくなります。入院中のご家族に寄り添いたい」とにっこり。製作に携わったマツダ第1車両製造部の田畑顕太呂アシスタントマネージャーは「カートから笑顔が広がってほしい」と話します。広島大学病院小児科の岡田賢教授は「子どもたちの入院中は親御さんも一緒に闘っておられます。元気と頑張る力になると思います」とお礼を述べました。

カートの完成を喜ぶ、写真右から鋤田代表、岡田教授、中島看護師長、田畑アシスタントマネージャー、安部舞美・第1車両製造部班長