広島大学病院に歌のプレゼント ミュージカル俳優が公演

  美しく、迫力ある歌声が広島大学病院に響き渡りました。劇団四季や宝塚歌劇団出身のミュージカル俳優たちによるNPO法人心魂(こころだま)プロジェクト(横浜市)の公演が9月24日、診療棟3階イベントホールでありました。客席としぐさや歌のやりとりをしながらの演奏に、子どもたちや家族は大喜びでした。

 劇団四季出身で共同代表の寺田真実(まさみ)さん、宝塚歌劇団出身でもある有永美奈子さん、加藤伊吹さん、向谷地愛(むかいやち・まな)さんの4人が出演。寺田さん、有永さんは「オペラ座の怪人」「CATS」に出演するなど、皆さんがさまざまな舞台で活躍する実力派です。

 外来診療に訪れた患者さんやご家族を前に、ディズニー映画「アナと雪の女王」「ライオン・キング」などの歌を披露しました。客席の間に入って子どもたちに語り掛けるように歌ったり、ハイタッチしたり、近づいてきた子どもたちと一緒に歌ったり。「頑張っている自分に拍手し、100点をつけよう」と呼びかけるオリジナル曲や、優雅な踊りも織り交ぜて、楽しいひと時を届けていただきました。

 ホールでの公演に先立ち、小児病棟に入院中の子どもたちや家族の前でも歌声を披露していただきました。「ドレミの歌」では「まばたきでも歌えるよ」と話し、みんなで声を合わせました。寺田さんは「ここに頑張っていない人は1人もいない。応援してくれる人もたくさんいる。一人じゃないよ」と語りかけました。

 四国や九州、北海道なども巡る全国ツアーの最中で、台湾公演も控えています。有永さんは「広島の皆さんはすぐに仲良くなってくださり幸せでした。心に灯をともす活動を続けていきたい」と話していました。

 心魂プロジェクトは、劇場でミュージカルを見られない子どもたちにも素晴らしいパフォーマンスを届けようと、2014年から公演やワークショップ、オンライン配信などの事業を全国や海外で展開しています。


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