大規模地震を想定し院内で防災訓練

 広島大学病院内で10月8日、南海トラフ巨大地震(マグニチュード)を想定した防災訓練を行いました。医師や看護師、職員、学生ら約300人が参加、治療エリアを4カ所設定し症状によって優先順位を決めるトリアージを実施するなど緊急時の対応をシミュレーションしました。

 広島市内などで震度6弱を記録、死者不明者は約1万5千人という大規模な災害を想定。午後2時に地震発生を知らせる緊急館内放送を受け、臨床管理棟会議室に関係者が集合しました。木内良明病院長の指示で災害対策本部を設置し、早速院内の被害確認やトリアージの準備に取り掛かりました。
 午後3時から診療棟と臨床管理棟間の通路にトリアージポストを設営、学生の模擬患者を、医師や看護師らがトリアージ、重症度に応じて4カ所の治療エリアにそれぞれ搬送しました。重傷者を受け入れた入院棟1階蘇生室では次々にストレッチャーで運ばれる患者の状態を確認しながら治療に当たりました。

 終了後のまとめ会議では、「事前の準備や経験がなくても対応できるように、マニュアルの整備や情報共有が必要」「紙カルテは書き込みが細かすぎるので、簡略化も検討しては」「物品や人員の調整が必要」などの声があった。災対本部副本部長の志馬伸朗教授は「いろいろなご意見をいただきながら今後マニュアルも整備していきたい。分かりにくい場面は動画も検討する」と総括していました。

災害対策本部の設営を指示する木内良明病院長(左端)

トリアージポストで重症度を判定し、搬送

重症エリアで治療する医師ら

中等症エリアに運ばれてきた模擬患者


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