小児がんへの理解を広め、医療や研究に光を当てようと、広島城が金色にライトアップされました。広島大学病院は今年も「世界小児がん啓発キャンペーン:Global Gold September Campaign」に参加し、9月10日に点灯式を開催しました。ライトアップは16日まで実施しました。
広島城のお堀北側の公園には、大学病院関係者や治療経験のある子どもたちと家族が集まりました。オンラインでつないだ小児病棟の子どもたちが「点灯」と合図すると、金色に照らされた広島城が夜空に浮かび上がりました。
広島大学病院小児科の岡田賢教授は「厳しい治療と闘っている小児がんの子どもたちがいることを知ってほしい。ライトアップには勇気づけられると思います」と挨拶。毎年協賛していただいている村上農園(広島市佐伯区)の村上清貴社長(広島大学出身)は「長い、苦しい闘病を続ける子どもたちへの理解と支援の輪が広がってほしい」と呼びかけました。がんの子どもを守る会広島支部の澤邊めぐみ副支部長も「子どもたちと家族を支えるため、これからも頑張っていきます」と話しました。
小児病棟では、広島大学出身の後藤明子さん(ヴァイオリン)と、今井千晶さん(ヴァイオリン)、増田喜代さん(ヴィオラ)、宮本隆一さん(チェロ)による弦楽四重奏で、子どもたちのリクエストに応えてジブリやディズニー映画の曲を披露。生演奏に子どもたちの笑顔が広がりました。
このキャンペーンは、全国の小児がん専門家によるNPO法人「日本小児がん研究グループ(JCCG)」が2021年から呼びかけており、全国のランドマークが金色にライトアップされています。広島大学病院は、中四国唯一の小児がん拠点病院として初回から参加しています。ライトアップは、東京スカイツリーや大阪城など160カ所余りで実施されます。
白血病や脳腫瘍などの小児がんは、10~14歳の死因第1位で、年間約2000~2500人が新たに発症します。広島県内でも毎年40~50人が発症しており、治療法の開発や、治療を後の子どもたちが安心して生活できる支援など、課題は少なくありません。

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