シンポジウム「研究者に対する英語アカデミックライティング支援 ―組織的運営の視点から―」

このシンポジウムは全国の大学や研究機関に所属する「研究者に対する英語アカデミックライティング支援」の担当者が一堂に集まり、支援の先進的な事例や課題について情報交換や意見交換をすることを目的としています。本シンポジウムは、アカデミックライティングに関する専門的な指導者の視点というよりも、研究者向け支援の取組みにおける事務的な運営者の視点に立って企画されました。したがって、個々の研究者に向けたライティングスキル向上の具体的ポイントを解説・議論することは中心に据えず、組織的な取り組みの有効性や可能性、問題点についての考察や分析を共有する機会の提供を主眼としています。

日程・会場

日程:2017年11月18日(土)
会場:広島大学 東広島キャンパス ライブラリーホール

主催・協力

対象

大学や研究機関に所属する「研究者に対する英語アカデミックライティング支援」の担当者、あるいは関連事項に興味のある方

言語

日本語、英語(通訳なし)

プログラム

10:00-10:05    開会挨拶
寺本康俊(広島大学ライティングセンター長/広島大学社会科学研究科・教授)

10:05-11:05    基調講演1
トム・ガリー(学術英語学会・会長理事/東京大学グローバルコミュニケーション研究センター長・教授)
日本の研究発展を遅らせる個人的課題と制度的障壁の克服

11:05-12:05    基調講演2
キャロル・サージェント(米国・ジョージタウン大学、Director of Office of Scholarly Publications)
ジョージタウン大学Office of Scholarly Publicationsの管理運営※ 英語

13:30-14:30    支援の事例報告
姚馨(大阪大学経営企画オフィス 特任講師、チーフ・リサーチ・アドミニストレーター)
URAの専門性を活用した「英語論文の投稿支援」:大阪大学の事例※ 英語

高木由紀(北海道大学URAステーション URA)
北海道大学における英語論文執筆ウェビナー試行事例

宮増フラミニア(筑波大学 准教授)
日本の大学における論文出版関連支援室の設立と運営:筑波大学医学英語コミュニケーションセンターの経験から※ 英語

荒木裕子(広島大学学術室研究企画室 URA)
ライティンググループ:広島大学の新しい試み ―課題と可能性―

14:40-16:40    グループディスカッション(基調講演者と事例紹介者が各ファシリテーター)
1) 各基調講演および事例報告について(グループ毎に異なるトピック)
2) 人社系の英語論文執筆支援について(全グループで同一トピック)

※グループディスカッションでは、基調講演と事例報告の登壇者6名がファシリテートする6つのグループに分かれます。セッション前半は、登壇者が発表したトピックについてグループごとに議論をします。セッション後半は、前半と同じグループ内で、人文社会系研究の国際発信について議論します。
※ 希望のトピックに基づき、先着順でグループを決定します。

16:40-16:45    閉会挨拶
山本陽介(広島大学 理事・副学長(研究担当)/広島大学理学研究科・教授)

17:00-19:00    意見交換会 
於: マーメイドカフェ

登壇者紹介

基調講演

トム・ガリー

学術英語学会・会長理事/東京大学グローバルコミュニケーション研究センター長・教授

ガリー教授は、1957年米国カリフォルニア生まれで、カリフォルニア大学サンタバーバラ校言語学専攻をご卒業されました。その後、シカゴ大学大学院で言語学と数学の両修士課程を修了され、1983年に来日されました。1986年から2005年までは和英翻訳、辞書編集などを本業にされました。2005年以降は、東京大学の常勤教員として勤務されています。現在は、大学院総合文化研究科・教養学部教授、学術英語学会理事でいらっしゃいます。『英語のあや』など、多数の著書をご執筆されています。

キャロル・サージェント

米国・ジョージタウン大学、Director of Office of Scholarly Publications

サージェント博士は、米国・ジョージタウン大学Office of Scholarly Publicationsの設立者であり、同オフィスの長でいらっしゃいます。氏は、教員が各分野の高インパクトファクター雑誌への論文掲載、ケンブリッジ、エール、プリンストン、ハーバード、コーネル、オックスフォードといった権威ある大学出版会からの出版への指南を行っています。また、世界中の研究者に、米国の学術界内において英語で執筆および出版するための戦略、多忙な授業期における効率的な執筆と出版の方策をアドバイスしています。サージェント氏自身は、18世紀の文学史がご専門で、バージニア大学で博士号を取得されています。

支援の事例報告

姚 馨

大阪大学 経営企画オフィス 特任講師、チーフ・リサーチ・アドミニストレーター

お茶の水女子大学 人間文化創成科学研究科 博士課程修了、博士(人文科学)
博士課程在学中は他言語話者に対する英語教授法の研究に従事する。瀋陽工業大学教員、コロンビア大学ティーチャーズカレッジ日本校マネージャー等を経て、2013年12月より現職。コロンビア大学ティーチャーズカレッジ日本校にて、世界トップレベルのTeaching English to Speakers of Other Languages (TESOL) プログラムの運営に関わった経験や自身の教育研究経験を活かし、現在はアカデミック・ライティング及びグラント・ライティング支援等を通じて、大阪大学の研究発信力向上に努めている。

高木 由紀

北海道大学 URAステーション URA

オハイオ州立大学大学院農業経済学専攻博士課程修了、博士(農業経済学)
研究活動の深化に伴い新たに必要とされる、研究推進・支援業務の企画及び実施に主に従事。英語論文執筆支援、国際共同研究を目的とした外部資金の学内説明会の設計やパイロット実施、AAAS年会をはじめとする海外における研究広報、米国大学からの委託契約における監査関連書類への対応等の業務を学内の関係部署と連携して実施した経験がある。

宮増 フラミニア

筑波大学 准教授 専門は医学英語(English for Medical Purposes: EMP)

米国・ジョージア大学、ロマンス諸語学修士。The Board of Editors in the Life Sciences (BELS) 校正者認定取得。1991年から日本の大学で英語講師として従事し、2003年から筑波大学で勤務。学部および大学院でサイエンティフィック・ライティング、医学専門用語、患者-医師コミュニケーションの授業を担当。2010年に医学英語コミュニケーションセンター(MECC)設立に係わる。研究テーマは、EMP教育学。現在、2018年の出版に向けて日英の辞書を共著で執筆中。

荒木 裕子

広島大学 学術室 研究企画室 URA

英国・エセックス大学美術史学科修士課程修了。2006年から広島大学で勤務。国際協力研究科COEプログラムでポスト・アワード業務、高等教育研究開発センターで学内発行雑誌の編集業務等に携わった後、2014年から研究企画室にてライティングセンターの研究環境基盤整備に従事している。

参加申込

下記の申込フォームからお申し込みください。

http://www.lib.hiroshima-u.ac.jp/?page_id=7219

交通アクセス

広島大学へのアクセス

会場周辺マップ

会場地図

講演・事例発表ファイル


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