公開授業・分科会

国語科

教科主題

「学びの質」を高めるために-ファシリテーターとしての授業者のあり方-

 国語科では,今年から「『学びの質』を高めるために」というテーマを掲げ,その1年目はファシリテーターとしての授業者のあり方を探求します。指導者主導の教授のあり方から学習者主体の学びへの転換が言われる中,「学び」を成立させ,「学びの質」を高めて社会とのかかわりの中で意味あるものにするためにはどのような授業者の働きかけが考えられるでしょうか。教育キーワードである「アクティブ・ラーニング」を含め,ファシリテーターとしてのあり方を模索していきます。授業は中3「読みの幅を広げる-『少年-海(芥川龍之介)』」,高II「存在の証明をめぐって-『忠度の都落ち(平家物語)』」の2本,研究発表は「読みの交流における授業者の役割-『山月記』の学習」です。

公開授業(1限)9:30~10:20

古田 尚行  存在の証明をめぐって-「忠度の都落ち『平家物語』」(高校2年)

公開授業(2限)10:35~11:25

髙島 幸   読みの幅を広げる-「少年-海(芥川龍之介)」(中学3年)

研究発表(3限)11:40~12:30

増田 知子  読みの交流における授業者の役割- 「山月記」の学習

研究協議(3,4限)11:40~12:30,13:30~15:10

指導助言者

山元 隆春  広島大学大学院教育学研究科 教授 
間瀬 茂夫  広島大学大学院教育学研究科 教授 

社会科・地理歴史科・公民科

教科主題

社会科教育におけるアクティブ・ラーニングの実践

 社会科・地理歴史科・公民科では,生徒の班活動や発表などの外形的なアクティブ・ラーニングに留まるのではなく,生徒の学びの質を深める主体的な活動を保障できる授業実践を試みます。
 中学校社会科歴史的分野では,平安時代の貴族の体験を通して,生徒が教科書に示された平安時代の語りを反省し,主体的に自らの言葉で語ることができるように,生徒と生徒,あるいは生徒と教師が協力する活動を組織します。高校地歴科地理Aにおいては,アクティブ・ラーニング型授業を通じて沖縄に関して,地域で生きる人間の営み,さらにそれらの相互関係に視点を置いて生徒に主体的に考察させることで,地理的技能及び地理的な見方や考え方を能動的に身につけさせる授業を行います。 

公開授業(1限)9:30~10:20

宮本 英征  平安時代を考える~歴史の経験を通して~(中学1年)

公開授業(2限)10:35~11:25

具志堅 加奈 地理Aにおけるアクティブ・ラーニング型授業~沖縄を題材に~(高校2年)

基調提案・研究協議(3限)11:40~12:30
講演(4限)13:30~15:10

[講師]
池野 範男  広島大学大学院教育学研究科 教授
[演題]
社会科・地理歴史科・公民科におけるアクティブ・ラーニング-教室に社会を,教室を社会に-

指導助言者

池野 範男  広島大学大学院教育学研究科 教授

数学科

教科主題

数学的活動を通した学びの価値の創造 ~数学科におけるアクティブ・ラーニング~

 新しい時代に必要とされる資質・能力を育成するために,学びの質や深まりを重視し,主体的・協働的な学習活動を適切に位置づけた教育の展開が求められています。本校数学科は,数学的活動を授業における最も重要な構成要素と位置づけ,学習内容を積極的に活用したり,より深く探究したりする学習プロセスを充実させることを通して,数学科におけるアクティブ・ラーニングの在り方を提案します。
   中学3年では,ボールの跳ね返り運動から関数関係を見いだし,実験や数学的な考察を通して議論・検証していく学習活動に取り組みます。高校I年の数学Aでは,最短経路の確率に関する問題に取り組むことを通じて,確率の基礎である「同様に確からしい」の意味を改めて考え理解を深める授業を行います。

公開授業(1限)9:30~10:20

喜田 英昭  バウンドするボールに潜む関数関係(中学3年)

公開授業(2限)10:35~11:25

袴田 綾斗  最短経路と確率(高校1年)

研究協議(3,4限)11:40~12:30,13:30~15:10

指導助言者

小山 正孝  広島大学大学院教育学研究科 教授

理科

教科主題

理科におけるアクティブ・ラーニング

 次期学習指導要領の改訂のポイントとしてアクティブ・ラーニングが示されました。アクティブ・ラーニングにはさまざまな考え方がありますが,本校の理科ではこれを「内化と外化の往還を取り入れた授業」と捉え,その構造化に向けて,授業実践を積み重ねています。ここでいう「内化」とは知識の理解と獲得,「外化」とは知識を活用するプロセスで行うパフォーマンス(書く・話す・発表するなど)と考えています。今回は,中学校理科第1分野(3年)では「運動とエネルギー」の単元,高等学校化学基礎(I年)では「酸と塩基」の単元における実践事例を紹介します。

公開授業(1限)9:30~10:20

佐々木 康子 運動とエネルギー(理科第1分野)(中学3年)

公開授業(2限)10:35~11:25

平松 敦史  酸と塩基(化学基礎)(高校1年)

基調提案・研究協議(3限)11:40~12:30

梶山 耕成  理科におけるアクティブ・ラーニング

講演(4限)13:30~15:10

[講師]
磯﨑 哲夫  広島大学大学院教育学研究科 教授
[演題]
アクティブ・ラーニングと理科授業づくり

指導助言者

磯﨑 哲夫  広島大学大学院教育学研究科 教授

保健体育科

教科主題

自ら学ぶ力を育てる授業の創造

 これからの体育の授業づくりで求められることとして,課題の発見と解決に向けて,主体的・協働的に学ぶ学習があげられています。これを授業づくりの視点として,「深い学び」「対話的な学び」「主体的な学び」という3つの学びの過程の在り方を考えていきます。
 課題解決的な学習では,個人やグループの課題を発見し,その課題の解決に向け,運動の行い方の工夫が求められます。グループでの相互観察や話し合いのほか,教師側の支援として,生徒が楽しみながら競技・種目の特性にふれ,主体的に活動できるよう場の設定や教具の工夫をしながら授業を展開することが大切となってきます。
 公開授業では,中1「バレーボール」,高2「サッカー」で場の設定や教具の工夫をすることで,主体的・協働的に学ぶことのできる授業の展開を目指します。

公開授業(2限)10:35~11:25

橋本 直子  バレーボール(中学1年女子)

公開授業(3限)11:40~12:30

世羅 晶子  サッカー(高校2年女子)

研究協議(4限)13:30~15:10

指導助言者

沖原 謙   広島大学大学院教育学研究科 教授

芸術科(音楽)

教科主題

芸術科における新しい学びの探究

 芸術科が担う主要な役割として,創造力の育成があげられます。創造力は次の段階を経て育成されます。まず知識・技能を習得する学習があって,次に思考力・判断力・表現力を育成する学習が必要です。芸術科ではこのような学習段階をふまえた力の育成を意識して,授業研究を重ねてきました。
 本年度から芸術科の教科主題とする「新しい学びの探究」は,これまでの研究成果をふまえながら,アクティブ・ラーニングの視点を加えます。特に「意見交流を通して学習を深めること」と「学習者の思考過程を可視化すること」を意識して授業を構想しました。
 音楽科の場合,アクティブ・ラーニングでいう「外化」には,言語活動に加えて,“実際に音で表現すること”があります。「内化」においても,必ず“音を伴った思考や確かめ”が必要と考えます。鑑賞と合唱2つの授業を通してそのことを提案したいと思います。

公開授業(1限)9:30~10:20

増井 知世子 いろいろな「魔王」の比較鑑賞(中学1年)

公開授業(2限)10:35~11:25

原 寛暁   生徒が自主的に進める合唱活動-リーダーの育成を柱として-(高校1年選択)

研究協議(3限)11:40~12:30

指導助言者

三村 真弓  広島大学大学院教育学研究科 教授

芸術科(美術)

教科主題

芸術科における新しい学びの探究

 公開授業では,日本四大絵巻の一つ『伴大納言絵詞』を題材に,その表現の工夫やストーリー展開に注目して日本美術の魅力を味わいます。時代背景にも目を向け,思考力,判断力,表現力,そして創造力を働かせ,登場する人物像に迫るために主体的かつ協働的な学びの場を提供できればと考えます。研究協議では,美術で身に付ける力,美術でしか身に付けることができない力について議論が深まればと思います。
 ワークショップでは,天然藍を使った絞り染めを行います。短時間で完結する題材として,技法のみでなく材料・用具の紹介もいたします。参加ご希望の方は,大会参加申込書にてお申し込み下さい。先着順に受け付け,定員の20名に達した時点で締め切らせていただきます。美術以外の方も可能です。ワークショップへの参加費は無料です。

公開授業(2限)10:35~11:25

森長 俊六  いったい何が起きている?(高校1年選択)

研究協議(3限)11:40~12:30
ワークショップ(4限)13:30~15:10

森長 俊六  藍染め体験(絞り染め)-ハンカチを染めよう-

指導助言者

菅村 亨   広島大学大学院教育学研究科 教授

英語科

教科主題

アクティブ・ラーニング型英語授業の開発-英語を使って○○できる生徒を育てる-

 英語科では,アクティブ・ラーニング型の授業開発に取り組んでいます。単に生徒が主体的・積極的に学習に参加する「アクティブなラーニング」に留まらず,協同的な問題解決や教科内容のより深い理解を達成することを目指します。
 公開授業では,中学校においては,説明文をグループで作る活動を行います。内容や書き方についてグループで相談しながら学習を進めることで,言語材料の知識など教科固有の学力だけでなく,協同的に意思決定をしながら課題を解決する力も育つ授業づくりを目指します。
 高等学校においては,中学校よりもさらに進んで,生徒たちが自分自身の学習に対して責任を負う授業を展開します。その中で,生徒たちは,コミュニケーション能力や役割把握・認識力を伸ばすことが期待されています。
 講演では「自律的な学習者の育成を目指した英語語彙指導」と題し,アクティブ・ラーニング型の授業における教科固有学力の保障についてご提案いただきます。

公開授業(1限)9:30~10:20

石原 義文  互いに教えあい,学びあう授業を目指して(高校2年)

公開授業(2限)10:35~11:25

瀬戸口 茂久 協同的学習を取り入れた深い学びを目指す授業(中学3年)

研究協議(3限)11:40~12:30
講演(4限)13:30~15:10

[講師]
森田 光宏  広島大学外国語教育研究センター 准教授
[演題]
自律的な学習者の育成を目指した英語語彙指導

指導助言者

深澤 清治  広島大学大学院教育学研究科 教授

技術・家庭科

教科主題

未来を創る技術・家庭科(1)-創造性を重視したアクティブ・ラーニングの展開-

 技術・家庭科では,「逆向き設計」によるカリキュラム構築に取り組んでいます。そこで本年度は,京都大学の西岡加名恵先生を講師にお招きして,ご講演をいただきます。
 技術分野では,「プログラミン」を使ったプログラミングでのディジタル作品の制作を授業実践しています。公開授業では,他者が企画したアイデアをもとに,プロダクトデザイン手法を用いた設計を行い,制作したものを評価し,修正点を検討します。企画者の意図をくみ取りながら主体的かつ対話的な学びにつながる取組を提案します。
 家庭分野では,「ソバ(蕎麦)」を中心に,グローバルな観点から食文化を捉え,日本の伝統的な食文化を体験的に理解させ,変わることなく定番で作られることの意義を思考させることで,知恵を磨き伝統食を新たに次世代へとつなげる力を育成する授業を試みます。

公開授業(1限)9:30~10:20

一ノ瀬 孝恵 B食生活と自立 伝統的な食文化を継承しよう(中学3年)

公開授業(2限)10:35~11:25

向田 識弘  D情報に関する技術 「プログラミン」による動的コンテンツ制作(中学3年)

研究協議・実践発表(3限)11:40~12:30

向田 識弘 一ノ瀬 孝恵 日浦 美智代  中学校3年間を見通した授業実践報告

講演(4限)13:30~15:10

[講師]
西岡 加名恵 京都大学大学院教育学研究科 准教授
[演題]
教科のカリキュラムをどうつくるか-パフォーマンス評価を活かして-

指導助言者

鈴木 明子  広島大学大学院教育学研究科 教授
谷田 親彦  広島大学大学院教育学研究科 准教授


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