研究内容紹介
本教育科目では、農耕地の生態系を制御する環境に調和した食料生産について研究している。作物の生理生態研究ではイネの直播栽培、気象資源研究では複雑地形下の局地気象の調査法と地域気象資源としての活用、微生物̶植物̶昆虫の生物間相互作用研究では生物的防除法と宿主の性を操作する共生微生物(Wolbachia)を対象にしている。
1)生物機能を利用した害虫の環境保全型制御技術開発に取り組んでいる。研究内容は、生物相互作用について分子から個体群レベルの基礎的研究および基礎研究成果を利用した応用 技術開発研究を行っている
(三浦)。
2)当地域は中山間や傾斜地など複雑な地形条件下にあり、多様な気象に富んでいる。この多様な気象を気象観測、リモートセンシング、GISなどの手法を使って気象資源として評価し、農業に生 かす研究に取り組んでいる(黒瀬)。
キーワード
生物的防除,共生微生物,農業気象, 気象資源
気象観測用気球
卵寄生蜂TrichogrammaとWolbachia(DAPIで光っている部分)
最近の業績
Watanabe M, Tagami Y, Miura K, Kageyama D and Stouthamer R Distribution patterns of Wolbachia endosymbionts in the closely related flower bugs of the genus Orius: Implications for coevolution and horizontal transfer Microbial Ecology DOI 10.1007/s00248-012-0042-x
Adachi-Hagimori T, K Miura and Y Abe (2011) Gene flow between sexual and asexual strains of parasitic wasps: a possible case of sympatric speciation caused by a parthenogenesis-inducing bacterium. Journal of Evolutionary Biology 24: 1254-1262.
Watanabe, M., K. Miura, M. S. Hunter and E. Wajnberg (2011) Superinfection of cytoplasmic incompatibility-inducing Wolbachia is not additive in Orius strigicollis (Hemiptera: Anthocoridae). Heredity 106, 642-648.
Adachi-Hagimori, T., K. Miura and R. Stouthamer (2008) A new cytogenetic mechanism for bacterial endosymbiont-induced parthenogenesis in Hymenoptera. Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences. 275 : 2667-2673.
黒瀬義孝・大濱秀一・村上要三・根角博久、(2016)ウンシュウミカンと中晩生カンキツ‘はれひめ’における簡易土壌水分計を用いた水分ストレスの把握、園芸学研究、15、139-144.
黒瀬義孝、(2014) コムギ赤かび病におけるデオキシニバレノールの蓄積と濡れ時間との関係、日本植物病理学会報、80、115-118.
黒瀬義孝、(2013) 小麦赤かび病を適期に防除するための開花期予測システム、日本醸造協会誌、108、25-31.
黒瀬義孝、(2010) ポーラスカップの空気侵入特性を利用した簡易な土壌水分計の開発、農業気象、66、245-253.