いざという地震災害に備え防災訓練

 災害時の円滑な医療救護活動を進めるため、広島大学病院内で10月29日、南海トラフ巨大地震(マグニチュード9)を想定した防災訓練が行われました。医師や看護師、職員ら約120人が参加、災害本部を設置し、トリアージエリアを準備するなどいざという時に備えました。新型コロナウイルス感染症の影響で訓練規模は縮小、患者搬送などは取りやめ、治療エリアなどの立ち上げまでにとどめました。

 広島市内などで震度6弱を記録、死者不明者は約1万5千人という大規模な被害を想定。午後2時30分に地震発生を知らせる緊急館内放送を受け、臨床管理棟2階の会議室に関係者が集合しました。木内病院長の指示で災害対策本部を設置し、早速院内の被害確認やトリアージの準備に取り掛かりました。細かな資料を提供せず、その場で判断しながらの実践的な訓練としました。津波に対応するための防潮堤を展開する訓練も診療棟と入院棟で実施しました。

 臨床管理棟前の駐車場にトリアージポストを設営、ストレッチャーなどを準備しました。また、重症度に応じて4カ所の治療エリアを診療棟や入院棟に設置、患者が搬送された場合の手順などを確認しました。

 最後にまとめ会議で「会議室にいると、現場での状況が分かりにくい」など反省点を出し合いました。参加者にアンケートも求め、今後の対応に生かしていきます。

訓練の反省点などを出し合った
災害対策本部のまとめ会議

病院内の被害状況について次々に報告が上がってくる

トリアージポストの準備を進める医師ら

診療棟玄関前の防潮堤を立ち上げる訓練


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