頭頸部がんへのイルミノックス治療(光免疫療法)スタート

 広島大学病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科は、頭頸部がんを対象としたイルミノックス治療(光免疫治療)を始めます。この治療法はアキャルックスと医療機器のBioBladeレーザシステムとを併用する新しい局所治療(治療ががんやその周囲に限られている)で、米国国立がん研究所の小林久隆先生らが開発したがん光免疫療法が基になっています。アキャルックスという光感受性物質である色素IR700の含まれた点滴を行うことで、直接がん細胞に光感受性物質を運びます。がん細胞に結合した光感受性物質にBioBladeレーザシステムを用いて光を照射することでがん細胞を壊死させます。

 治療対象となるがんは、手術によって切除することのできない局所進行又は局所再発の頭頸部がん(脳より下で鎖骨より上のがん)のみです。現在さまざまな民間の医療施設で施行されている「光免疫療法」とは違う治療です。国内では、2019年に先駆け審査指定制度の対象製品に指定され、2020年に条件付き早期承認制度を利用した申請を行い、製造販売承認を取得した楽天メディカルが開発した治療法です。

 治療に際しては、詳しい検討を行って治療適応があるかを決める必要があります。そのためかかりつけ医からの治療経過など詳細な情報が必須になりますので、まずはかかりつけ医にご相談ください。

【お問い合わせ先】

広島大学病院総務グループ
電話:082-257-5418
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