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【研究成果】肝細胞に感染したB型肝炎ウイルスが、細胞内の免疫を回避するメカニズムを解明~新規治療法開発に繋がる可能性~

本研究成果のポイント

  • B型肝炎ウイルス(HBV)感染により、肝細胞におけるtumor necrosis factor-related apoptosis-inducing ligand (TRAIL) receptor3(TRAIL-R3)の発現が亢進する。
  • TRAIL-R3はデコイレセプターとして働くため、HBV感染により肝細胞におけるTRAIL依存性のアポトーシス(※1)とTRAILによるウイルス複製抑制が回避されることを明らかにした。
  • この免疫回避機構をターゲットとしたHBV完全排除に向けた新規治療法開発に繋がる可能性がある。

概要

 広島大学大学院医系科学研究科医療イノベーション共同研究講座 茶山一彰教授は、広島大学大学院医系科学研究科消化器・代謝内科学との共同研究により、B型肝炎ウイルス(HBV)感染に伴い、肝細胞のTRAIL-R3発現が亢進することを示し、HBVのTRAIL-R3を介した細胞内免疫回避のメカニズムを明らかにしました。
本研究成果は、3月1日(日本時間)に米国感染症学会誌「The Journal of Infectious Diseases」にpublishされました。

用語説明

(※1)アポトーシス:細胞の死の一種であり,構成する組織をより良い状態に保つため能動的に起こります。ウイルスに感染した細胞の処理や、がん化した細胞を排除するために起こることもあります。

論文情報

  • 掲載誌: The Journal of Infectious Diseases
  • 論文タイトル: HBV upregulates TRAIL-R3 expression in hepatocytes for escaping both cell apoptosis and suppression of their replication by TRAIL
  • 著者名: Yosuke Suehiro, Masataka Tsuge, Mio Kurihara, Takuro Uchida, Hatsue Fujino, Atsushi Ono, Masami Yamauchi, Grace Naswa Makokha, Takashi Nakahara, Eisuke Murakami, Hiromi Abe-Chayama, Tomokazu Kawaoka, Daiki Miki, Michio Imamura, Hiroshi Aikata, C. Nelson Hayes, Takashi Fujita, Kazuaki Chayama
  • DOI: 10.1093/infdis/jiac044
【お問い合わせ先】

広島大学大学院医系科学研究科

医療イノベーション共同研究講座

茶山 一彰

Tel:082-257-2022   

E-mail:chayama*hiroshima-u.ac.jp

(注: *は半角@に置き換えてください)


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