在学生による,広大LS教育システムへの対応

平成27年6月28日(月)午後から,当法科大学院において,『法科大学院が分かる会』が行われ,当法科大学院在学中の学生への公開インタビューが行われました。
その要旨を掲載いたします。なお,学生A及びBは,いずれも,本法科大学院に入学した当時の1年生です。     

Q1:法科大学院の授業について
A: 今年度の1年生は,少人数のため,「ロの字形」になって授業を受けている。先生との距離が近いため授業に集中でき,他の学生とも向き合った状態であることから,発言や議論がしやすいと思う。

B: 授業は、学部時代と比べて,特別難しいものになったとは思わない。しかし,学部4年間の内容を3年間で学ぶため,授業スピードが早いと感じる。
 
Q2: 学部の授業の違い
A: 大学の学部は,単位をとる(とらせる)ための授業と感じていた。法科大学院は,実務家になるための授業なので,とにかく情報量が多い。先生も熱心なので,私もやる気になる。

B: 学部の授業は,発言を求められることもなく,予習や復習をしなくてもついていけた。しかし,法科大学院では,「予習は当然」であるし,双方向の授業は発言を求められることが多い。
 
Q3: 入学前の準備
A: 入学前に,民法と刑法の基本書を1冊ずつ通し読みした。基本書を読み込むという重要性に気付き今も重視している。本学から送られてきた入学前課題もやった。

B: 法科大学院に進学することになった人達と,大学内の法科大学院の先生にお願いして勉強会を開いて頂いた。数回しか開催できなかったが,気持ちが引き締まった。
 
Q4: 学部時代にやっておけば良かったこと
A: 大学3年生の前期で,ほとんど単位を取り終わってしまったため,結果として,法律の勉強をあまりしなくなったことを後悔している。時間を無駄にしてしまったというのが実感だ。

B: 学部の授業を,もっとまじめに受けておけば良かったと思う。基本書も,授業中に指摘されたところ,課題の範囲になっていたところしか読んでいない。4年後期から卒論作成が始まったため,入学事前課題に手が回らず,両立を工夫できなかったことを後悔している。
 
 Q5: 入学後の学習先
B: 毎日,必ず予習をして授業に臨むようになった。課題やレポートは,早目に終わらせるように努力している。

A: 予習をしたことがなく,最初,戸惑ったが,今では,自分のやり方を見つけることができたような気がする。授業中の発言とか,発言を間違えるということが怖くなくなった。誤答でも印象に残り,2度と間違えることがなくなる。実務家として恥をかくより,今ここで,たくさん恥をかいておいた方がいいと思う。
 
Q6: 勉学の意識
A: 弁護士は,被害者・加害者,どちらの弁護もしなくてはならず,偏った考え方ではいけないと思う。自分の意見を持つことは大事だが,こだわりすぎて,物事が一つの視点からしか見られなくならないように,考え方の幅を広げることを意識している。

B: 結果によっては,依頼者からひどい暴言や批判をされると思うが,常に平常心を保っているというイメージを弁護士に持っている。法科大学院の授業では,先生方に理不尽な事を言われることがあるが,以前よりも忍耐力がついたと感じている。将来,自分が弁護士となった時には役立つと思う
 
Q7: 法科大学院における意識的取組み

B: 今まで,文章を書くことや自分の文章を人に見られることが苦手だった。しかし,先生に添削してもらうようになり,文章に苦手意識を持たなくなり,書くことも嫌ではなくなってきた。

A: 日々のスピードが速いので,疑問点は,そのまま放置せず,授業中や授業後はもちろん,研究室に直接訪ねて行ってでも質問し,早目に解決しておくようにしている。また,時間がないので,試験前にまとめて復習するというやり方も通用しない。予習だけでも大変だが,復習も少しずつするように心がけでいる。最近,自分が理論的な話ができるようになったと思え,実務家になるためには,いい成長だと思ったが,周りに少し嫌がられることでもあるので,普段の会話については,気を付けている。

 


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