広島大学病院 救急集中治療科
TEL:082-257-5456 FAX:082-257-5589
E-mail:kyukyu(AT)hiroshima-u.ac.jp
※(AT)は半角@に置き換えてください。
広島大学病院は、三次中央病院(三次市)の集中治療室(ICU)の重症患者さんの情報をリアルタイムで共有し、診療を支援する「遠隔集中治療: Telecritical care」を始めました。中四国・九州地方では初の取り組みで、専門医が少なく、医療資源が限られる地域でも、専門的な集中医療の支援を受けられる体制を整えるのが目的です。
三次中央病院のICUに4月、パソコンにつないで患者さんのデータや画像を転送するデバイスや高解像度のカメラを設置。広島大学病院の遠隔医療支援センターに置いたモニターで、24時間、患者さんの情報を把握でき、カメラも操作できます。センターでは医師や看護師、薬剤師、管理栄養士、理学療法士らがデータなどを評価したうえで診療を支援します。
毎日午前に、三次中央病院とオンラインでカンファレンスを行い、9月上旬までに約150例の患者さんについて支援をしました。呼吸器、循環器、感染症、手術後のケアなど病状は多岐にわたり、人工呼吸器の設定、抗菌薬や鎮痛・鎮静薬の投与、栄養の管理などを提案しています。
全国的に救急科や集中治療科など重症患者を診る専門医が極めて少ない状況が続いています。厚生労働省の検討会資料によりますと、人口10万人当たりの救急科専門医の必要数は約8人とされていますが、全国平均は5.1人、広島県は4.2人と少ないのが現状です。また広島県の人口当たりの集中治療室ベッド数は、西日本でも最低水準にあり、重症患者がどこでも適切な診療を受けられるようにすることが大きな課題になっています。
広島県内には救命救急センターが8施設、日本集中治療医学会が認定する集中治療専門医研修施設が10施設ありますが、これらが存在しない二次医療圏もあり、救急科専門医や集中治療科専門医も不足しています。海外では、通信ネットワークを活用した遠隔集中治療を適用することで、地域における重症患者の診療の質の向上が期待できることが報告されており、広島県でも導入が求められてきました。
広島大学病院救急集中治療科の志馬伸朗教授は「専門医が少ない状況にあって、遠隔集中治療は県内の集中治療医療を均てん化するひとつの手段と考えています」と話しています。県内のほかの拠点病院にも接続を広げ、地域による医療格差の解消を目指すほか、今春導入した高規格病院救急車「走るICU」とも遠隔医療支援システムを通じて連携し、患者搬送中にも大学病院の専門チームが診療を支援できる体制を整えています。
三次中央病院の集中治療室(奥の画面)とオンラインで結んだ広島大学病院遠隔医療支援センターに集まった多職種のスタッフ

Home
