令和8年度の臓器移植等推進功労者として、広島大学病院の消化器外科・移植外科安部智之助教、野間慎尋・臨床検査技師、小児科の今中雄介助教と呉市の日本骨髄バンク認定説明員・井上仁美さんの4人に広島県知事感謝状が贈られました。県庁で10月26日、贈呈式がありました。
安部助教は、日本肝胆膵外科学会高度技能専門医や内視鏡外科技術認定医を取得し、肝胆膵高度手術や低侵襲手術、肝胆膵・移植診療に従事しながら、肝臓外科の臨床研究や基礎研究に取り組み、臨床と研究の両面で成果を挙げてきました。2015年以降は、広島大学病院と関連施設で、肝胆膵外科や肝移植手術の術前診断・管理、手術、術後管理まで中心的な役割を担い、多数の生体・脳死肝移植レシピエント・ドナー手術および脳死ドナーからの臓器採取に従事してきました。「広島大学病院は中四国地方の移植医療をけん引する立場にあります。これからもその一員として頑張っていきたい」とあらためて決意します。
野間臨床検査技師は臓器移植に不可欠な専門検査を迅速に高い精度で実施し、安全な臓器移植・造血細胞移植の実現を技術面から支援してきました。輸血用血液製剤管理、造血幹細胞調整・保管管理、CAR-T療法や再生医療関連業務など、最先端医療の安全な運用の基盤を支え続けています。2018年以降、認定輸血検査技師2名、細胞治療認定管理師2名、認定HLA検査技術者2名をはじめ専門技術者を新たに輩出し、地域医療を支える人材の充実に大きく寄与しました。「約30年にわたり移植医療に携わってきました。後進の育成に努めて、移植医療をさらに推進していきたい」と受け止めていました。
今中助教は小児血液腫瘍疾患や免疫異常症の診療・研究を重ね、年間5~10例の造血幹細胞移植を実施しています。骨髄バンクドナーからの骨髄採取に従事し、日本骨髄バンクの調整医師として、ドナーのコーディネート業務にも携わっています。難治性で造血幹細胞移植を必要とする悪性腫瘍症例に先進的な治療法を積極的に導入し、2023年に国内で初めて、21トリソミーに合併した重症複合免疫不全症(SCID)の根治療法として造血幹細胞移植を実施しました。「移植は、小児がんと闘う子どもたちの根治治療として必要。ひとりでも多くの子どもたちが安全に移植を受けられるよう力を尽くしたい」と思いを新たにします。
井上さんは、親族が骨髄バンクからドナー提供を受け骨髄移植を受けたことをきっかけに、骨髄バンク認定説明員の資格を取得しました。以来12年にわたり、献血場所や大学の催しなどで、骨髄バンクのドナー登録の必要性や骨髄提供の尊さを伝える活動に取り組んでいます。「苦しんでおられる患者さんの力になれればと思い、続けてきました。特に若い人に関心を持ってもらい、骨髄バンクに登録してほしい」と訴えました。
感謝状を手渡した山根健嗣副知事は「多くの尊い命が救われるよう、県としてもさらに臓器提供や移植の啓発に取り組んでいきます。今後もご支援をお願いしいます」と述べました。
左から今中助教、安部助教、山根副知事、野間臨床検査技師、井上さん、矢野好輝健康福祉局長

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