国産初の手術ロボット「hinotori(ヒノトリ)」を導入
国産初の手術支援ロボットシステム「hinotori(ヒノトリ)サージカルロボットシステム」を導入し、2022年3月23日に初めて前立腺がん摘出手術を実施しました。ヒノトリを用いた手術の実施は国内で5施設目です。
ヒノトリは関節にあたる可動8軸を持ち、内視鏡カメラや鉗子(かんし)などの医療器具を装着できるアーム4本を備えています。本院では、米国製の手術支援ロボット「ダヴィンチ」2台体制で、前立腺がんをはじめ腎臓がん、膀胱がんなどでロボットを用いた手術を実施。さらに対応できる手術の範囲が胃がん、食道がんなどへ徐々に拡大される方向にあり、3台目としてヒノトリの導入に踏み切りました。
ヒノトリは川崎重工業(株)とシスメックス(株)の共同出資で設立された(株)メディカロイド(神戸市)が2015年から開発に取り組み、2020年に国産で初めて製造販売が承認されました。本院で担当する日向信之教授(泌尿器科)は前任の神戸大で開発に携わりました。

バレーボール男子JTサンダーズ広島への医療支援協定を締結
2021年10月7日、広島大学病院と日本たばこ産業株式会社はバレーボールのV.LEAGUE男子JTサンダーズ広島への医療支援に関する協定書を締結しました。協定は、JTサンダーズ広島の選手およびスタッフに対し、広島大学病院が、メディカルチェックや日常的な健康管理指導などの医療支援を通して、その競技パフォーマンスの向上に貢献することを目的とするものです。
医療支援の内容については、メンタルや栄養面、運動負荷をかけての心肺機能チェックなど新たな取り組みを含めて今後検討していきます。

地域医療への貢献として寄附講座を設置
寄附講座とは、人件費及び研究費等を広島大学病院に寄附いただき、その寄附を財源として教員を雇用し、診療、研究及び教育を進めていく制度です。
医師である教員は、地域の病院と広島大学病院で勤務し、その関係を密にすることで、地域医療に還元していく仕組みと言えます。
2022年4月には、新たに東広島市、福島県南相馬市及び愛媛県八幡浜市からの寄附により、寄附講座が誕生しました。
東広島市は、2021年10月に続く2例目で、1995年の広島大学の東広島市への統合移転完了後、共に発展し、現在では、Town & Gown構想(タウン(街)とガウン(学生や教員)が一体となったまちづくり)を進めています。
南相馬市と広島大学は、東日本大震災後の連携・協力関係を一層緊密にしており、また、八幡浜市では、これまでも広島大学が医療支援協力を行っており、いずれもその関係をより発展させるための寄附講座の設置となります。
2020年度から開始した寄附講座は、関係のみなさんのご協力により、現在10を数え、引き続き、寄附講座による地域医療への貢献を行っていきます。

(南相馬市提供)
福島県から表敬訪問
2021年11月22日に福島県と福島県立医科大学の6人が広島大学病院を訪れ、医師派遣への感謝を伝え、今後の支援に期待をしました。この日訪れたのは、福島県病院事業管理者の阿部正文氏、安達和久病院局長、福島県ふたば医療センターの谷川攻一センター長、福島県立医科大学の竹石恭知理事兼副学長らです。
懇談では、阿部管理者から「医師の確保が厳しい中、継続的な医師派遣に感謝しています。おかげで24時間365日の救急医療体制が維持できており、今後ともぜひ協力を」と話しました。谷川センター長は救急搬送の9割以上がセンター附属病院に来ており、地域の救急医療を一手に担っている現状を報告。また、帰還住民が増えるにつれ、高齢者が多くなり、訪問診療・看護や糖尿病の出前講座が大きな役割になっている、との説明がありました。木内良明病院長は「大変な状況が続いており、今後も支援を続けていきたい」と応えていました。
