広島大学病院の主な取り組み

国際貢献活動

インドネシア政府系の9病院と合意書に調印

 インドネシア保健省と政府系9病院の関係者が2023年8月9日、広島大学病院を訪れ、医療協力の合意書に調印しました。式にはインドネシア側、広島大学側からそれぞれ約30人が出席しました。

 越智光夫学長の「医療連携の具体化に向けたスタートを切ることを期待します」とするメッセージを田中純子副学長が伝えました。インドネシア保健省のウィタ・ナーサンティ氏は「新型コロナウイルスの感染爆発をへて将来へのパンデミックへの備えが必要です。国民のヘルスケアの質向上へ広島大学病院と教育や研修を通じた協力がより発展することを願っています」とあいさつしました。

海外からの患者を積極的に受け入れ JIH推奨を更新

 広島大学病院は「ジャパン インターナショナル ホスピタルズ(JIH)」に推奨されています。2021年に続き、2024年1月19日の審査で更新されました。一般社団法人 Medical Excellence JAPAN(MEJ)が、海外からの患者(渡航受診者)の受け入れ体制や診断・治療の実績を評価し、所定の基準を満たす病院を推奨する制度で、日本政府と協調し、渡航受診者を積極的に受入れる医療機関の情報を海外へ発信する取組みを推進しています。日本国内で44の病院が推奨を受けており、うち国立大学病院は東京大、大阪大などの9施設です。

 広島大学は全学でSDGs達成に向けた取り組みを推進しています。大学病院は国内有数の高度な医療技術を持ち、広島県内唯一の医療教育機関としてSDGsの達成に向けて社会貢献活動を展開しています。JIHの推奨もこの一環で、SDGs17の目標の一つ「すべての人に健康と福祉を」の活動です。

災害への対応

能登半島地震被災地支援へ医師や看護師ら派遣

 2024年元日に発生した能登半島地震は、多くの犠牲者と被災者を出しました。広島大学病院は1月11日、厚生労働省DMAT事務局からの要請を受けて、被災地へDMATを派遣しました。

 避難所や災害対策本部支援のため、その後もDMATの他、JRAT(日本災害リハビリテーション支援協会)、JMAT(日本医師会災害医療チーム)、災害支援ナース、感染症関連のDICT(災害時感染制御支援チーム)および災害登録派遣薬剤師(日本病院薬剤師会)が出動。医師、看護師を中心に合わせて33人の職員が医療支援に取り組みました。

地域医療への貢献

総合診療医センターによる先進モデル確立プロジェクト

 2023年度厚生労働省支援事業に採択され、広島大学・広島県が連携し広島大学病院内に総合診療医センター(ひろしまCGM(Center of General Medicine))が設置されました。国内初の「オンライン診療対応ネットワークシステム(ORIZURU)」を整え、総合診療医育成のための遠隔教育を展開。より質の高い地域医療を実践するインフラとしても活用し、地域医療体制構築の先進モデルを確立していきます。

 専門研修プログラムでは質の高い教育・診療を実践するため、研修病院間で電子カルテ端末や医療機器をつなぐネットワークモデルを構築。地域社会のニーズに確実に応える総合診療医を育成します。地域住民に質を担保した、安心・安全・最適な医療を提供。将来的には二次医療圏基幹病院に総合診療医を中心とした診療・教育チームを編成し、医師の偏在を解消しつつ、活力ある地域を創造します。


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