福島の復興支援に従事した中森医師が出向報告(2021.01.07)

 広島大学では、福島県立医科大学が双葉地域の避難指示解除を見据え、帰還住民が安心して住み働ける環境を整備するための医療体制構築を目的として、同大学病院が設置した「ふたば救急総合医療支援センター」へ協力を続けています。広島大学病院内に「福島医療支援センター」を設置、2016年10月から本院医師が出向し医療支援を通じて福島復興に協力しています。

 2020年10月から3カ月間の出向を終えた脳神経内科の中森正博医師が2021年1月7日、丸山博文診療科長の同席のもとで、木内良明病院長に出向の報告を行いました。木内病院長からはねぎらいの言葉が述べられ、中森医師は福島での医療支援の状況を振り返りました。

 中森医師は、地域医療を支えるため富岡町に開院した福島県ふたば医療センター附属病院などで診療に当たりました。12月からは新型コロナウイルス感染症の患者も増え、隔離病床にも対応していたといいます。発災から10年を迎える地域の現状について、「まだ帰還困難区域は残っており、解除された地域でも住民の帰還は多くはない。除染など原発関係の作業員が引き揚げてしまった時点で、住民の生活や医療がどうなるのか、方向性が気になる」と話していました。

左から木内病院長、中森医師、丸山診療科長

左から木内病院長、中森医師、丸山診療科長


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