研究内容紹介
水生動物を対象とし、個体群動態、群集生態やそれらに関わる諸環境要因・メカニズムについて、行動学・形態学・生理学・生化学・遺伝子レベルで解析を行うことにより、動物の『生きざま』を深く理解し、これを人類の持続的繁栄に応用することを目的としている。
1)水生昆虫や淡水魚類の生態と環境との関わりをさまざまな角度から調べ、個体群維持のための方策を考えるとともに、環境指標・環境修復に応用するための手法を研究している(河合)。
2)干潟における二枚貝に及ぼす捕食生物に関する研究、カキ筏における付着生物群集の遷移過程に関する研究および瀬戸内海におけるナメクジウオの個体群動態に関する研究を行っている(斎藤)。
キーワード
海底動物,淡水魚,生態学,環境修復
イワナの1亜種、ゴギの頭部
アサリ
最近の業績
Kawai, K., Sugimaru, K., Saito S., Imabayashi, H.(2011)Chironomidae collected at the seashore and estuarine in Japan. Med. Entomol. Zool., 62: 249-271.
斉藤英俊・丹羽信彰・河合幸一郎・今林博道(2011)西日本における釣り餌として流通される水生動物の現状.広島大学総合博物館研究報告.3: 45-57.
斉藤英俊(2011)資源保護先進国に学ぶ~オーストラリアのライセンス制度~.「メジナ釣る?科学する?」(海野徹也・吉田将之・糸井史朗編著)恒星社厚生閣.東京:217-221.
斉藤英俊・池浦智史・河合幸一郎・今林博道(2010)広島県三津湾における放流アサリの生残に及ぼす被覆網の効果. 水産増殖.58:525-527.
Osman, I.H., Gabr, H.R., Saito, H., El-Etreby, S.H. (2010) Reproductive biology of the highly commercial polychaetes in the Suez Canal. J. Mar. Biol. Ass. UK., 90: 281-290.
近藤繁生・山本優・小林貞・平林公男・河合幸一郎(編著)(2010)図説日本のユスリカ.ユスリカ研究会編.文一総合出版.東京.pp.353.
Saito, H., Mimura, K., Kawai, K., Imabayashi, K. (2009) Temporal and spatial dynamics of a lower-intertidal lancelet population in the Seto Inland Sea, Japan. Zool. Sci., 26: 550-556.
Kawai, K., Imabayashi, H. (2009) Cricotopus bifascia Tokunaga, 1936: transfer to the genus Paratrichocladius and redescription of the male. Med. Entomol. Zool., 60: 81-85.
斉藤英俊・中西夕佳里・重田利拓・海野徹也・河合幸一郎・今林博道(2008)広島湾におけるマガキ種苗に及ぼす魚類の捕食の影響.日本水産学会誌.74:809-815.
Kawai, K., Imabayashi, H. (2008) A new species of genus Stictochironomus (Diptera: Chironomidae), collected in the Oze river basin, Hiroshima, Japan. Limnology. 9: 101-103.
斉藤英俊・泊野洋治・山地幹成・河合幸一郎・今林博道(2007)広島県沿岸域におけるアサリの資源特性と生息環境.水産増殖.55:331-345.
Kawai, K., Imayoshi, Y., Imabayashi, H. (2007) Differences in allele frequency at ME-1 locus among four subspecies of Japanese white-spotted char salvelinus leucomaenis. Fish. Sci., 73: 1398-1400.