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研究者への軌跡

学会参加のススメ

氏名:中野 敏彰     

専攻:数理分子生命理学専攻

職名:助教

専門分野:分子生物学

略歴:広島大学大学院理学研究科博士課程後期修了、理学博士。
日本学術振興会特別研究員、広島大学特別研究員、広島大学大学院理学研究科助教を経て現在に至る。
専門は分子生物学で、DNA修復および遺伝子動態の研究を行っている。
所属している学会は、日本分子生物学学会、日本放射線影響学会、日本環境変異原学会、中国地区放射線影響研究会。

 

研究者にとって必要なことは、研究分野についての知識はもとより、幅広く他の研究者と協調して研究することが必要だと思います。研究者は研究室にこもりがちで、あまり研究室から外に出ず、内向的になりがちではないでしょうか?そうならないためにも、積極的に学会に足を運び、研究者同士のつながりを大事にすることが大切です。それにより、これからに繋がる研究のヒントを得たり、研究に対するモチベーションを保つことができると考えます。また、これまでの研究結果を図や簡潔な言葉で説明の練習をすることにより結果をまとめることもできます。
 

私が参加した最初の学会は、M1の時に静岡で開催された国際学会(国際変異原学会)でした。開催地は静岡ですが国際学会だったために、公用語である英語での発表が義務づけられており、言葉で苦労したことを覚えています。発表は原稿を覚えることによりなんとかなるのですが、質問が理解できないのが困ります。ポスター発表の時、多分フランス系の外国人に『この基質はどこにラベルされているのか?』と聞かれましたが、外国人のラベルの発音がローベル?としか聞こえなかったため、ローベルの正体がなにかわからず、『ローベルは入れてないよ。』と大嘘を言ってしまいました。申し訳なく思います。この場を借りて『基質の5’末端にローベルされています。』と訂正いたします。このように多少恥はかくでしょうが、気にしないことです。
 

また、参考にしていた人の論文を書いた人や、その分野の著名人に会うと、この人が○○を発見した、□□さんかぁと、なにやら芸能人にでもあったかのような気になります。本にサインをもらっている人すら見たことがあります。でも、その人のことを覚えておくと、次に論文を読んだ時に、あぁ、あの□□さんの研究室では、今度はこんな研究したのかと、論文と研究者(室)を関連づけて覚えることができます。論文と研究室を関連づけることは、意味が無いように思えて重要なことだと考えます。
 

発表しただけで、そそくさとホテルに帰ってしまうのでなく、バンケット(パーティーみたいなもの)にも参加しましょう。バンケットは学生の打ち上げのような感じで開かれているわけではなく、研究者同士交流するために開かれています。このように積極的に交流することによって、重要な情報を聞いたり、お金では買えないような貴重なサンプルを譲り受けたり、共同研究に発展していく可能性だってあります。他大学の同世代の友達もできるでしょう。同じ研究分野で頑張っている同世代とのディスカッションすることによってモチベーションを保つこともできるでしょう。
 

広島大学の学生にはぜひ、積極的に学会に参加することをおススメします。


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