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研究者への軌跡

きみは本を読んでいますか?

氏名:芦田 嘉之

専攻:数理分子生命理学専攻

職階:助教

専門分野:生化学、分子生物学

略歴:徳島大学歯学部助手、広島大学大学院理学研究科助手

 

ブタ膵臓から酵素の精製・構造解析からはじまり、植物を利用した酵素の研究、マウス・ヒトなどの培養細胞やマウス・ウサギなどの動物を用いた癌転移・癌浸潤の研究、植物培養細胞を用いた遺伝子発現の研究と、扱う材料も実験手法もいろいろ経験してきました。これは、所属がかわるたびにテーマも変わったという事情もあります。何を考えているのか、といったことなどは、最後にあげたウエブサイトにたっぷりと書いてあります。ここでは、本の話題にしぼってお話ししましょう。
 

現在下記の「蔵書一覧」にあるように、5,700冊ほどの本を私蔵しています。本当は蔵書を一箇所にまとめて整理したいのですが、残念ながら場所がないので、研究室と自宅に分散して置いています。将来的には可動式の書籍棚に分類して並べるのが夢ですね。
専門書や教科書だけでなく、趣味で読んでいる本も結構あります。大学生になってから一気に読む本が増えてきました。残念ながら、各地を転々としており、引っ越しのたびに蔵書の一部(ある時は大部分)を処分してしまったので、読んだ本が全部残っているわけではありません。いまとなっては、引っ越しのときに無理してでも売らずに残しておけばよかったと後悔しています。
自分の興味で本を買っていますから、図書館のように網羅的ではなく、テーマがかたよっています。でも、研究室に来ていただければ、テーマによってはまとまった本を居ながらにして読むことができますよ。
 

いろんな本を読んでいると、高校までの教科書に載っていることは、多くの事例で反証されてしまっていることに気がつきます。明らかなウソが書いてあったりもします。高校の教科書の間違いを見つけるのは意外と簡単です。
受験のことがあるので、とりあえずは教科書に書いてあることを覚えないといけないのは、しかたがありませんね。でも、教科書には「真実」だけが書いてあると思ったり、科学は「真理」を追求する学問であると思ったりするのが誤解であることも、いろんな本を読むことで見えてきます。
 

クリティカルに考えるという「技術」は特に科学分野では必要になります。この点では、トンデモ本を楽しむのもいいと思います。私は好んで定期的に読んでいます。トンデモ本というのは、とんでもない本というのではなく、著者の意図したこととは異なる視点で楽しめるという「と学会」がいうところの本のことで、オカルトや新宗教分野に限らず、自然科学分野で権威ある博士の書かれた専門書も含まれます。もっとも、夢中になるあまり「ミイラ取りがミイラになる」ことがないように注意しないといけませんが。
 

高専で行っている授業では、おもしろそうな本をいろいろ紹介しています。その一部はブログにも書いていますので、参考にしてください。
 

血液型と性格が関係していると思ったり、遺伝子組換え食品が危険だと思ったり、あるいはBSEが怖くて牛肉を食べるのを控えたりしていませんか?食品添加物のアミノ酸は添加物なんだから危険なものだと決めつけていませんか?細かく分解したコラーゲンに美肌効果があったり、これまた分解した核酸が重要な栄養素だと思ったりして高いお金を払っていませんか?残留農薬が怖い怖いといいながら生野菜を平気で食べていませんか?これらの話は遺伝子やタンパク質のことを理解するだけで、みんな誤解であったり取り越し苦労であったりすることが簡単にわかります。
(最後に、ちょっと宣伝になってしまいますが)上記の事柄にあれっ?と思ったり、答を知りたいと少しでも思ったりしたなら、私のブログや授業のページをクリックしてください。私なりに解説していますので、参考になるかも知れません。また、これらをまとめた新書版の本が、2007年1月に発売されます。高校生にもわかるように書いたつもりです。書店で運良く私の名前を見つけたなら、手にとって読んでいただけるとありがたいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
 

呉工業高等専門学校での授業「バイオテクノロジー」 http://www2.biglobe.ne.jp/~ashida/kurekousen/

ブログ http://yoshibero.at.webry.info/


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