准教授 野間 小百合(NOMA Sayuri)

研究分野、研究テーマ

国際私法

経歴

2009年3月広島大学 法学部法学科卒業
2011年3月広島大学大学院 社会科学研究科法政システム専攻・博士前期課程修了
2014年3月広島大学大学院 社会科学研究科法政システム専攻・博士後期課程(国際私法)修了
2014年4月帝京大学 法学部法律学科 助教
2017年4月帝京大学 法学部法律学科 講師
2021年4月広島大学 人間社会科学研究科 准教授

学部の教育内容

 国際私法は、国際的な私法生活関係に対してどこの国の法律を適用するのかを決定する法です。例えば、外国人男性Xと日本人女性Yが、日本で婚姻したい場合(国際家族法のなかでも国際結婚の問題)、外国人X(売主)と日本人Y(買主)があるものの売買契約を締結したい場合(国際取引法のなかでも法律行為等)などが挙げられます。
 これらの問題に関して、日本の国際私法の主要法源である「法適用通則法」によって準拠法を決定していきます。
 国際私法では様々な分野の単位法律関係が問題となるため、国内的法律関係の理解を前提とした上で、渉外的法律関係の問題へアプローチし、個別具体的なケースについて結論を導いていきます。

大学院の教育内容

 国際私法、国際取引法の分野に関して、論理的思考力が身につくよう、具体的な事例に基づいて研究を行っています。
 例えば、国際取引法の分野の中でも、国境を越えた知的財産権に関する準拠法の決定に関して。特にインターネットにおける著作権侵害の問題は依然として論点の多い分野であるため、比較実質法、比較国際私法を通じて、判例および学説の見解を整理・検討していきます。
 その結果、「誰の利益をどのように保護するのか」という利益考慮の観点から、法的に妥当な結論が導くことに主眼を置いて考察を行います。
 このような思考演習を通じて、研究の基礎を身につけていきます。

最近の研究について

 国際知的財産権法の中でも、特に著作権と特許権という単位法律関係について研究を行なっています。特に、渉外的な要素を含む著作権に関する論点は多岐に渡り、職務発明
 (著作権の帰属)、著作権譲渡、インターネットにおける著作権侵害、一般の著作権侵害についての準拠法の決定に関して、ベルヌ条約5条を歴史的考察を踏まえ検討しています。
 この点に関しては、従来、知的財産権の枠組みの中で同様に論じられることが多かった特許権と著作権の性質の違いを明確に区別して研究を行なっています。その上で、比較実質法及び比較国際私法の観点から利益考慮を行い、法的に妥当な結論が導くことに努めています。


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