研究分野、研究テーマ
刑法・東洋法制史:刑法、刑事政策、刑罰史、東洋法制史、中国法制史、日中比較法制史研究
経歴
2016年6月、中国西南政法大学大学院法律史研究科 修士(法学)取得。
2020年6月、中国西南政法大学大学院法律史研究科 博士(法学)取得。
2021年4月より現職。
学部の教育内容
学部の講義では、「刑事政策」「刑法応用」などの科目を通じて、日本刑法を中心に、中国刑法との比較的研究を検討しつつ、基本的な概念、学説、判例の解説を行います。さらに、現代刑法理論とその系譜、刑法史にも言及し、それを知ることによって逆に現行の法制度がわかってくる場合もあります。現状を分析しながら、現行法制度を前提に様々な問題に対処しつつ、既存の枠組みで解決が導かれない場合であったとしてもそれに拘泥することなく別の選択肢を考え、専門分野の枠組みにとらわれない、柔軟な思考能力を養うことを目指します。
「東洋法制史」の講義では、日中律令を中心に古代の法制度・法思想を紹介します。「先にあったことは、また後にもある、先になされた事は、また後にもなされる。日の下には新しいものはない」法の歴史も繰り返すものです。法制史学は「史学」の一部でありながら、「法学」の一部でもあります。法制史の講義は通常法学部における法学の体系の中に位置づけられ、それは法制史学が基礎法学の一環として重要な役割と意義を持っているからと言っても過言ではありません。異なる時代や社会の法制度と法思想を学ぶことは、現代法理解および現代社会の理解にも繋がります。法制史学は法の真理を探究する学問であり、現代社会が抱える様々な難問に対して、歴史を遡れば答えが見えてくるかもしれません。東洋法制史の講義を通じて、何千年にも及ぶ法学の伝統を受け止めつつ、法学の知識的構造と価値観が築かれることを目指します。
大学院の教育内容
システムとは相互に影響を及ばし合う要素から構成される、まとまりや仕組みの全体のことを指し、刑事法もまたシステムである。ひたすら目先のことへの即座の効用を求めればよいものではなく、人類が長い歴史の中で獲得してきた法価値と法文化への配慮も必要になります。
大学院の講義(刑事システム論)では古代以来の刑罰制度と古今刑法との関連性及び通時性を理解し、また現代刑事政策の実践的課題について議論することによって、多面的・多角的な思考力を持つ人材の育成を目指します。
最近の研究について
法及び法制度の歴史的経緯のみならず、古今法令における死刑存廃論、錯誤論、自首制度、刑事責任年齢など、様々な問題を通じて古代法の法理論から現代法の法理論を捉え直します。たとえ現代法のような厳密な法理論が成立しなかったとしても、少なくともその源流となる思考が存在していたことは現代においても示唆に富むと思い、それを中心に研究しています。