総合スコアで国内2位となった要因の一つとして、2024年に東広島キャンパスが環境省「自然共生サイト」に認定された実績が、SDG15(陸の豊かさも守ろう)において大きな評価につながったことが挙げられます。本学は、恵まれたキャンパスの自然環境を学生教育に活かしながら後世に繋ぎ、30by30 目標（2030年までに、陸と海の30％以上を健全な生態系として効果的に保全しようとする目標）の達成への貢献はもちろん、生物多様性保全と気候変動対策との両立に向けた持続可能な活動を推進していきます。

　世界100位以内かつ国内単独1位となった2項目は、SDG11(住み続けられるまちづくりを)とSDG13(気候変動に具体的な対策を)の2項目であり、2年連続での国内単独1位獲得となりました。

　どちらの項目も、本学のカーボンニュートラル実現に向けた継続的な取組が認められた結果であり、特に、SDG11(住み続けられるまちづくりを)では、持続可能な基準に基づいた、エネルギーの生成と消費の収支がプラスマイナスゼロになる建物のZEB(Zero Energy Building)化の取組等が評価されています。

　また、SDG13(気候変動に具体的な対策を)においては、低炭素エネルギーの利用増が評価されており、今後は大規模太陽光発電事業によって東広島キャンパスに整備された太陽光発電施設を活用して、更なる低炭素エネルギーの利用を推進します。

　本学はSDGs17項目のすべてにエントリーしており、幅広い分野でSDGs達成に向けて取り組んでいます。

　本学のSDGs達成に向けた国際的な取組は、「THEインパクトランキング」の他に「THE Awards Asia」でも高く評価されております。2025年4月に発表された「THE Awards Asia 2025」では、「International Strategy of the Year （国際戦略部門）」及び「Outstanding Contribution to Environmental Leadership (環境リーダーシップへの顕著な貢献部門）」の2部門の大賞に選出され、日本で初の2部門同時受賞となりました。

　今後もSDGs達成に向けた取組を継続・発展させることにより、2030年のSDGs達成、さらにはその先の平和で持続可能な世界の実現において、世界からその貢献が見える広島大学を目指していきます。

■THEインパクトランキング・・・国連のSDGs(持続可能な開発目標)の枠組みを用いて、大学の社会貢献の取組を可視化するランキングです。7回目の今年は、過去最多の世界2,318大学が総合ランキングの対象となりました。総合ランキングは、必須のSDG17(パートナーシップで目標を達成しよう)と、SDG1～SDG16のうち上位3つのSDGs項目のスコアを組み合わせて算出されます。

■THE Awards Asia・・・THEがアジアの大学の卓越した改革の取組を表彰するもので、2019年から始まり、今年が7回目の開催です。