【お問い合わせ先】
広島大学大学院統合生命科学研究科 杉 拓磨
Tel:082-424-4012 FAX:082-424-4012
E-mail:sugit*hiroshima-u.ac.jp (*は半角@に置き換えて送信してください。)
広島大学大学院統合生命科学研究科の杉拓磨特定教授が、浜松ホトニクス株式会社および日本ビューワークス株式会社と共同で提案した研究課題「In vivo 4D顕微鏡の開発」が、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の「研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)産学共同ステージⅡ(本格フェーズ)」に採択されました。A-STEPは、大学や公的研究機関等で生まれた研究成果の実用化と社会還元を目指す技術移転支援プログラムです。
本研究は、2026年10月から2031年3月までの4年6か月間にわたり実施されます。JSTによる支援に加え、参画企業によるマッチングファンドを含めると、総額約1億5,000万円の支援を受けるプロジェクトです。
杉研究室ではこれまで、一度の撮影で生体組織の立体情報を取得できる「ライトフィールドイメージング技術」(※1)に着目し、研究を進めてきました。2022年度から2024年度までのA-STEP産学共同(育成型)の支援のもと、従来のライトフィールド顕微鏡の課題であった空間解像度を大幅に向上させる技術の開発に成功しています。
今回採択された本格フェーズでは、浜松ホトニクス株式会社および日本ビューワークス株式会社との産学連携のもと、高い画質を維持しながら、生きたマウスなどの体内で起こる生命現象をリアルタイムに3次元観察できるライトフィールド顕微鏡の開発を進めます。さらに、その実用化・社会実装を目指します。
これまで顕微鏡技術は、2014年にノーベル化学賞の対象となった超解像顕微鏡や、2017年に同賞の対象となったクライオ電子顕微鏡をはじめ、「どこまで小さな構造を見分けられるか」という空間解像度の向上を中心に発展してきました。これに対し本研究では、「どこまで速い生命現象を捉えられるか」という時間解像度の限界に挑戦します。高い空間解像度とミリ秒スケールの時間解像度を両立することで、生体内で起こる現象を3次元空間と時間軸からなる4次元(4D)で可視化する「In vivo 4D顕微鏡」の実現を目指します。
本技術により、脳の働きの解明や、がんの発症・進展メカニズムの理解、口腔・腸内細菌叢の研究など、生命科学・医学分野における幅広い研究の進展が期待されます。
【用語解説】
*1:ライトフィールドイメージング技術:通常のカメラが記録する明るさ(2次元画像)に加え、光がどの方向からどこを通ってきたかという角度情報を含む、光の4次元情報(ライトフィールド)を取得する撮像技術。主に、マイクロレンズアレイを用いる方式と、光ファイバーバンドルを用いる方式がある。1回のカメラ露光で3次元空間を撮像できるため時間解像度に優れる一方、空間解像度が低いという課題があった。杉研究室では、空間解像度を飛躍的に高めるさまざまな手法の開発に成功し、国際・国内特許を出願中である。
参考文献
杉 拓磨、今村 隆輝「ライトフィールドイメージングの進展」『日本応用物理学会誌 フォトニクスニュース』第12巻、第1号
令和8年度採択者(※所属等は採択時)
杉 拓磨 准教授・大学院統合生命科学研究科
研究開発課題:In vivo 4D顕微鏡の開発

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