広島大学国際室国際部留学交流グループ
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笹川平和財団及びコロンビア大学との共同サマープログラム
被爆80周年を迎えた本年、広島大学は「Peace Study Tour 2025」を実施しました。本事業は、平和記念日の8月6日に合わせ、協定校をはじめとする世界各国の大学から学生を招へいし、多様なテーマの下でサマープログラムを展開するものです。
第3回目を迎えた今回は、17カ国37大学から140人の学生が来日し、本学学生83人とともに6つのサマープログラムに参加しました。各プログラムでは、核軍縮と不拡散、持続可能な資源管理と積極的平和、人工知能(AI)の社会的役割、ダイバーシティ&インクルージョン、海洋・海事分野におけるAI活用、循環型経済など、現代世界が直面する課題を主題とし、8月上旬から9月中旬にかけて10日間から2週間程度の期間で実施しました。
世界中の大学から集まった参加者は、多様なバックグラウンドを有する仲間と共に、専門家・実務家による講義、現地視察、グループワークやディスカッションを通じて、多角的な視点から課題に取り組むとともに、平和構築について活発な意見交換を行いました。
さらに、8月4日から6日にかけては、プログラム横断的に平和学習を実施しました。例年実施している被爆体験講話の拝聴、平和記念資料館の見学、平和記念式典への参列に加え、被爆80周年を記念し、昨年度のノーベル平和賞受賞団体である日本原水爆被害者団体協議会の理事長・箕牧智之氏を特別講師としてお迎えしました。箕牧氏には、ご自身の被爆体験と平和への取組についてご講演いただき、学生たちは戦争の惨禍、広島が歩んできた平和への道のり、そして復興の力強さを学ぶ貴重な機会となり、学生たちに深い思索を促しました。
海外からの参加学生からは、「広島は平和に果たしてきた役割や復興の歴史を持つ理想的な学びの場。この経験から、平和と復興は可能であることを実感した。自身の出身地も復興の途上にあるため、この学びを地域での活動に活かしたい。個人的にも心の平和を見つける一歩となり、心のトラウマを癒す助けとなった」「多様な背景を持つ参加者が一堂に会することで意見の相違が生じるのではないかと当初は懸念していたが、互いを尊重し合う姿勢により円滑に議論が進み、多くの学びを得ることができた。特に、自然との共生が持続可能で平和な世界の実現に不可欠であることを改めて認識した」「平和とは単に紛争を終結させることではなく、他者や環境への尊重、信頼、思いやりを築くことであると学んだ。この経験を地域社会における文化保存や環境問題への取り組みに活かしたい」「広島は歴史だけでなく、人々の精神的・心理的な復興も進められた場所。より良い未来を目指す意識の象徴だと感じた」といった意見が寄せられ、学生たちが平和の意義を主体的に考え、多様な学びを得たことがうかがえました。
戦禍がなお絶えない地域が存在する現代において、世界各国の学生が一堂に会し、国際的な交流を通じて共に学び議論する場を提供することは、大学の重要な使命の一つとの強い思いから、本学は今後も、広島を訪れる世界の学生に原爆の実相を伝えるとともに、平和や持続可能性について考え行動する契機となる学びの場を提供してまいります。
【2025年度のプログラム】
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プログラム |
テーマ |
開催日 |
参加人数 |
1 |
INU学生セミナー | 核軍縮と核不拡散 | 2025年8月2日~10日 | 53人 【内訳】広島大学(32)、INU加盟9大学(21) |
2 |
広島大学&笹川平和財団&コロンビア大学共同サマーコース | 自然資源管理における対立と協力- 積極的平和とSDGs | 2025年8月2日~10日 | 42人 【内訳】広島大学(9)、コロンビア大学(9)、笹川平和財団推薦学生(14)、広島大学協定校(10) |
3 |
文部科学省「大学の世界展開力強化事業(アメリカ)」: 日米ジョイントサマープログラム | 未来の仕事と社会における人工知能の役割 | 2025年8月2日~11日 | 47人 【内訳】広島大学(15)、アリゾナ州立大学(14)、パデュー大学(7)、テキサス大学オースティン校(11) |
4 |
文部科学省「大学の世界展開力強化事業(アジア)」: キャンパスアジア+サマースクール | インクルーシブ・マインドを醸成するアジア地域国際協働人材育成 | 2025年8月19日~27日 | 25人 【内訳】広島大学(9)、北京師範大学(3)、長春大学(1)、韓国外国語大学(6)、カセサート大学(3)、インドネシア教育大学(3) |
5 |
文部科学省「大学の世界展開力強化事業(EU)」: サマーコース | 海洋・海事分野におけるAI活用 | 2025年8月19日~3日 | 16人 【内訳】広島大学(8)、世界海事大学(2)、ヴェネツィア・カ・フォスカリ大学(2)、バスク大学(2)、ライプツィヒ大学(2) |
6 |
文部科学省「大学の世界展開力強化事業(インド太平洋)」: AGILE Workshop | 循環型経済 | 2025年9月1日~12日 | 40人 【内訳】広島大学(10)、シェフィールド大学(5)、ニューサウスウェールズ大学(15)、ビルラ工科大学ピラニ校(5)、インド経営大学院バンガロール校(5) |
【参加者所属大学】
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所属大学 |
所在国 |
1 | アリゾナ州立大学 | アメリカ |
2 | コロンビア大学 | アメリカ |
3 | ジェームズ・マディソン大学 | アメリカ |
4 | テキサス大学オースティン校 | アメリカ |
5 | パデュー大学 | アメリカ |
6 | アイダホ大学 | アメリカ |
7 | 国立リトラル大学 | アルゼンチン |
8 | キングストン大学 | イギリス |
9 | シェフィールド大学 | イギリス |
10 | ヴェネツィア・カ・フォスカリ大学 | イタリア |
11 | ペルージャ大学 | イタリア |
12 | インド経営大学院バンガロール校 | インド |
13 | ノースイースタンヒル大学 | インド |
14 | ビルラ工科大学ピラニ校 | インド |
15 | ラジブ・ガンディー大学 | インド |
16 | インドネシア教育大学 | インドネシア |
17 | シャリフ・ヒダヤトゥラーイスラム宗教国立大学 | インドネシア |
18 | パラヒャンガン・カトリック大学 | インドネシア |
19 | ハサヌディン大学 | インドネシア |
20 | グラーツ大学 | オーストリア |
21 | ニューサウスウェールズ大学 | オーストラリア |
22 | 韓国外国語大学 | 韓国 |
23 | 世界海事大学 | スウェーデン |
24 | マルメ大学 | スウェーデン |
25 | バスク大学 | スペイン |
26 | ロビラ・イ・ビルジリ大学 | スペイン |
27 | カセサート大学 | タイ |
28 | チェンマイ大学 | タイ |
29 | 長春大学 | 中国 |
30 | 北京師範大学 | 中国 |
31 | ヴィアドリナ欧州大学 | ドイツ |
32 | オスナブリュック大学 | ドイツ |
33 | ライプツィヒ大学 | ドイツ |
34 | アテネオ・デ・マニラ大学 | フィリピン |
35 | ミンダナオ州立大学 | フィリピン |
36 | ステレンボス大学 | 南アフリカ |
37 | ヤルムーク大学 | ヨルダン |
笹川平和財団&コロンビア大学 サマープログラム
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広島大学国際室国際部留学交流グループ
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掲載日 : 2025年10月07日
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