平成２５年６月１８日

広島大学
奥羽大学
名古屋市立大学

記 者 説 明 会 の ご 案 内
歯の喪失とアルツハイマー病の関係を動物実験で解明
 

広島大学大学院医歯薬保健学研究院の是竹克紀助教、宮本泰成助教、病院の大上博史歯科診療医、奥羽大学の赤川安正学長（広島大学名誉教授）、名古屋市立大学大学院医学研究科の道川誠教授らのグループは、歯の喪失がアルツハイマー病の病態を悪化させることを、マウスを用いた実験で明らかにしました。

これまで歯の喪失がアルツハイマー病のリスクを高めることは疫学調査（注）から知られていますが、そのメカニズムは分かっていませんでした。歯の喪失（臼歯の咬み合わせの喪失）がアルツハイマー病を悪化させることを、アルツハイマー病モデルマウスを用いて、学習・機能面と神経病理学側面から証明したのは世界で初めてです。
（注）文献
Kondo K, Niino M, Shido K. A case-control study of Alzheimer's disease inJapan-significance of life-styles. Dementia 1994; 5: 314—326.
重富俊雄，浅野辰則，加藤武司，宇佐美雄司，上田実，河野和彦．口腔機能と老化に関する研究；痴呆の危険要因に関する疫学的検討．口腔科学会雑誌 1998;47:403—407.

アルツハイマー病モデルマウス21 匹を対象に、『両側臼歯を抜歯して、咬み合わせをなくした群』(11 匹)と『抜歯しないで、咬み合わせを維持した対照群』（10 匹）の2群に分けて比較しました。抜歯から4 カ月後に学習・記憶能力を評価する「ステップスルー型受動的回避試験」を行い、さらにマウスの脳組織を取り出して記憶に重要な役割を持つ海馬領域のアミロイドβ蛋白の沈着や海馬錐体細胞の変化を観察しました。

• 臼歯の咬み合わせをなくした』マウスは、『臼歯の咬み合わせを維持した』対照のマウスに比べ、学習・記憶能力が有意に低下し、さらに脳の海馬神経細胞数が有意に減少しました。
• 両方のマウス脳内アミロイドβ沈着は有意な差かったことら 、上に見られた変化は「アミロイド仮説」と異なる機序で起こることが示唆されました。

歯の喪失を防げば、認知症発予や進行抑制につながること期待されます。

本研究は科学誌ResearchBehavioural Brain Researchに掲載予定です。（ 掲載日は未定です。 分かり次第ご連絡いたします ）

つきましては、この研究成果について、下記のとおり記者説明会を開催し、ご説明いたします。ご多忙とは存じいたしますが、是非、ご出席いただきく案内申し上げます。
なお、本件の報道解禁日時については、現在、未定です。分かり次第ご連絡いたします。

記

日 時： 平成２５年６月２０日（金） １１：００～１２：００
場 所： キャンパス・イノベーションセンター４階 ４０８号室
（広島大学東京オフィス 同センター４階 TEL:03-5440-9065）
出 席 者：     

是竹 克紀（広島大学院 医歯薬保健研究院 助教）

大上 博史（広島大学病院 歯科診療医）

赤川 安正（奥羽大学 広島大学名誉教授）

道川 誠（名古屋市立大学院医研究科 教授）