国費外国人留学生(日本語日本文化研修留学生)コースガイド

大学紹介

①大学の特色及び概要

1) 特色と歴史
 1949年広島文理科大学、広島高等師範学校などを包括して設置された。西日本の教育系大学の代表格としての伝統を持ち、国立大学としては、全国有数の規模と学生数を誇る。12の学部と5の大学院があり、情報化、国際化、生涯学習及び国際協力へのニーズに対応した教育・研究が行われている。学部・研究科(大学院)以外にも、高等教育研究開発センター、平和センター、森戸国際高等教育学院(以下、森戸学院)、原爆放射線医科学研究所などのユニークなセンター・研究所群を持つ。

 さらに、教育学部は日本語教育系コースを持ち、日本語教師や日本語教育学の専門家を目指す日本人学生、留学生が勉学に励んでいる。市街地を離れた広大な東広島キャンパスは、自然に恵まれ、静かに落ち着いて勉学に打ち込める環境にある。
 


2) 教員・学生数等 [2025.5.1現在]

 

教員 1,641名
学生 学部学生 10,730名
大学院生 4,766名

 

②国際交流の実績(2025.5.1 現在)

大学間交流協定数: 414協定(56ヵ国・391機関)  
留学生在籍数:1,919名 (98ヵ国・地域)
 

③過去3年間の受入れ留学生数及び日本語・日本文化研修学生(日研生)の受入実績

  留学生数 日研生数
2025年 1,919人 4人
2024年 1,831人 4人
2023年 1,726人 2人

 

④地域の特色

 広島市、東広島市が位置する県南部は、瀬戸内海に面し、気候は温暖で、四季に恵まれ、海苔やカキの養殖が盛んである。また、北部の中国山地は神楽などの伝統芸能が盛んで、「たたら(現在の製鉄所)」の遺跡も多い。

  広島市は世界最初の被爆都市であるが、政令指定都市となった現在は、国際平和都市として市民グループの活動も活発で、平和や国際協力に関する留学生との国際交流活動に参加できる機会にも恵まれている。

 東広島市は、広島市の東約30キロの盆地の中にあり、古くから酒どころとして有名である。現在は、広島大学、他の私立大学また国や多くの企業の研究施設も移転してきており、研究学園都市として急速に発展している。また、半導体、電気・電子機器等製造業の進出が近年盛んで、人口も急速に増えている。
 

研修・コースの概要

①研修・コースの目的

b) 主に日本語能力の向上のための研修

②研修・コースの特色

 本プログラムは、必修の「日本語・日本文化特別研究」、指導教員のもとで行われる「課題研究」、およびそのレポートの作成、そして全学向けの「日本語・日本事情科目」から選択して履修する授業を3つの柱としている。
必修科目である「日本語・日本文化特別研究」では、日本語と日本の文化、社会、歴史について知識を広めるとともに、広島県内および中国地方、瀬戸内海周辺で実施する多くの見学を通じて、直接日本文化に接しながら日本の歴史、文化、風俗および平和の尊さについて学ぶ。

 全学の留学生に開講されている「日本語・日本事情科目」の中上級レベルであるレベル4、上級レベルであるレベル5のクラスから、自身の日本語能力と興味・関心に応じて授業を選択する。さらに、森戸で開講されている、より専門的な言語学、音声学、日本語教育学に関する授業も受講できる。

 「課題研究」では、日本語学、日本語教育学、日本文化学などの専門家である指導教員の個別指導のもと、日本語・日本文化の分野で専門水準の研究を行う。また、自身の興味、専門に応じ、指導教員と相談したうえで、総合科学部、文学部、教育学部、経済学部等で開講されている日本人学生向けの授業を聴講することも可能である。

 研修生には学生サポーターがつき、居住・大学生活に関する支援をおこなっている。さらに、学内の様々な国際交流イベントにも参加する機会がある。

 さらに、森戸学院には数多くの日本映画とアニメのDVDソフトが用意されており、これらを活用した授業が行われているだけでなく、授業の一環として視聴を奨励している。
 また、森戸学院では、各留学生が指導教員の個別指導のもとに行った「課題研究」をまとめ、毎年、研修レポート集として発行している。
 

③受入定員

20名(大使館推薦16名、大学推薦 4名)

④受講希望者の資格、条件等

 このコースを受講できる者は、文部科学省の規定に基づく大使館推薦による者の他、大学間協定、ないし部局間協定に基づく大学推薦の学生とし、以下の要件を満たす者とする。

1)日本語能力:日本語能力試験N2以上の高い日本語能力を有する者、あるいは有すると見なせる者。

2)日本研究学習歴/専攻:日本語を2年以上学び、日本語・日本文化を主専攻とする者。
      大学1年生は対象としない。
 

⑤達成目標

 日本語・日本文化の分野で1年間、指導教員の個別指導のもと卒業論文の水準の「課題研究」を行い、研修修了時に日本語レポートとしてまとめるとともに、研修成果発表会で発表を行う。これにより、テーマについての基礎的な知識、テーマ設定、研究構想等の基本的な研究遂行能力、原稿作成、口頭発表に必要な日本語能力を獲得する。

⑥研修期間

研修期間:2026年9月下旬 ~ 2027年9月下旬 (在籍期間:2026年10月1日~2027年9月30日)
 

⑦奨学金支給期間

2026年10月 ~ 2027年9月
 

⑧研修・年間スケジュール

9月下旬 渡日(2025年は9月30日)
10月上旬 開講式、オリエンテーション
3月下旬 瀬戸内海しまなみ研修旅行
          (愛媛県松山市1泊2日)
4月下旬 研修レポート構想発表
7月中旬    研修レポート中間発表
7月下旬    古事記・風土記の旅
            (島根県松江市・出雲市1泊2日)
9月上旬 修了式、研修成果発表会  
9月下旬 帰国
 

⑨コースの修了要件

1)必須科目

・「日本語・日本文化特別研究Ⅰ・Ⅱ」前後期それぞれ週2コマ(4単位)
・「研修レポート(課題研究)」の提出(構想発表,中間発表,研修成果発表会への参加を含む)

2)選択科目

森戸学院において、全学向けに開設されている日本語科目から各自のレベルに応じ(レベル5の者はレベル5の科目から、レベル4の者はレベル4とレベル5の科目から)、前後期それぞれ3コマ(6単位)以上を選択、履修。
 

3)修了証書

修了式において「修了証書」が授与されます。

4)成績証明書

求めに応じて成績証明書を発行します。

⑩研修・コース科目の概要・特色

1)研修・コース科目の概要・特色
 必修科目である「日本語・日本文化特別研究I・II」で行われる森戸学院、学内の教員による特別講義において、日本語・日本文化・日本事情に関する幅広い知識を身につけることができる。また、同科目で実施される見学により、地元、広島の産業、文化、戦国時代から日清、日露、第二次世界大戦を経て現在に至る歴史についての知識・理解を深め、さらには、しまなみ海道から愛媛県に及ぶ研修旅行、島根県の松江・出雲への研修旅行によって、広島を囲む瀬戸内圏、古事記・風土記から現代に至る歴史、文化的基層についての知識・理解を深めることで、広島から「日本」を知り、理解することを目指す。

 また、森戸学院で提供される多くの日本語科目から、自分に合った授業を選択・履修することで、日本語能力を磨き、研究や仕事で使える日本語を身につける。

 これらの必修科目、選択科目を履修することで身につける知識、能力をベースに、指導教員の個別指導のもと、大学院への進学、日本、日本語に関連する職業に就くことを見すえ、卒業論文水準の「課題研究」を行う。

2)研修・コース開設科目
Ⅰ)必須科目(コマ数、時間数)・内容
 「日本語・日本文化特別研究I・II」
 (前後期 各週2コマ、120時間)…特別講義、見学 
 「研修レポート(課題研究)」 
 指導教員による指導、レポートの提出
 

Ⅱ)選択科目(コマ数,時間数)・内容
 日本語・日本事情
 レベル5(各週2コマ 各32時間)
    1・3ターム
 「日本語上級映像A/B」…映像作品で日本語を学ぶ    
 「日本語上級語彙A/B」…語彙
 「ビジネス日本語A/B」…ビジネス日本語
  2・4ターム 
 「日本語上級分析A/B」…作文
 「日本語上級聴解A/B」…聴解
 「日本語上級読解A/B」…読解
 「論文作成法A/B」…論文の書き方を学ぶ

 レベル4 (各週2コマ 各32時間)
  1・2ターム
 「日本語 中上級 A-1/2」…文法、読解
 「日本語 中上級 B-1/2」…語彙、聴解
  3・4ターム
 「日本語 中上級 C-1/2」…文法、読解
 「日本語 中上級 D-1/2」…語彙、聴解

 その他
  1・2ターム       
 言語教育学講義B   
 社会言語科学講義B

  3・4ターム
 言語学講義
 音声学・音韻論講義
 言語教育学講義A
 社会言語科学講義A
 言語文化教育研究法

3)研修科目で地域の見学や地域交流等の参加できる科目及びその具体的な内容
・「日本語・日本文化特別研究Ⅰ・Ⅱ」 
  広島見学(広島城,平和公園),宮島見学,マツダ(自動車工場)見学,福山見学,尾道見学,呉見学
・瀬戸内海しまなみ研修旅行(愛媛県松山市1泊2日)
・古事記・風土記の旅(島根県松江市,出雲市1泊2日)
・広島ホームステイ協会による,ホストファミリーの紹介,交流イベント
 
4)日本人学生との共修がある科目及び具体的な内容
この研修プログラムに日本人学生との共修授業は設けていませんが,日本人学部生を対象として開講される全学教養科目や,文学部,教育学部などの専門科目の受講を勧め,支援しています。
 

⑪指導体制

1)プログラム実施委員 所属:森戸国際高等教育学院
  石原 淳也 准教授(言語学・日本語音声学・音韻論)
 
2)指導体制
  森戸学院に所属する教員および一部の教育学部・文学部・総合科学部教員が指導教員として本プログラムに 
  参加し,学生の学業,生活両面にわたり指導・助言を行っています。

3)助言・カウンセリング
  留学生に対する助言・カウンセリング等は,以下の場所で協力して行われています。
 ・保健管理センター
 ・所属学部の留学生専門教育教員(教育学部配置学生のみ)

宿舎

広島大学の留学生数の増加にともない、全ての者が広島大学内の留学生用宿舎、東広島市内の公的宿舎へ入居できるとは限りません。やむを得ず民間アパートに入居しなければならない場合もあります。

・過去3年間の日研生の宿舎入居状況(各年度10月現在)

  国際交流会館 サンスクエア東広島 民間アパート
2024年度 4 0 0 4
2023年度 2 0 0 2
2022年度 1 0 0 1

 

広島大学の留学生用の宿舎

「国際交流会館」:広さ13.3㎡、家賃5,900円/月、
 共通経費2,500円/月、森戸学院まで徒歩20分・ 自転車7分

「広島大学留学生用借上宿舎」:広さ15㎡~17㎡
 家賃8,000~18,000円/月、敷金20,000円

・その他
「民間アパート」(平均的相場):広さ15㎡~17㎡、  家賃25,000円~45,000円/月、 共益費1,000円~3,000円 
  敷金 家賃の1~3ヶ月分、礼金 家賃の約1ヶ月分、斡旋料 家賃の約1ヶ月分
 

奨学金支給までの生活費、宿舎入居のための資金として10万円程度を用意しておくことが望ましいです。
 

修了生へのフォローアップ

・日本語・日本文化研修プログラム研修レポート集を修了生本人と所属(出身)大学へ送付
・修了生のレポートPDFを森戸学院ホームページにリポジトリ登録し、閲覧可能
・修了した研修プログラムの記録を森戸学院ホームページに保存し、閲覧可能
・研修プログラムの最新の動向を知らせるため修了生をメーリングリストに登録

問い合わせ先

広島大学森戸国際高等教育学院
住所:〒739-8524 広島県東広島市鏡山1丁目1番1号広島大学教育棟K305
TEL: +81-82-424-6286(直通)
FAX: +81-82-424-6286
E-mail: morito-office*hiroshima-u.ac.jp (*は@に置き換えてください)

ウェブサイト:https://www.hiroshima-u.ac.jp/international_center

 


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