INU看護ワークショップ

INU保健・看護ワークショップ 

広島平和記念日(広島原爆投下の8月6日)に合わせて広島市内で実施します。平和記念式典参列、被爆者講演、資料館訪問等の平和を考える行事に加え、資料による事前学習、フィールドスタディ、プロフェッショナルによる講義、ディスカッションを通して、テーマに沿った看護について学びます。これまでのテーマには、「災害看護」、「医療安全とケアの質」、「紛争下における看護」などがあり、医療従事者・看護師としての学びを深めてきました。

参加大学は、INU加盟のアメリカ、スウェーデン、スペイン、イギリス、南アフリカ共和国、日本の6か国・6大学で構成され、教員と学生がともに参加します。ワークショップ終了後もINU加盟大学への留学等を通して継続的に学びの機会が提供されます。

第5回INU看護ワークショップ(2024年)

2024年8月2日から10日の9日間、「Workshop Nursing Impact on Global Conflict, Healthcare Advocacy and World Peace(グローバル紛争下における看護とヘルスケアの提唱、世界平和)」をテーマに開催されました。本学を含むINU加盟大学4か国の学生合わせて26名が参加しました。全ての講義、討論は英語で行われ、最終日の発表では「紛争」「ヘルスケア」「世界平和」をテーマに3つのグループがそれぞれの学びを発表しました。

1日目:オリエンテーション、酒蔵見学、INU全体のウェルカムパーティー

INU全体のウェルカムパーティーは、東広島キャンパスで開催されたため、東広島市の酒蔵を見学し、日本の伝統の酒造り、赤レンガの煙突や白壁の街並みを散策しました。

2日目:各国の医療制度について学生の発表、講義、日本食体験

学生は事前学習で準備した各国の医療制度について、国別に発表をしました。発表は海外から参加の3か国に加え、日本、留学生の出身国を含め、10か国に及びました。

3日目:講義、グループワーク、ホームホスピス見学

紛争や紛争による移民、紛争下における医療従事者の役割等について講義を受け、グループワークをしました。日本の一般的な家屋でのホームホスピスの見学をしました。

4日目:被爆者体験談、平和記念資料館見学、講義、グループワーク

被爆者の体験談を聞き、平和記念資料館の見学をしました。午後はUNITAR広島事務所を訪問し、紛争地での国連機関の活動について学び、グループワークをしました。

5日目:平和記念式典参列、宮島観光、灯篭流し

第79回平和記念式典に参列し、前日の被爆者の体験談、資料館の見学に思いを馳せる一日となりました。午後は宮島観光、夜は灯篭流しを体験しました。

6日目:講義、グループワーク、日本文化体験

被爆者の治療に長年携わった先生、原爆投下時に看護師として活動された方の御家族の活動について学びました。夜は、剣道部の方の御厚意で剣道見学・体験、広島神楽見学をし、日本文化を体験しました。

7日目:グループワーク、錦帯橋観光

これまでの学びを踏まえ、グループワークを行いました。午後は錦帯橋、岩国城、城下町の観光をしました。

8日目:グループワーク、講義、病院見学、日本文化体験

災害時の医療者の役割・活動について、講義を受けました。グループワークも引き続き行いました。夜は、茶道体験、着付け体験を通して日本文化を学びました。

9日目:グループ最終発表、修了式

グループ別に最終発表を行いました。全員で無事最終日を迎え、修了式に参加することができました。

2024年はコロナ禍を経て久しぶりの開催となった看護分野でのワークショップでしたが、プログラム開始当初から学生は互いに支え合い、チームワークよく積極的に活動に取り組みました。80年前の被爆の記憶から現代の紛争まで、世界平和を祈念しながら、「紛争下における看護」という壮大なテーマに挑みました。UNITARでのグループ発表、戦後・災害発生後の医療に関する専門家の講和を踏まえ、最終日の発表では活発な議論が交わされました。本ワークショップを通して、学生たちは国際的な視点から看護について考察し、紛争や災害発生時にプロとして如何に行動すべきかを学びました。また海外学生の積極的な姿勢からも刺激を受けて充実した9日間を過ごしました。


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