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【研究成果】過去に急速に形成された巨大質量ブラックホールをもつ小さな銀河の歴史をひもとく

広島大学大学院理学研究科のノルベルト ワーナー特任准教授らのチームは、アメリカNASAのX線観測衛星Chandra によって、過去に急速に形成された巨大質量ブラックホールを持つ小さな銀河を観測し、その銀河が約1000万度の高温プラズマに覆われていることを発見し、アメリカでプレスリリースを行いました。

ほとんどの銀河の中心には、太陽の数100万倍から数10億倍の質量をもつ巨大質量ブラックホールが存在すると考えられています。そうしたブラックホールがどのように形成されたかは依然として未解決です。ブラックホールの質量は、母銀河の約1000分の1くらいであるのが典型的ですが、最近、母銀河の数100分の1の質量であるブラックホールが見つかってきました。つまり、小さい銀河のわりに、ブラックホールの質量が非常に大きいというものです。

こうした銀河は、どのように進化してきたのか、そして、なぜ小さな銀河なのにブラックホールの質量が重いのかは謎です。今回の観測では、こうした銀河に温度が約1000万度にもなるX線で輝く高温のプラズマが見つかりました。銀河初期には多くあった冷たいガスが冷えて星が形成されましたが、その後に生じた高温のガスが冷えないと新たな星は形成されません。そのために、この銀河では星の形成が130億年前からほぼ止まっている考えられます。このことから、過去に巨大質量銀河が形成されてから、星があまり生まれなかったため、母銀河の質量が小さいのではないか、ということが推測されます。今後の観測に期待がかかります。

本研究のアメリカでのプレスリリースは以下となります。

http://chandra.harvard.edu/press/18_releases/press_062118.html

お問い合わせ先

大学院理学研究科教授 深澤 泰司
TEL: 082-424-7380
E-mail:fukazawa*hiroshima-u.ac.jp (*は半角@に置き換えてください)


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