Motaz Sabri パレスチナ 出身
○2013.4~2013.9 研究生
○2013.10~ 工学研究科博士課程前期
1.今の専門分野(情報工学)を選んだ理由は何ですか?
10年前、私はロボットをデザインすることを夢見ていました。しかし、自国の経済状況を知るにつれて、国の経済発展のために必要なのは何よりもテクノロジーだと考えはじめ、情報工学の分野を選びました。グローバルな視点を持つための第一歩として、日本、そして広島大学を選びました。
2. 研究内容はどのようなものですか?
アイトラッキングとヒートマップの研究をしています。私の研究は、パレスチナにいる時、卒業プロジェクトとして始まりました。戦争やけがで手を動かせなくった人たちが、目を使ってコンピューターを操作できるようにするための技術です。例えば、瞬きで、クリックできるような技術です。コンピューターだけでなく、家のセキュリティ、運転制御、パソコン制御、疑似トレーニング、ウェブマーケティングにも応用できます。また、複雑なハードウェアを必要としない、低価格なウェブカメラを使ったアイトラッキングの方法を研究しています。
3. 実際に日本に来て、授業を受けてみてどうでしたか?また先生の指導はどのような感じですか?
私は授業全体のうち70%を英語、残りの30%は日本語で受けています。日本語で受ける授業はときに難しいと感じますが、授業の後に、できるかぎり翻訳し、自分の専門分野の知識を深められるように努めています。私の受けた日本語の授業も、日本語の理解の助けになっています。ほとんどの授業は英語で行われます。そうでない先生もいらっしゃいますが、できる限りのことをしていただいていますので、ついていくことができます。
4. 研究室の雰囲気はどのような感じですか?
恵まれた環境だと思います。目的意識を持ったたくさんの仲間たちに囲まれて、モチベーションが高く保てますし、創造的でいられます。また、途方にくれたときには、手助けしてくれる誰かがつねに周りにいます。それが、私が先輩・後輩文化がとても好きな理由です。研究室には2人の後輩と8人の先輩がいて、私のことをよく助けてくれます。
5. 将来の目標について聞かせてください。どのような仕事に就きたいですか?
まだ明確ではありませんが、3つの可能性があります。自国の状況によって変わるのですが、もし自国の平和が続けば、日本でPh.Dの進みたいです。ただし、状況が悪化すれば、国に帰って家族のそばにいたいと思っています。Ph.Dの後は、大学で働きたいと思っています。国を立て直すために自分のスキルが役立てられると思っています。そして、最終的には自分の専門にぴったりなスウェーデンの研究機関でTOBII Technologyで働くのが目標です。