理学研究科(数学専攻)

秦 嶺

秦 嶺 中国出身

○2012.4~2013.3 研究生
○2013.4~ 理学研究科博士課程前期

1. 今の専門分野(数学専攻)を選んだ理由は何ですか?

中国の大学では、数学と情報を専攻して勉強してきました。また、日本の経済政策や社会文化に興味を持っているので、日本語を副専攻として勉強してきました。卒業した後、国を出て、外の世界を見てみたかったので、出身地の大連に近い広島を選んで留学しました。自分の専門分野をもう少し掘り下げて、深く勉強しようと思い、今の数学専攻を選びました。

2. 研究内容について教えてください。

理学研究科数学専攻は、代数数理、多様幾何、数理解析、確率統計、総合数理で構成されています。私は総合数理講座で特にグレアム、クヌース、パタシュニクの「コンピュータの数学」をテキストとしています。テキストのフィボナッチ数のGCD定理に興味を持ち、その一般化を行う研究をしています。フィボナッチ数のGCD定理はE.ルーカスが発見した公式${\rmgcd}(f_{n},f_{m})=f_{{\rm gcd}(n,m)}$です。

私の研究論文では、まず先行研究であるフィボナッチ数のGCD定理を紹介し、次にフィボナッチ数の一般化を定義し、一般化されたフィボナッチ数でもGCD定理が成り立つことを証明しました。

 

秦 嶺

3. 実際に日本に来て、授業を受けてみてどうでしたか?また先生の指導はどのような感じですか?

日本に来たばかりの時は研究生として一年間過ごしました。その時は、自分の指導教員である木村先生の学部生向けの授業を受けました。発表をすることも何回かありました。博士課程前期に入学した後、専門の必修科目以外にも、自分の日本語能力を高めるために、外国語教育研究センターの留学生向けの日本語の授業も受けました。また、映画を教材とした英語の授業がいくつかあり、とても面白かったです。知らず知らずのうちに、自分の英語能力も高まっていました。
 
木村先生はすごく親切な先生です。先生は、学生の個性を尊重し、一人一人の興味や能力によって研究方向や研究テーマを決めてくれます。学生がやりたくないことを無理やりさせることはありません。学習指導についても、情熱があると同時に、根気強いです。特に、私のような留学生を指導するとき、うまくコミュニケーションがとれないときも、慌てることなく、怒らず、丁寧に指導してくれます。

4. 研究室の雰囲気はどのような感じですか?

私の研究室はほかの研究室と比べ、女の子が少ないです。幸いにも、先輩に一人、日本人の女の子がいます。日本に来たばかりの頃、私のチューターで、日本での生活や勉強のことなど、いろいろと助けてくれました。今でもよく連絡して、一緒にご飯を食べに行きます。

秦 嶺

5. 将来の目標について聞かせてください。どのような仕事に就きたいですか?

今一番の目標は、しっかり卒業することです。日本に来てそろそろ三年になります。将来の仕事については、日本語に関わる仕事をやりたいと思っています。具体的に言うと、日本の企業に就職するか、日本語を教える先生になりたいです。しかし、今勉強していることは人生にとって意味あることだと思います。数学を通して身に付けた論理的思考力を、将来どのような仕事に就いても武器にしたいと思います。
 
そして、日本や日本語に関わる仕事を通して、日中友好のために、どんなに小さなことであっても努力してみたいです。自分の目で見た日本の良さを、中国の皆さんに伝えたいと思っています。


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