「シンガポールで産学官連携セミナー」を開催しました

高齢化が進むシンガポールでは、日本同様、健康寿命の延伸は深刻な社会的課題となっています。2019年10月15日、第2回広島・シンガポール産学官連携セミナーとして、南洋理工大学にて、「食と医療について」の講演会を開催しました。

広島大学平見特任教授の開会挨拶に続き、本学大学院統合生命科学研究科生生・食品衛生微生物学の島本整教授による2件の講演が行われました。「広島大学日本食センターの概要」および「柿渋によるノロウイルスの不活化と抗ウイルス殺菌剤」について、さらに島本教授と長年共同研究を実施しているアルタン株式会社の辻徹取締役により「広島大学との共同研究から生まれた抗ウイルス製品」と題して講演が行われました。産学連携から実際に商品化された商品サンプルを各参加者に配布し手に取りながらの講演で、シンガポールや他の東南アジア諸国でもニーズや関心がある模様で、多くの質疑応答が交わされました。

後半は、南洋理工大学の2人の研究者による講演で、人工酵素・天然製品センターのジェイムズ・P・タム教授が「伝統的薬剤と機能性食品」と題して、シンガポールで入手可能なあらゆる薬草、植物やハーブの巨大なライブラリーを活用して経口活性ペプチドの創薬、合成と研究の現状を紹介しました。最後に同大学生物科学科のジィー・スークワン・ニューマン准教授が、「プロテオミクスは生および加工食品中の大豆生理活性ルナシンの健康上の利点を解明する」と題して、温度等の加工条件により大豆タンパク質の効果が消失・低減するなどの興味深い研究を紹介しました。

ジェイムズ・P・タム教授の閉会挨拶では、南洋理工大学での産学官連携セミナーが成功裡に開催されたことへの関係者への感謝の意が表され、閉会後は参加者同士および講演者との個別ディスカッションが行われていました。

本学 島本教授による講演

南洋理工大学 ニューマン教授による講演

アルタン社 辻氏による講演

南洋理工大学 タム教授による講演・閉会挨拶

お問い合わせ先

広島大学学術・社会連携企画グループ
TEL(082)424-5672
E-mail: crcinter * hiroshima-u.ac.jp(*は@に変更してください)


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