令和3(2021)年度 バイオデザイン関連科目の履修生を募集します

 本学が広島県とともに設置した「バイオデザイン共同研究講座」では,「イノベーション先進国」インドと協働して,医療機器開発の分野に「デザイン思考」の手法を取り入れた教育プログラムの構築を進めており,平成30年度から大学院において関連科目を開講していますが,来年度も引き続き開講することとし,主に学外の社会人の方を対象に,次のとおり履修生の募集を行います。

 これらの科目では,米国スタンフォード大学のポール・ヨック博士らが開発した医療機器開発のための実践的な人材育成プログラム「バイオデザイン」を基本として,潜在的ニーズの調査から医療機器の開発に至るプロセスを座学あるいは演習形式により体系的に学習することができます。医師,エンジニア,デザイナーなど,学内外・分野を問わず,医療機器の開発に興味のある方,携わっている方からのお申込みをお待ちしています。新型コロナウィルス感染症の状況を踏まえ、一部の科目はオンラインでの開講となりますので、ぜひ一度お問合せください。

募集の概要

本学「科目等履修生」として出願手続きをしていただきます。

・対象:大学を卒業された方,又は同等以上の学力を有する方  

・出願書類:科目等履修生許可願,履歴書,最終学校の卒業(見込)証明書,勤務先所属長の承諾書など   

・出願方法等:令和3(2021)年2月末日までに,出願書類の提出及び検定料の納付

(詳細は別途ご案内します。)

科目の概要(予定)

 

・開講時期:令和3(2021)年4月~令和4(2022)年3月

・開講場所:本学霞キャンパス(広島市南区霞1-2-3)・オンライン

バイオデザイン概論Ⅰ・Ⅱ

概要

実臨床の現場観察から,気付かれていないニーズを掘り起こし,ニーズ解決の 新しい機会を見つけるための問題発見 解決プロセスを,①問題の洗い出し,②既存の解決法についての徹底的な調査,③革新的な解決法を導く手法,④社会的意義のある新たな価値の創出に至る思考方法から構成するカリキュラムで系統的に体験的に学ぶ。

開講時期等

4月~7月、10月~1月 概ね月2日×90分

原則としてオンデマンド配信(一部ライブ配信・対面あり)

担当教官

木阪 智彦

松浦 康之

日印再生医療センター理事長 Samuel Abraham氏(客員)

東京大学大学院総合文化研究科准教授 吉本 敬太郎氏(客員)

薬事コンサルタント 河原 敦氏(客員)

授業計画(概論Ⅰ)

第1回(4月16日)オリエンテーション

第2回(5月7日)ニーズの特定① 探索:観察と課題の特定

第3回(5月21日)ニーズの特定② 探索:ニーズの記述

第4回(6月4日)ニーズの特定③ 選択:疾病の基礎,既存の治療法 

第5回(6月18日)ニーズの特定④ 選択:ステークホルダー分析,市場分析

第6回(7月2日)ニーズの特定⑤ 選択:ニーズの絞込み

第7回(7月16日)コンセプト創出① 選択:許認可規制制度,保険償還の基礎

第8回(7月30日)コンセプト創出② 創造:アイデア出しとブレインストーミング

授業計画(概論Ⅱ)

第1回(10月8日)オリエンテーション

第2回(10月22日)コンセプト創出① 選択:知的財産の基礎

第3回(11月5日)コンセプト創出② 選択:ビジネスモデル

第4回(11月19日)コンセプト創出③ 選択:プロトタイプ製作

第5回(12月3日)コンセプト創出④ 選択:最終コンセプト選択

第6回(12月17日)事業化① 開発戦略・計画立案

第7回(1月7日)事業化② 事業企画立案

第8回(1月21日)まとめ

バイオデザイン演習Ⅰ

概要

多職種のチーム単位で客観的評価指標を共有し,医療現場のニーズを出発点として質の高いアイデアを残すプロセスを実践する。アイデアの認識をチームで共通化し,初期段階から事業化の視点も検証しながら解決策を開発する。

開講時期

5月11日(火)~14日(金)(4日間集中・対面形式)

担当教官

木阪 智彦

松浦 康之

川瀨 真紀氏(客員)

インド・バイオデザイン Avijit Bansal氏(客員)

スタンフォード大学 池野 文昭氏(客員)

授業計画

第1回(5月11日①)バイオデザインの背景とデザイン思考を実践するための基礎知識

第2回(5月11日②)[CS1]日印で近年開発され成功している医療機器について

第3回(5月11日③)[CS2]標準化された手術・手技・治療方針の理解

第4回(5月11日④)[WS1]討論

第5回(5月12日①)[CS3]医療機器の標準化と最新の動向

第6回(5月12日②)[WS2]Define-1

第7回(5月12日③)[WS3]Develop-1

第8回(5月12日④)[WS4]Deploy-1

第9回(5月13日①)[CS4]病院・施設内の臨床試験と現場観察に関する合意形成

第10回(5月13日②)[WS5]Define-2

第11回(5月13日③)[WS6]Develop-2

第12回(5月13日④)[WS7]Deploy-2

第13回(5月14日①)[CS5]知的財産権の基礎

第14回(5月14日②)[WS8]本演習で習得するべきポイント

第15回(5月14日③)公開討論と総評

バイオデザイン演習Ⅱ

概要

多職種のチーム単位で客観的評価指標を共有し,医療現場の潜在的ニーズを具体化するプロセスを実践する。チームで共通化したアイデアに基づいて,市場性と事業化を検証しながらプロトタイプを製作する手法を習得する。

開講時期

11月9日(火)~12日(金)(4日間集中・対面形式)

担当教官

木阪 智彦

松浦 康之

川瀨 真紀氏(客員)

インド・バイオデザイン Avijit Bansal氏(客員)

スタンフォード大学 池野 文昭氏(客員)

授業計画

第1回(11月9日①)バイオデザインの実践プロセスとデザイン思考を応用するための知識

第2回(11月9日②)[CS1]近年注目されている医療機器と成功したスタートアップについて

第3回(11月9日③)[CS2]知財化までのフレームワーク

第4回(11月9日④)[WS1]討論

第5回(11月10日①)[CS3]医療機器開発に関わる秘匿情報の使用と保護

第6回(11月10日②)[WS2]Define-1

第7回(11月10日③)[WS3]Develop-1

第8回(11月10日④)[WS4]Deploy-1

第9回(11月11日①)[CS4]患者負担や患者に提示される情報まで包括した特許申請

第10回(11月11日②)[WS5]Define-2

第11回(11月11日③)[WS6]Develop-2

第12回(11月11日④)[WS7]Deploy-2

第13回(11月12日①)[CS5]知的財産権の応用

第14回(11月12日②)[WS8]本演習で習得するべきポイント

第15回(11月12日③)公開討論と総評

バイオデザイン実習(フェローシップコース受講者対象)

概要

医療現場で得られたバイオデザインプログラムの成果を応用するまでのプロセスを,チーム討論ならびに研究室でのプロトタイプ製作・検索エンジンを用いての市場調査を通じて, 実践的なスキルとして習得する。

開講時期

通年(フェローシップコースのカリキュラムに準拠し原則として実習課題の提出による)

担当教官

木阪 智彦

松浦 康之

 

 

  お問合せ・お申込み先

学術・社会連携室 バイオデザイン共同研究講座 (担当:迫)

   住所:〒734-8553 広島市南区霞1-2-3 臨床管理棟1F

   電話:082-257-1992 / 1555  FAX:082-257-1993

   メール:biodesign@office.hiroshima-u.ac.jp


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