• ホームHome
  • 社会・産学連携
  • 総合科学部の学生たちが東広島市でフードバンクに取り組んでいます(地域の元気応援PJ)

総合科学部の学生たちが東広島市でフードバンクに取り組んでいます(地域の元気応援PJ)

地域の元気応援プロジェクトは、地域社会や地域経済の維持や活性化などの様々な課題について、地域社会で課題の解決に取り組んでいる団体から広島大学に対して提案をいただき、そうした課題へ取り組む意向がある広島大学の教員・学生と地域団体との協議の上で、調査・研究活動や実践活動などに取り組むものです。

総合科学部の伊藤百花さんたちは、「フードバンク東広島の効果最大化と自走」を目的に、ITの活用や学術的研究、広島県内で活動するフードバンク団体視察を通し、フードバンク東広島が抱える課題解決に取り組みました。

フードバンク東広島では、2023年2月の開設から2024年2月までの期間に、食品取扱量は推計5トンを超え、個人の食品受取は約1800人、団体受取89件の実績を積んでいます。
今年度の地域の元気応援プロジェクトで取り組んだ課題解決に向けた調査なども、このフードバンク東広島の運営の改善につながっています。

活動報告が届きましたので、ぜひご覧ください!

「フードバンク東広島の効果最大化と自走にむけて」活動報告

(東広島食品ロス対策削減対策委員会、人間社会科学研究科 長坂 格)
報告:総合科学部総合科学科4年 伊藤百花(学生代表)

本プロジェクトは「フードバンク東広島の効果最大化と自走」を目的に、ITの活用や学術的研究、広島県内で活動するフードバンク団体視察を通し、フードバンク東広島が抱える課題解決に取り組みました。
ITの活用では、タブレット端末や、食品入庫や在庫、利用状況等を管理するアプリの開発することで飛躍的に運営業務が効率化され、在庫や利用状況を瞬時に把握・分析することが可能となりました。
また広島県内で活動するフードバンク団体4か所へ視察を行うと共に、中四国のフードバンクが主催する勉強会へ積極的に参加することで、フードバンクの運営ノウハウを学び、地域や県域を超えたつながりを作ることができました。
学術的研究では、卒業研究として「贈与と分配の『混成態』としてのフードバンクーフードバンク東広島の事例からー」というテーマで、文化人類学における「贈与論」の視点からフードバンク東広島における食品のやりとりが引き起こす現象について分析・考察を行いました。食品を受け取る個人利用者や、フードバンクを利用するこども食堂運営者、社会福祉協議会職員や食品提供企業に対してインタビュー調査を実施すると共に、フードバンクの立ち上げから現在に至るまでの参与観察(2023年4月―2024年1月)を行い、詳細かつ膨大な記録を調査資料としました。フードバンクの発起人で運営者でもある筆者自身の立場を活かした、現場での豊富な事例を基に考察を行い、非常に独自性のある研究に取り組むことができました。そして、本研究の結果を通して、フードバンク東広島の仕組みをさらなる改善や発展につなげることもできました。
2023年2月の開設から2024年2月までの期間では、食品取扱量は推計5トンを超え、個人の食品受取は約1800人、団体受取89件ありました。こども食堂などの地域団体、行政、社会福祉協議会、地域包括支援センターなどとの連携も進み、食品ロスの削減と、それらの地域内での有効活用を行うことができました。

受け取った食品の仕分け風景

2023年11月27日には広島大学ミライクリエにて、連携団体やフードバンクに関心のある方を対象に活動報告・意見交換会を開催し、地域の皆さんと共に今後のフードバンク活動について活発な意見交換を行いました。

活動報告・意見交換会の様子

さらに2023年7月からは、活動にボランティアが本格的に参加しており、高校生から80代まで老若男女問わない多様性溢れるメンバーで日々活動しています。

わずか1年という短期間で、地域内、また地域を超えた多様なつながりを生み出し、自走に向けた活動基盤を構築することができたのは、本プロジェクトでの様々な活動、そしてフードバンクに携わるすべての皆様のお力添えの賜物だと思っております。心から感謝申し上げます。
フードバンク東広島は、余ったものを通じて、「ひと」と地域のつながり、そして「ありがとう」を生み出し続け、引き続き地域に必要とされる存在として活動します。
今後ともよろしくお願いいたします。

お問い合わせ先

人間社会科学研究科 教授 長坂 格
E-Mail: nagasaka@hiroshima-u.ac.jp
※@は半角に置き換えて送信ください。


up