9月25日、ひろしまバイオデザインpresents 第13回医工連携セミナーを開催いたしました。オンラインを含め、学内外から多くの皆様にご参加いただきました。
今回は、医療機器開発支援企業イノベ屋 代表の高野 順先生を講師としてお迎えし、「医工連携の始め方」と題してご講演いただきました。高野先生は臨床工学技士としての豊富な経験を基盤に、医療機器開発の実務に深く関わり、数々の製品化や受賞歴をお持ちです。
講演ではまず、気管内チューブカフ圧を適正に維持するために開発された「カフスキャッツ」の事例が紹介されました。開発から特許化・製品化に至るまでの経緯に加え、デザインやユーザビリティ、直面した課題が共有され、臨床現場から生まれたアイデアをいかに主体的に育てるか、その重要性が強調されました。
続いて、穿刺の成功率を高める電子駆血帯「月兎」の開発事例が取り上げられました。高野先生ご自身が開発責任者として企業に参画し、多くの医療従事者の協力を得てユーザビリティ調査を実施。改良を重ねることで製品化へと近づけていった経緯が示されました。本事例は、医工連携アワード・ベストデベロップメント賞やメドテック・イノベーション大賞の受賞にもつながりました。
質疑応答では、薬事や保険適用、企業との契約、開発責任の持ち方など実務に直結する質問が寄せられました。
セミナー終了後には高野先生と参加いただいた皆様とのネットワーキングの時間を設け、高野先生自ら「月兎」を実際に装着し、デモンストレーションを行い、操作性や臨床での有用性を解説してくださいました。参加者からは「現場での使い方を直接確認でき、大変理解が深まった」との声も寄せられました。
また、参加者の皆さまにはアンケートを実施しており、いただいたご意見は今後の活動に活かしてまいります。改めて、ご参加いただいた皆さまに心より御礼申し上げます。
お問い合わせ先
広島大学
学術・社会連携室オープンイノベーション本部
産学連携部 バイオデザイン部門
TEL: 082-257-1992
biodesign@office.hiroshima-u.ac.jp

