平成30年3月

■学芸員を目指している広島大文学部の宮迫陽奈さんと小糸咲月さんが、原爆資料館において、同館に寄贈された資料整理に取り組んでいる(毎日、3.1)

■2月1日、広大生が企業したNATSIS(ナトシス)が、同大留学生による専門性の高い翻訳サービスを始めた。日本語・英語・中国語を展開しており、今後ベトナム語やタイ語など多言語化を進める(プレスネット、3.1)

■1日、理化学研究所の生命システム研究センター細胞場構造研究ユニットが東広島市に移転した。今後、広島大との連携も強め、細胞研究の医療などへの応用を目指す。同日、開所式典が行われ、関係者約50人が門出を祝った(中国、日経、日刊工業、3.2、読売、毎日、3.3、朝日、3.9)

■【ヒロシマを生きて(14)】新制広島大の政経学部は母体校なしで新設され、教授陣は多彩な顔ぶれだった。旧満州の建国大から引き揚げた中野清一教授は、被爆した青年のために自宅を開放し、日々たくましく成長する姿を見守った(毎日、3.3)

■【病院の実力】 2016年度の主な医療機関の不整脈の治療実績が公開された。広島大学病院は、カテーテルアブレーションが331人、致死性不整脈が43人、ワルファリンの処方が10人、直接経口抗凝固薬の処方が60人だった(読売、3.4)

■3日、原爆により米兵捕虜12人が死亡した事実を明らかにした歴史研究家で自身も被爆者の森重昭さんが広島市で東南アジア9カ国の政府職員ら約30人との交流会に参加した。森さんは広島文理大(現広島大)で学んでいた南方留学生も被爆した事実を紹介した(産経、3.4、中国、3.26)

■16日、広島大の学長選考会議は、来年3月末に1期目の任期を終える現職の越智光夫学長の再任を審議する会議を開く(中国、3.6)

■11日、広島市西区民文化センターで広島大の学生や会社員たちでつくる「合唱団ぽっきり」が10回目の記念コンサートを開催する(中国、3.6)

■5日、広島大大学院理学研究科の山本卓教授(ゲノム生物学)と京都大iPS細胞研究所のウォルツェン・クヌート准教授らの研究チームは、DNAの塩基の一つ一つを正確に置換する新技術を開発した(中国、日経、日刊工業、3.6)

■6日、広島大は同大大学院社会科学研究科の瀧敦弘研究科長の再任を決めた。任期は4月1日から2年間(中国、3.7)

■広島大病院乳腺外科の角舎学行医師は、乳がんが見つけにくい高濃度乳房について、マンモグラフィー検診の結果が異状なしでもがんを見落としているリスクがあるため、遺伝性の乳がんのリスクのある人は30代から超音波検査も受けた方がいいと話した(中国、3.7)

■山口県職員の山崎大海さん(広島大大学院生物圏科学研究科修了)がオオサンショウウオの正確な年齢の調査結果をまとめ、同大総合博物館の論文集に調査結果が掲載された(中国、3.8)

■4月1日、東広島市は市内に本部やキャンパスを置く広島大、広島国際大、近畿大工学部、エリザベト音楽大と連携したまちづくりを進めるため、大学との窓口に特化した学園都市推進課を新設する(中国、3.8)

■4月から、広島市民病院と県立広島病院は遺伝性乳がんになりやすい女性を対象に、予防的な乳房切除手術を始める。広島大病院と福山市民病院も2018年度の実施に向けて検討している(中国、3.8)

■8日、広島大で一般入試前期日程の合格発表が行われた。12学部で4,645人が受験し、1,951人が合格した(中国、朝日、読売、3.9、プレスネット、3.22)

■3月末まで、東広島市のパン店「あすなろベイキングカンパニー」において、東日本大震災の被災地で活動してきた広島大の学生ボランティア団体「OPERATIONつながり」の復興支援活動を振り返るパネル展が行われる(中国、3.10)

■10日、広島大平和科学研究センターは、広島平和記念資料館において公開市民講座「原爆被害とは何か、ヒロシマは何を継承するのか」を開催した。平和学など専門家4人が講演し、被爆者の記憶の継承をどう担うか考えた(読売、産経、3.11)

■カカオ豆からチョコレートを自作する「ビーントゥーバー」が人気を集めている。この春、東広島市に石材業者と広島大の佐藤清隆名誉教授が共同開発した石臼「ショコラミル」を用いてチョコ作り体験ができる場所が2ヵ所できた(中国、3.11)

■3日、広島経済大において、東北や熊本の被災地で活動する全国5大学7団体が集い、復興支援などについて話し合った。広島大の学生ボランティア団体「OPERATIONつながり」は、被災者が公営住宅に移り、東北での交流活動の継続が難しくなったため、活動を終了したことを報告した(中国、3.11)

■12日、国公立大の2次試験の後期日程が始まる。広島大は募集人員287人に対し、2,334人が志願し倍率は8.1倍となっている(中国、3.11)

■広島大病院は、東日本大震災の被災地で息の長い支援を続けている。震災直後から、緊急被曝医療に携わる延べ1,300人を派遣しており、今も3カ月交代で1人づつ現地の医療施設に医師を出向させている(中国、3.12)

■【新社長】9日、工作機械や自動車部品を手掛けるトーヨーエイテックは、4月1日付で市田雅彦副社長(広島大卒)を社長に昇格する人事を発表した(日刊工業、3.12)

■12日、国立大2次試験の後期日程が始まった。広島大の欠席率は60.9%だった。20~24日、合格発表が行われる(中国、読売、3.13)

■【専門医が診る】広島大病院国際リンパ浮腫治療センターの光嶋勲センター長が、リンパ浮腫の治療や予防法などに関する読者の質問に答えた(中国、3.14)

■6月に解禁される「民泊」を巡り、中国地方の自治体は観光振興か規制かで対応が分かれている。広島大大学院国際協力研究科の張峻屹教授は、二者択一ではなく、行政は住民と議論して地域の実情にあった対応を模索するべきだと話した(中国、3.15)

■15日、東広島市明るい選挙推進協議会が、主権者教育をテーマにした研修を開催した。講師を務めた広島大大学院教育学研究科の永田忠道准教授は、新学習指導要領が小中高を通じて主権者意識を高めることを主眼としていると説明した(中国、3.16)

■17日、広島大東広島キャンパスにおいて、学生ガイドとともに春のキャンパスを巡るウォーキングツアーが開催される(中国、3.16)

■15日、広島国際学院大、同大自動車短期大学部、広島国際学院高を運営する学校法人広島国際学院は、鶴素直理事長の辞任に伴い次期理事長に同学院副理事長の田中光彦氏(広島大大学院理学研究科修了)を選任したと発表した(中国、3.16)

■【この人】1日から東広島市に拠点を構えた理化学研究所の「細胞場構造研究ユニット」のリーダーに就任した岩根敦子さんは両親が江田島出身で広島を身近に感じており、広島大原爆放射線医学研究所との共同研究に意欲を抱いている(中国、3.17)

■16日、広島大で学長選考会議が開催され、来年3月で任期満了となる広島大の越智光夫学長の再任が全会一致で承認された。任期は来年4月1日から4年間(中国、日経、産経、3.17、プレスネット、3.22)

■18日、サンフレッチェ広島と広島大病院はジュビロ磐田戦の開始前にエディオンスタジアムでてんかんへの理解を深める啓発イベントを開催した(読売、3.19)

■【キャンパスリポーター発】2月21、26日、東広島芸術文化ホールくららにおいて、「第1回原爆と戦争展」が開催された。原爆と戦争に関する展示や被爆者と直接話せる機会が設けられた(記事:広島大2年・仲間愛梨)(中国、3.19)

■【社説】大学が研究成果を英文のプレスリリースで発信するケースが増えている。広島大は2016年から英語広報専門の外国人の雇用を始めた。過去20カ月で36本の英語リリースを発信し、12万超えのページビューという実績を上げている(日刊工業、3.19)

■19日、ザンビアで柔道をボランティア指導した広島大体育会柔道部の花田勇人さんと河野友規さんが帰国報告を行った。2人は同大と国際協力機構が昨年結んだ覚書に基づいて、派遣された(中国、3.20)

■広島大大学院教育学研究科の今井貴秀さんが、本年度の東広島市地域課題研究論文で最優秀賞を受賞した。今井さんは東広島市の旧西条町内に点在する石碑509個を調べ歩き、散策のためのガイドマップを作成した(中国、3.20)

■25日まで、元広島大大学院教授の故北川隆司さん(鉱物学者)が世界各地で集めた鉱物を紹介する「教授を魅了した大地の結晶(はな)」展が、広島三越美術画廊で開催される(中国、3.20、朝日、3.23)

■4月、広島県は医療機器開発で中核となる人材の育成を広島大と連携して取り組む。「バイオデザイン概論」「バイオデザイン演習Ⅰ」など、いずれの講義も広島大病院の心不全センターの木阪智彦助教が指導の中心を担う(中国、3.21)

■4月から、広島大法科大学院は同大法学部との間で実質的な一貫教育を開始し、司法試験の合格率低迷から脱却を目指す。秋野成人法務研究科長は、研究科始まって以来の大幅な改革で2020年度には結果を出したいと話した(中国、3.21)

■【専門医が診る】広島大病院顎・口腔外科の谷亮治助教が、舌にしこりや腫瘍ができる舌がんについて、早期発見のポイントや治療法について解説した(中国、3.21)

■【まち歩き(千田地区)】東千田町からなる千田地区は、昭和の頃、広島大を中心に下宿や古本屋、安い飲食店などが密集する学生街だった。同大は1995年に東広島市へ移転が完了し、今はごく一部が東千田キャンパスとして残る(読売、3.21)

■22日から、広島大の学生とオタフクソースが健康を意識して共同開発した弁当2種類が発売される(日経、3.21)

■4月7日、2日の世界自閉症啓発デーに合わせ、障害者への合理的な配慮をテーマにした講演会が開催される。広島大大学院の横藤田誠教授が「特別扱いをしないという差別」をテーマに講演を行う(中国、3.21)

■27日、バングラディシュで貧困層に融資するグラミン銀行を設立し、2006年にノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌスさんが広島大東千田キャンパスの未来創生センターで講演を行う(中国、3.21)

■25日、北広島町の「戦国の庭 歴史館」で、広島大学大学院の三浦正幸教授が戦国時代の建物や町内にある中世の神社建築について解説する(朝日、3.23)

■22日から、スーパーのスパークで広島大の学生とオタフクソースが健康を意識して共同開発した弁当2種類「広島発見玉手箱弁当」「ボリューム満点!満ぷく弁当」を販売している。5月上旬まで販売し、計1万個の販売を目指す(中国、3.23、読売、3.27)

■【ムービー空からわがまち(旧陸軍被服支廠)】旧陸軍被服支廠は、旧陸軍兵の軍服などを製造していた施設。爆心地から南東2.7キロの場所にあり、外壁の鉄扉は爆風でゆがんだまま。戦後は広島大の学生寮などとして使われた(中国セレクト、3.24)

■広島大大学院の田中暁生准教授(皮膚科)が、春になると目の周りや首などにかゆみが出る花粉皮膚炎について、保湿などで予防を心がけてほしいと話した(中国、3.24)

■23日、広島大の卒業式が東広島運動公園体育館で行われた。11学部と大学院13研究科など計3,722人が巣立った(中国、読売、3.24)

■23日、海田町の米穀卸会社社長の勝矢博さん(69)は、広島大生物生産学部を卒業した。6年前、社会人入試制度で入学し、補助金に頼らない先駆的な農家の実践について研究した(中国、3.24)

■【大学力】広島大大学院工学研究科生体システム論研究室の辻敏夫教授は、人間が発する脳波や心拍といった生体信号の情報を解析する研究を行っている。人間が動く仕組みを解き明かすことで、人にとって使いやすい製品の在り方について考えている(中国、3.25)

■24日、日中両国の大学でつくる「日中人文交流大学連盟」の大会が広島大東千田キャンパスで行われた。国内では初めての開催。両国の22大学から約80人が集い、相互の交流を促進する方針を確認した(中国、3.25)

■21日、広島大病院スポーツ医科学センターが主催した「オールヒロシマスポーツサミット2018」が開催された。スポーツ現場での問題にスポーツ医科学をどう活用するか議論された(読売、3.25)

■【月刊大学3月号】春休みに海外研修を行う大学が増えている。広島大では2010年度から海外経験の少ない1年生を対象に、約2週間海外の大学で学ぶ「STARTプログラム」を導入している。費用の半分を大学が負担し、オーストラリアやベトナムなどへ渡航する(読売、3.25)

■【私の学び】広島大病院腫瘍外科医の岡田守人教授が開発した体に負担をかけず肺がんを取り除く術式は国際的に認められている。若い医師には「完成は永遠の未完成」と繰り返し伝え、現状に満足せず、常に高いレベルを目指している(中国、3.26)

■日本内科学会総会の講演会において、広島都市学園大の河野修興学長(広島大名誉教授)は一家の歴史について話す。河野さんの祖父が生まれ育った阿戸医院は爆心直下の位置にあり、原爆により街ごと消え、現在は平和記念公園の一角となっている(中国、3.26)

■2002年より広島市、長崎市、広島平和文化センターは国内外の大学に「広島・長崎講座」開設を呼び掛けており、国内は広島大など50校を突破し、海外では22校に及んでいる(中国、3.26)

■26日、東広島市にキャンパスを置く広島大、広島国際大、近畿大工学部、エリザベト音楽大の学長らが市長を意見を交わす懇談会が市役所で行われた。小中学生がキャンパスで学べる場を増やすため、連携していくことを決めた(中国、3.27)

■26日、中国四国管区行政評価局はキャンパスの受動喫煙防止対策が徹底されていないとして、広島大、山口大、島根大の3大学に改善を求めるあっせん文を出した(中国、3.27)

■27日、県と広島大病院など県内7医療機関は、新型インフルエンザなどの感染症に迅速に対応するため、医療支援を連携する協定を締結する。自治体が感染症に特化したチームを作るのは全国で初めてのこと(読売、3.27、中国、3.28、読売、3.29)

■27日、広島大東千田キャンパスにおいて、2006年にノーベル平和賞を受賞した経済学者ムハンマド・ユヌス氏の講演会が開催され、学生ら約130人が参加した。また、同大はユヌス氏の功績をたたえ、4人目となる「特別栄誉教授」の称号を贈った(中国、日経、3.28、毎日、3.31)

■4月から、広島大は、平和構築に向けた調査や研究・教育などを担う「平和科学研究センター」を「平和センター」に名称変更する(朝日、3.28)

■28日、ベネッセと英教育専門誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーションは国内の大学の教育力を独自に判定して2018年のランキングを発表した。広島大は13位で昨年より1位下がった(中国、朝日、3.29)

■28日、広島地裁福山支部において、2016年6月に広島大付属三原中の男子生徒が運動会の組体操に参加した2日後に脳出血で死亡した、組体操死亡訴訟の第2回口頭弁論があった。大学側が初めて答弁し、騎馬の崩落について事故であることを否定した(中国、3.29)

■広島大医学部「ふるさと枠」2期生14人の4月からの赴任先が決まった。市立三次中央病院や庄原赤十字病院など中山間地域にある病院などにそれぞれ配属される(中国、3.29)

■今永清二(いまなが・せいじ=広島大教授などを経て現県立広島大元学長、イスラム研究)16日、死去。86歳(中国、3.30)

■2月10日、広島の被爆者として海外で証言活動を続けてきた松原美代子さんが85歳で亡くなった。喪主は、甥で広島大大学院の松原昭郎教授が務めた(中国、3.30、朝日、3.31)

■原爆投下後、広島市で被爆者の検診などを行った京大原爆災害総合研究調査班が撮影した写真がメンバーの遺族宅で見つかった。広島大原爆放射線医科学研究所の久保田明子助教は、貴重な未公開資料で、分析研究を進めるべきだと話した(読売、3.31)


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