令和2年4月

■広島大などの研究チームは、磁気共鳴画像装置(MRI)検査の結果を人工知能で解析し、うつ病患者の約4割を占めるうつ病「メランコリア型」かどうかを診断する方法を開発したと発表した(産経、4.1)

■1日付、広島大人事発表(中国、4.1、プレスネット、4.9)

■広島大の宮谷真人理事・副学長(教育担当)が同大の大学院再編について説明した。異なる学問分野が融合することで学生は視野を広げ、進路選択の幅が広がることを期待していると話した(中国、4.2)

■広島大の桑島秀樹教授が「司馬遼太郎 旅する感性」(世界思想社)を執筆した。作家・司馬遼太郎が約25年にわたって書いた「街道をゆく」を読み解いた(中国、4.2)

■解体か保存かで揺れる広島県内最大級の旧陸軍被服支廠の歴史が紹介された。戦後、同建物は広島大の男子寮「薫風寮」として活用された(朝日、4.2)

■東京大などのチームは半世紀前に予言されていた「電気が流れる物質の厚さをナノメートルサイズまで薄くすると電気が流れなくなる」を確認し、その理由も解明した。元素のビスマスをナノサイズまで薄くし、内部の電子がどんな状態にあるかを確認した。ビスマスの状態は広島大の設備で調べた(朝日、4.2)

■3月19日、オオサンショウウオを一時的に保護する設備「オオサンショウウオの宿」が東広島市豊栄町の地域センターに完成した。広島大の研究者や賀茂北高の生徒が痩せたオオサンショウウオを一時的に保護する(中国セレクト、4.2)

■1日、広島大は大学院先進理工系科学研究科と人間社会科学研究科を新設し、東広島キャンパス、東千田キャンパスにおいて看板除幕式を行った(中国、4.2、プレスネット、4.9、読売、4.10、産経、4.15)

■新学期を控えた県内の大学は、新型コロナウイルス感染症の終息が見通せず対応に苦慮している。広島大は8日から予定通り授業を開始する方針で、当面は対面式の授業を避け、学内専用のネットを使ったオンライン授業を行う(中国、4.3)

■2日、広島大はフランスに留学していた男子学生が新型コロナウイルスに感染したことが分かったと発表した。3月29日に成田空港到着後、空港のPCR検査を受けて陽性と判明。帰国後広島県には戻っておらず、関東地方の医療機関に入院している(中国、朝日、読売、4.3)

■広島大の木阪智彦准教授らなどの研究チームは、電源がなくても作動する安価な人工呼吸器を市販の3Dプリンターで造形できるよう、製造データを無償提供するプロジェクトを始めた。今後同大での治験や品質管理に取り組み、国などでの認証を目指す(日刊工業、4.3、毎日、4.6)

■広島大自然科学研究支援開発センターの宮岡裕樹准教授(材料科学)たちのグループが、リチウムの反応しやすい性質を利用したアンモニア合成法を開発した。今後、製造のための大掛かりな施設は必要なくなる可能性がある(中国、4.3)

■【高校人国記 三原高校】広島大病院長や医学部長を歴任した同大名誉教授の調枝寛治さん、その末弟で総合科学部で運動心理学を研究した同大名誉教授の調枝孝治さん、米文学研究家で同大名誉教授の田中久男さん、歴史研究家の橋本敬一さん(広島大卒)らはいずれも三原高校の出身(中国セレクト、4.3)

■ 3日、広島大と東広島市は、共同で設置した「タウン・アンド・ガウン・オフィス準備室」 の初ミーティングを同大で開いた。一体となったまちづくりに向けて準備を進める(中国、4.4)

■3日、広島大新型コロナウイルスの感染拡大の影響で予定していた入学式を中止し、越智光夫学長の式辞や入学許可宣言をホームページなどで録画配信を行った(中国、4.4、読売、4.24)

■【ちゅうごく山歩き】広島登山研究所代表の松島宏さん(広島大卒)は、2012年3月から8年間、中国地方の山々の魅力を伝えてきた(中国、4.5)

■【ヒロシマの空白被爆75年】占領下で米軍に接収されて1973年に日本に返還された被爆学術資料のうち、広島原爆の犠牲者の組織標本が著しく劣化している。保管する広島大原爆放射線医科学研究所は、標本をデジタル画像に収める費用を調達するためインターネットで寄付を募る計画を進めている(中国、4.6)

■【異国でマナブ広島大発】広島大総合科学部3年の樋口聖弥さんは、ロシア・トムスク工科大に留学していた。現地での学びは少人数制で丁寧で、現地企業や実験室の見学も多く、充実したものだったと話した(中国、4.7)

■【ヒロシマの空白被爆75年】原爆犠牲者を病理解剖した病理標本などの資料の多くは米国に接収され、1973年に日本に返還され、広島分は広島大原爆放射線医学研究所が保管している。資料の保存に手を尽くしながら被害の実態解明の努力を将来につなぐことが求められている(中国、4.7)

■土石流が起きる前兆を感知するため地盤の動きを計測してインターネット上で常時監視するシステムを広島大と共同開発した計測リサーチコンサルタントの花倉宏司社長は「うまくいけばこの技術を他のインフラを維持管理するシステムにも使えるだろう」と話した(読売、4.7)

■8日から新型コロナウイルスの感染拡大を受け、広島大は当面、学生の通学を避けてオンライン授業を実施する。実験や研究のためにキャンパスに来ざるを得ない学生のため、キャンパス内の食堂や売店などで独自の感染対策を始めている(読売、4.8)

■【ヒロシマの空白被爆75年】原爆後の混乱の中、研究者らや医療関係者らは遺体を解剖し犠牲者の病理標本を残した。ホルマリン漬けの臓器標本は古くなると化学変異が起こり研究に生かすことは難しいとされていたが、広島修道大の新田由美子教授は広島大原爆放射線医科学研究所にいた約20年前、ホルマリン漬け臓器標本を調査し、32年たった臓器の細胞でも専門機器を使った解析が可能だとわかった(中国、4.8)

■3月27日、東広島市に本部やキャンパスを置く広島大、広島国際大、近畿大工学部、エリザベト音楽大の学長らが、市役所において市長と懇談を行った。広島大の越智光夫学長は「もっと高等教育にお金をかけるべき」と要望した(プレスネット、4.9)

■酒どころ西条がある東広島市に本拠を置く広島大が、賀茂泉酒造と協力しを日本酒「広大」販売した(プレスネット、4.9)

■8日、広島大は科学技術分野で独自の研究開発を進めてきた教授たち5人が本年度の文部科学大臣表彰を受けたと発表した。越智光夫学長と安達伸生教授、亀井直輔准教授の3人は科学技術賞、小林信一人間社会科学研究科長は科学技術賞(科学技術振興部門)、萩崇准教授には若手科学者賞が贈られた(中国、4.9)

■8日、広島県警は広島大副学長で情報工学が専門の相原玲二教授を「サイバー犯罪対策テクニカルアドバイザー」に委嘱した。任期は本年度末までの1年間(中国、4.9)

■【ヒロシマの空白被爆75年】米ペンシルベニア州立大のラン・ツヴァイゲンバーグ准教授は、精神医療史の側面から原爆被害の実態を探っている。戦後間もない時から被爆の精神的影響の調査を始めた広島大の故小沼十寸穂教授に光を当てようと、昨年広島で直筆カルテやメモを探したが保管先と思われた広島大にもなかった(中国、4.9)

■作り手の個性があふれる少部数発行の小冊子「リトルプレス」が注目を集めている。今年3月に広島大経済学部を卒業した仁科勝介さんは、2019年6月にミニバイクに乗っての日本一周の旅は出会った人々や気に入った場所を写真に収めた「日本よはじめまして」を発行した(中国、4.10)

■9日、広島大原爆瓦発想之会の嘉陽礼文さんが企画し、原爆ドームの前身である県物産陳列館を設計したチェコ出身の建築家ヤン・レツルの生誕140周年を記念したイベントが開催された。嘉陽礼文会長が、スマートフォンの前に立って講義し、動画配信された(中国、4.10、産経、4.21)

■【ここに注意!新型コロナ】新型コロナウイルスの流行が進む中、どんなリスクがあり、どう対処すればいいのか広島大大学院の田中純子教授(疫学・疾病制御学)が解説した。会食の延期や通勤の時間帯をずらすなど人との接触機会いつもの半分に減らすことを呼びかけた(中国、4.11)

■10日、広島大大学院医系科学研究科の杉山政則共同研究講座教授(未病・予防医学)の研究チームは飲酒時にバナナの葉由来の乳酸菌を生きた状態で一緒に取ると、肝機能の低下を抑える効果があるとの研究成果を発表し、同大霞キャンパスで記者会見を行った(中国、4.11)

■新型コロナウイルスの感染拡大を受け、広島大でも授業や課外活動がオンラインに切り替わった。新入生からは「大学生になった実感がない」との声が聞かれた(中国、4.11)

■【異国でマナブ広島大発】大学院総合科学研究科修士2年の安食貴博さんは、フランス・リヨン第3大に留学した。同じアパートに住む老婦人と仲良くなりいろいろなことを話したが外国人から見る「日本」「日本人」というものが興味深かったと話した(中国、4.14)

■【兵どもの夢の跡】戦国大名大内氏が安芸国支配の拠点にしていた鏡山城は、広島大東広島キャンパスのすぐ東側にあり、現在は鏡山公園として整備されている(中国セレクト、4.14)

■【叙位叙勲】◇正四位◇呉工業高専名誉教授、元同高専校長、広島大名誉教授片島三朗氏(中国、4.15)

■【市長往来(14日)東広島市】午前9時30分、広島大大学院先進理工学研究科の高田十志田研究科長(中国、4.15)

■広島大大学院先進理工系科学研究科の栗田雄一教授(人間拡張学)は、物の「さわり心地」「持ちやすさ」などの触感を数値化することで、イメージした形の3Dモデルをコンピュータ上に作成できるソフトを開発したと発表した(中国、4.15)

■広島電鉄などは路面電車の新たな可能性に挑戦しようと様々な実証実験に取り組んでいる。昨年11月、自動運転システムを搭載したバスが路面電車を追走する実験を主導した広島大の藤原章正教授(交通工学)は「実用化した場合、電停で待っていれば路面電車とバスのどちらにも乗ることが可能なシームレスな交通システムの確立した街になる」と話した(読売、4.16)

■広島大の牧野雅彦教授が『不戦条約 戦後日本の原点』(東京大学出版会)を出版した(朝日、4.18)

■1日、正社員と非正規労働者の待遇差をなくすための同一労働同一賃金制度が大企業と人材派遣会社を対象に始まった。広島大大学院の三井正信教授(労働法)は「待遇差がどれほど不合理といえるのか法的に判断しづらいのが実情」と話した(中国、4.18)

■広島大発ベンチャーで遺伝子検査を取り扱うミルテルの田原栄治社長は、乳がん発症のリスクを見つける検査に人工知能を取り入れた。検体のデータを解析するスピードが飛躍的に速くなる(中国、4.18、4.24)

■20日、昨年7月、参院選広島選挙区で初当選した自民党の河井案里氏が車上運動員に法定を超える報酬を支払ったとして公選法違反の罪に問われた公設第2秘書である立道浩被告の公判が広島地裁で始まる。広島大大学院の吉中信人教授(刑事訴訟法)は「被告の立場や役回りがどう認定されるのか注目される」と話した(中国、4.19)

■【ヒロシマの空白被爆75年】原爆被害に遭った心身の痛みを見られたくないという気持ちから本人や家族が原爆に関する手記など個人資料を廃棄してしまうことも少なくない。広島大原爆放射線医科学研究所の久保田明子助教は、事情の複雑さを十分に理解した上で「語りたくない」という思いも含めて伝えることが被爆体験の次世代への継承になると指摘した(中国、4.20)

■マレーシア在住の桧山純子さんと長女のアイナ・ヒヤマ・ザズリさんは、広島大に留学し被爆した現マレーシア出身の南方留学生をテーマに絵本「ヒロシマにいた友だち」を製作し、国際交流基金クアラルンプール日本文化センターのウェブサイトでPDF版を公開している(中国、4.20)

■【異国でマナブ広島大発】広島大総合科学部3年の中西夏歩さんは、フィンランド・ユバスキュラ大に留学した。初めての海外だったが、到着して早々現地の見知らぬ人々に助けられ、周りの困っている人を見たら積極的に助けられる人になりたいと話した(中国、4.21)

■広島大は新型コロナウイルスの感染拡大の影響でアルバイトなどが困難で生活に困っている学生を対象に独自の応急奨学金制度を設けた。1人当たり3万円を支給する(中国、4.22)

■広島大病院救急集中治療科の志馬伸朗教授が、新型コロナウイルスの重症化するケースについて解説した(中国、4.22)

■新型コロナウイルスの感染拡大を受け、アルバイトで生活費を稼ぐ学生に影響が広がっている。若者の貧困問題に詳しい広島大の佐々木宏准教授(福祉社会学)は「学びを諦める学生が多くうまれる可能性がある。授業料の減免など早急な措置が必要だ」と話した(中国、4.22)

■【新社長】◇MUTOHホールディングス◇磯部泰彦氏(広島大理卒)、6月社長就任(日経、4.22)

■【異国でマナブ広島大発】文学部の石原光さんは、アメリカ・ネバダ大リノ校に留学した。ほぼすべての授業でたくさんの課題が出され、友人とともに必死でこなした(中国、4.23)

■中国地域ニュービジネス協議会は、本年度の中国地域ニュービジネス大賞に広島大発ベンチャーのキャンパスメディコを選んだ。同社は同大の二川浩樹教授が発明した特許技術をメーカーなどに提供し、使用料を得ている(中国、4.24)

■今月7日付で、広島家裁の新たな所長に水野有子氏(広島大附属福山中・高校出身)が着任した。横浜地裁判事や東京家裁部総括判事などを歴任し、中国地方での勤務は初めてとなる(中国、4.24)

■23日、広島大は全学必修の「平和科目」について新型コロナウイルスの感染拡大で実地での学習が難しいため、本年度はインターネットで被爆体験記などを閲覧してリポートを提出してもらう形式に変更すると発表した(中国、毎日、4.24)

■【市長往来(23日)】呉市:13時30分、広島大大学院医系科学研究科の石田万里准教授(中国、4.24)

■広島大は学内で公募していた大学のマスコットキャラクターの愛称を「ひろティー」に決めた(読売、4.24)

■23日、広島大は新型コロナウイルスの感染拡大の影響でアルバイトがなくなるなど生活に困っている学生向けに独自の制度「応急学生支援金」として当面1人当たり1カ月3万円を返済不要で支給する(中国、朝日、読売、日経、毎日、4.24、毎日、日刊工業、4.28)

■【トップボイス】広島大の越智光夫学長が、寄付講座や共同講座を学内に設け、企業と大学の連携を深めている。企業の人には基礎研究段階にある様々な研究を知ってもらい、研究者には自分の研究がこんなことに生かせるのではないかという視点を持ってもらうことで研究の可能性を広げる狙いがある(中国、4.25)

■24日、広島大発ベンチャーのミルテルは、広島県が設立した官民ファンドの運営会社ひろしまイノベーション推進機構などから約4億6千万円の出資を受けた。遺伝子検査技術の臨床研究や人工知能を使った解析の研究開発などを進める(中国、4.25)

■【ヒロシマの空白】広島大名誉教授の高橋碩夫さんは、将校を目指し陸軍幼年学校へ入学した。国語や術科とよばれる剣道などを学んでいたが1945年6月、教育総監部の指示で全生徒が郊外へ疎開し被爆を免れた。高橋さんは「広島に残った人たちに申し訳なく思っている」と話した(中国、4.27)

■広島大山脇成人特任助教らの研究グループは、左前頭葉をニューロフィードバックによる訓練で脳の活動を高めることで自身のうつ病症状を改善する新たな治療法を開発した。自宅などで使える小型脳活動計測装置を開発し、5年後の製品化を目指す(日刊工業、4.27)

■【異国でマナブ広島大発】文学部4年の詫間しおりさんは、台北市の国立台湾大に留学した。「とりあえず話しかけてみる」と自分を奮い立たせ、徐々に自分の意見を自信をもって話せるようになった(中国、4.28)

■28日、広島大は新型コロナウイルスの感染拡大を受けた学生向けの応急学生支援金の財源について、教職員や卒業生、保護者たちから357件、計1,173万円の寄付の申し出があったと明らかにした(中国、4.29)

■広島大大学院の坂口剛正教授(ウイルス学)が、新型コロナウイルスに感染した人は体内に「抗体」がつくられるため、再び感染するとは考えにくい、またウイルスが体内からなくなれば当然、人にはうつらないと話した(中国、4.29)

■整形外科医である広島大病院の越智光夫学長たちが開発を進めた膝関節の軟骨再生治療が本年度の文部科学大臣表彰を受けた。膝関節の軟骨再生治療により、手術による患者負担が大きく減る(中国、4.29)

■【春の叙勲】◇瑞宝中綬章◇根平邦人(広島大名誉教授)、原田宏司(広島大名誉教授)、広瀬全孝(広島大名誉教授)、槙林滉二(広島大名誉教授)(朝日、4.29)

■【社説】新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、多くの大学生や専門学校生が学費や家賃が払えない状況に陥っている。各大学は相次いで支援策を出し、広島大は困窮した学生に1人当たり月3万円を返済不要で支給する(中国、4.30)

■ファッションリフォームエース(呉市)市販の不織布性より飛沫防止機能が高い布製マスクを5月に販売する。同社は近年、広島大と連携して医療分野に参入、腰痛ベルトやサポーターなどを手掛けている(日刊工業、4.30)


up