令和2年10月

■28日、広島市出身の学生と広島市長らが「平和文化の振興」について語り合う車座談議が広島平和記念資料館で行われた。広島大平和センターの川野徳幸教授の進行のもと、学生たちが各自で取り組んだ平和活動の経験について意見を交わした(朝日、10.1)

■広島大附属中・高等学校の鶴田輝樹教諭は、新聞を授業の教材として活用する教育(NIE)に力を入れている(読売、10.1)

■11月、ひろしま産業振興機構のカーテクノロジー革新センターは自動車部品メーカーのIT人材を増やす支援を始める。カリキュラムは広島大や広島市立大などが作成した教材と、マツダが研修で使う社内向け教材を基本とする(中国、10.1)

■1日、広島大は秋季入学式を東広島キャンパスのサタケメモリアルホールで開いた。大学院4研究科の計292人が入学した(中国、10.2)

■1日、日本癌学会の学術総会が広島市のホテルで始まった。広島大名誉教授の鎌田七男氏は、広島原爆の爆心地から半径500メートル以内で被爆した生存者78人の追跡調査について発表した(中国、10.2)

■大阪大の寺田健太郎教授(広島大教授を経て現職)は、自身の月の研究の傍ら、絵本などで科学の魅力を伝える活動を行っている(読売、10.2)

■2日、夏休みが明けた広島大で対面での授業が本格的に再開した。新型コロナウイルスの影響で4月以降はオンライン講義が中心だったが、後期は授業の約5割を対面で実施する。初めて講義室での授業に臨んだ1年生は「入学をようやく実感できた」と話した(中国、10.3)

■被爆75年の今夏、ニック・ムスタキムさんが、広島で被爆死した大伯父ニック・ユソフ氏の遺影を国立広島原爆死没者追悼平和祈念館に登録した。ユソフ氏は1943年に来日し、広島文理科大(現広島大)在学中被爆し死亡した(読売、10.3)

■広島商工会議所の小飼雅道副会頭が広島のものづくり産業について語った。地域の強みとして広島大をはじめとした優れた教育機関の存在を挙げた(中国、10.3)

■広島大は、工学部実験研究棟内にある学生や企業の交流施設「おもしろラボ」のネーミングライツ(命名権)の取得先を公募し、三次市の土木・建築工事会社「加藤組」と契約を結んだ。2025年まで施設名称は「KATO OMOSHIRO LAB」となり、2日に同施設で記念式典が行われた(読売、毎日、10.3、プレスネット、10.15)

■広島大とウシオ電機の研究チームは、人体に安全な波長の紫外線の照射でも、新型コロナウイルスの死滅に効果があったとの研究成果を発表した。チームの大毛宏喜広島大教授(感染症科)は「安全性がさらに立証されれば、これまで使いにくかった紫外線が幅広く活用される」と話した(読売、10.6、毎日、10.11)

■広島大大学院の大段秀樹教授(移植学)たちの研究グループは、動物の臓器をヒトに用いる「異種移植」の実現に向けて、臓器移植の拒絶反応が起きる仕組みの解明と防ぐ方法の開発に取り組んでいる(中国、10.7)

■来年3月頃、広島大東広島キャンパス構内で、自動運転の小型バスを走らせる実証実験を計画していることがわかった。自動運転サービスに関連する企業などでつくるコンソーシアム会長の広島大の藤原章正教授(交通計画)は「実証実験を重ね、技術面の知見だけでなく信用を蓄積していくことが重要」と話した(中国、10.8)

■広島大は米国テンピ市と一体で地域発展に取り組むアリゾナ州立大と提携する。東広島市は同市を参考に、広島大のグローバル戦略と連動した学術研究都市をつくる。市長と同大学長をトップとする組織である「タウン&ガウン構想」を推進する(日経、10.8)

■広島大は、広島県と共同で設置した「バイオデザイン共同研究講座」をウェブ会議システム「Zoom」を用いてオンラインで月内に3回開催する(日刊工業、10.8)

■25日と11月15日の2回、竹原市港町の広島大水産実験所において海にすむ生き物の生態について学ぶ「たけはらの海の学校」が行われる。同研究所の大塚攻教授(海洋生物学)が講師を務める(中国、10.8)

■7日、広島大大学院医系科学研究科共生社会医学講座や中国新聞社などが主催し、認知症をテーマにしたシンポジウムが行われた(中国、10.8)

■広島県臨床整形外科医会の大田修会長と広島大大学院医系科学研究科の安達伸生教授が「ポストコロナを生きる」と題して対談を行った。新しい生活様式でのロコモティブシンドロームを進行させないよう体を動かす大切さについて話した(中国、10.8)

■2020年のノーベル化学賞をゲノム編集の新手法を開発した欧米の女性研究者2人が受賞した。日本ゲノム編集学会長の広島大の山本卓教授は「クリスパー・キャス9はゲノム編集技術に格段の進歩をもたらし、遅かれ早かれ受賞することに疑いはなかった」と話した(中国、朝日、10.8、日刊工業、10.9、読売、10.18)

■凸版印刷は広島大や広島大発ベンチャー企業のプラチナバイオと連携し、人工知能を活用したゲノム編集データベースの構築を進めている(日刊工業、10.9)

■天田財団の今年度前期の助成テーマ92件が決定した。▽研究開発助成/奨励研究助成若手研究者(レーザプロセッシング)、荒木仁太/広島大学デジタルものづくり教育研究センター材料MBRグループ「レーザパターニング表面処理による高耐久性能を実現する接着接合接手の開発」(日刊工業、10.9)

■9日、ノーベル平和賞が発表された。候補に推薦されていた高校生平和大使を務める広島大附属高2年の生徒ら3人が、広島市内で記者会見を行った。受賞はならなかったが、核兵器廃絶に向けて力を尽くす決意を新たにした(中国、10.10)

■各国の高校生が数学で競う今年の「国際数学オリンピック」で、広島大附属高3年の生徒が全出場選手の6分の1に贈られる銀メダルを獲得した。3年連続出場と銀メダルの獲得は、県内からの出場者では初の快挙(中国、10.11)

■10日、広島六大学秋季リーグ最終週第1日が行われた。▽広島大4−1広工大(中国、10.11)

■国の特別天然記念物オオサンショウウオを一時保護する施設が東広島市に完成し半年が経過した。調査や保護活動に取り組む広島大総合博物館の清水則雄准教授が監修し、地元住民が中心となり管理運営している(朝日、10.11)

■元広島大原爆放射線医科学研究所助手の竹崎嘉彦さんが、広島を壊滅させた原爆の爆心地について、現行の日本測地系での経緯度を、地理情報システム(GIS)を駆使して突き止め、国土地理院の「電子国土基本図」に表示した(中国、10.11、読売、10.28)

■県生活組合連合会とJAグループ広島は、新型コロナウイルスの影響で困窮する県内の大学生を支援しようと、県内の一人暮らしの学生を対象に食材を無料提供する応援プロジェクトを行った。1日には、広島大東広島キャンパスで贈呈式を開催した(読売、10.11、プレスネット、10.29)

■広島大を代表とする産学グループは、運動や食事などの細かな生活データを集めて分析し、スマートフォンのアプリと人工知能を使い、国民健康保険の加入者に健康指導をする取り組みが近く、東広島市と安芸太田、北広島の両町で始める(中国、10.13)

■広島大大学院医系科学研究科の東川史子特任准教授(未病・予防医学)の研究グループは、赤ワインやバナナに多く含まれる天然アミノ酸の一種「5-アミノレブリン酸」に心身の疲労感を和らげる効果があることを臨床実験で確かめた(中国、10.14、読売、10.22、日刊工業、10.28)

■14日、広島大は被爆者の全国組織結成につながった1956年の広島県原爆被害者団体協議会発足前後に作成された資料約500点について、目録をホームページに掲載し、広島大文書館で一般公開を始めた(毎日、10.15)

■広島大大学院生の内田涼さんと梶下佳成さんが南アジアのスリランカで、民族や宗教の違いを超えた人々の融和を支援する活動に乗り出した。内戦の主戦場だった北部で、薬などに使える植物の栽培を通じて住民が協働する場を提供し、平和な社会づくりへの貢献をめざす(朝日、10.15)

■17日に実施される内閣と自民党による故中曽根康弘元首相の合同葬に合わせて弔意を表すよう文部科学省は国立大などに求めた。広島大は合同葬当日、東広島キャンパスで半旗を掲げる(中国、10.16、10.17、朝日、10.17)

■15日、広島大は東広島キャンパスに建設する国際交流拠点の起工式を行った。来年9月末の完成を予定する(中国、10.16、プレスネット、10.29)

■今夏、移転新築した三原市中央図書館を核とした複合施設「キオラスクエア」がオープンした。広島大附属三原中の生徒は「まちの中心がおしゃれになった」と喜んだ(中国、10.17)

■16日、広島大教職員組合の有志44人は日本学術会議が推薦した新会員の候補者6人が任命を拒否された問題で、その理由説明と拒否された候補者の速やかな任命を求める声明を出した(中国、10.17、朝日、10.18)

■幼少期から中学生の頃まで性的虐待を受けた女性が父親に対し、1,100万円の損害賠償を求め広島地裁に提訴した。NPO法人全国女性シェルターネット共同代表で広島大の北仲千里准教授は「勇気を振り絞って立ち上がった被害者を理解し、支えることが社会に求められている」と話した(中国、10.17)

■17日、広島大は内閣と自民党による故中曽根康弘元首相の合同葬に合わせて、東広島キャンパスで半旗を掲げた(中国、10.18)

■【研究室発】広島大大学院先進理工系科学研究科の内田龍彦准教授は、水の性質や動きを理解し、治水や防災、減災に役立てる「水工学」を専門とし、災害現場などで得た知見を、発生の予測に結びつける道を探っている(中国、10.18)

■東京外国語大学の篠田英明教授(広島大准教授を経て現職)は憲法改正について、国際法を順守するという日本国憲法全体の精神の中で9条があることを明確にし、自衛隊の国内法・国際法上の地位を確立させたいと話した(産経、10.18)

■24日、広島市南区の広島健康福祉センターにおいて、広島大仏教青年会歎異抄講話が行われる。講師は広島大の松田正典名誉教授が務める(中国、10.19)

■広島高等師範学校(現広島大)教員たちが結成したオーケストラ「丁未音楽会」が1930年代に開いた演奏会やラジオ出演の様子を撮影した写真が4枚、当時楽団に所属した茶村又一さんの遺品から発見された。近く、広島大文書館に寄贈される(中国、10.19)

■広島大の片山春菜大学院生と畠中憲之教授は、旭川医科大学の藤井敏之助教らと共同で、量子力学における「量子ランダムウォーク」のウォーキング・メカニズムを世界で初めて解明した(日刊工業、10.19)

■24日、広島県医師会館において、のぞみの会・広島講演会が行われる。広島大病院の角舎学行医師が「乳がん治療の最新トピックス」と題して講演する(中国、10.21)

■11月7日、TKP広島本通駅前カンファレンスセンターにおいて、まちなかリボンサロンが行われる。広島大病院放射線治療科の西淵いくの医師が「知っておきたい乳がん放射線治療の最前線」と題して講演する(中国、10.21)

■11月19日、広島大病院において、同病院がん治療センター岡本渉医師が「がんゲノム情報にもとづく治療の選択」と題して講演する(中国、10.21)

■【病院の実力 胃がん】 主な医療機関の2019年の治療実績が公表された。広島大病院は、手術合計が91件、うち腹腔鏡手術が70件、手術中の迅速病理診断が25件、内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD)が202件だった(読売、10.21、10.25)

■17日、 内閣と自民党による故中曽根康弘元首相の合同葬に合わせて弔意を表すよう文部科学省から通知を受け広島大が半旗を掲げたことについて、越智光夫学長は21日の定例記者会見で「基本的に慣例に従った」と説明した(朝日、10.22)

■10月1日付で陸上女子100メートル障害で日本選手権6回優勝の木村文子選手が広島大大学院に入学し、21日同大で記者会見を開いた。指導する関矢寛史教授(スポーツ心理学)は「学生や教員たちにいい刺激を与えてくれる」と歓迎した(中国、朝日、読売、毎日、産経、10.22)

■21日の定例記者会見で広島大の越智光夫学長は日本学術会議が推薦した新会員の候補者6人が任命を拒否された問題で「どうして任命されなかったのか、私も知りたい」と述べた(中国、10.22)

■11月1日、広島大宇宙科学センターは最先端の宇宙研究を紹介するオンラインセミナーが行う。今月上旬に地球へ最接近する火星に関する研究成果が紹介される(中国、10.22)

■11月19日、中国地域創造研究センターは予防医療に役立つ最新技術を紹介する講演会を行う。広島大大学院の秀道広教授は、細胞を画像化してアレルギーやがんを診断する手法を解説する(中国、10.22)

■新型コロナウイルスの感染拡大が広がる中でのてんかん診療の現状や課題について、広島大病院てんかんセンターの飯田幸治センター長と同大病院感染症科の大毛宏喜教授が対談を行った(中国、10.23)

■広島大病院の田辺和照教授が、早期発見が重要となる胃がん治療について解説した(読売、10.25)

■11月7日、広島大学工学部は、創立百周年を記念し、東広島キャンパス内の工学部管理棟前に門型のオブジェ「出迎え見送る門」と語らい場「智恵の踊り場」を設置した。同日、広島大卒業生向けに開催されるホームカミングデーに合わせ、記念式典やオブジェの除幕式を行う(日刊工業、10.26)

■産学連携、大学発のスタートアップの創出が日本の大きな課題となっている。広島大とコベルコ建機は18年に大学内企業研究所を設立。建機の遠隔操作などの実証試験を行っている(日経、10.26)

■25日、第65回秋季県高校軟式野球大会の決勝が行われた。広島大附属福山高が7年ぶり4回目の優勝を決めた(朝日、毎日、10.26)

■核兵器禁止条約の批准国・地域が50に達し、来年1月に発行する。広島大の川野徳幸教授(原爆・被ばく研究)は「広島、長崎の経験が国際社会に共有された証しで、長年の被爆者運動が一つ形として結実した」と話した(読売、10.26)

■「防災推進国民大会2020」が広島国際会議場を拠点に、初めてオンライン開催された。広島大大学院先進理工系科学研究科の海堀正博教授は「オンライン開催で広く情報を発信できたこと、産学官民の連携と学び合いを深められたこと、開催地である広島の防災・減災活動の活性化につながったこと、この三つの点で非常に意義深い大会となった」と話した(中国、10.27)

■広島六大学秋季リーグは、広経大が2季連続27度目の優勝を飾った。広島大は昨季の6位から2位へ躍進した(毎日、10.27)

■3日、日本癌学会の市民公開講座「研究が切り拓くがん治療最前線」が開かれ、広島大病院の檜井孝夫特任教授ががんゲノムパネル検査について解説した(朝日、10.27)

■27日、広島大はスポーツに関連する教育・研究や地域活性化に取り組む「スポーツセンター」を開設し、東広島キャンパスで看板除幕式をした。2005年に設置したスポーツ科学センターを改組し、機能を強化する(中国、10.28)

■東広島市は、広島大東広島キャンパスの周辺で昨年10月〜今年7月に13人乗りの小型バスを走らせた社会実験の結果をまとめた。教職員や留学生の移動に一定の需要が確認できたとし、大学と連携して事業化に向けて検討を進める(中国、10.28)

■被爆75年を受けて読売新聞社と広島大学平和センターが広島大と長崎大の1年生ら401人に行った学生平和意識調査で、79%が被爆者の証言を「聞きたい」を回答した(読売、10.28)

■【生きて(1)】宇宙物理学の研究者と浄土真宗本願寺派僧侶の2つの顔を持つ広島大の観山正見特任教授は、国立天文台の台長を務め南米チリのアルマ望遠鏡の建設にも携わった(中国、10.28)

■【広島大学の若手研究者に聞く】同大大学院先進理工系科学研究科の木下拓也助教は、コベルコ建機と人の感性を踏まえた油圧ショベルの研究を進めている(プレスネット、10.29)

■29日、広島県は県民の新型コロナウイルスへの感染歴を調べる抗体検査で、陽性率が0.13%だったとの中間結果を公表した。調査を担った広島大大学院田中純子教授(疫学・疾病制御学)は「県内では感染の広がりを抑えられている」と分析した(中国、10.30)

■【生きて(2)】広島大の観山正見特任教授は、1964年に広島大附属中学に入学し、部活のテニスと読書に打ち込んだ(中国、10.30)

■広島大病院の診療棟に、東京・両国国技館に掲げられていた大相撲の横綱白鵬関の優勝額が飾られ、患者を楽しませている。同病院がモンゴルの放射線医療を支援していることを知り、同国出身の白鵬関が寄贈を申し出た(中国、10.31)

■11月7日、広島大学東広島キャンパスにおいて第14回ホームカミングデーが行われる(中国、10.31)

■【釣りのススメ】広島大大学院の海野徹教授がサワラについて話した。サワラの特徴は餌に対するどう猛さ。ルアーにも果敢にアタックしてくるため、ルアーのスピードが釣果に影響する(中国セレクト、10.31)


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