令和2年11月

■広島大大学院先進理工系科学研究科の小池みずほ助教は隕石を最新の分析装置で調べることで、宇宙の成り立ちや地球のはじまりについて研究している(ウェンディ広島、11.1)

■広島大の小林信一副学長は、日本の科学研究力の低下について、科学技術政策が短期的に成果を求める傾向にあることを指摘し、若手研究者を支援する抜本的な対策が必要だと話した(日経、11.2)

■【キャンパスリポーター発】広島大の東図書館と西図書館の改修工事が終わり、東図書館に和室の学習スペース「畳コモンズ」などデザイン性豊かなスペースが増えた(記事:2年・中川真優菜さん)(中国セレクト、11.3)

■5日〜12月10日、広島大は公開オンライン講座「宇宙に生命を探す」(全4回)を開催する。元国立大天文台長で広島大特任教授の観山正見氏らが講師を務める(読売、11.3)

■3日、核兵器禁止条約の来年1月発行を受け、条約と市民社会の果たす役割をテーマにした講演会が広島平和記念資料館で開催された。パネルディスカッションで、広島大平和センターの川野徳幸センター長は「大多数の国民は核なき世界を望みながら、4割は『核の傘』を認めるというジレンマがある。そうしたギャップをどう乗り越えていくのかが課題」と指摘した(読売、11.4)

■広島市安佐北区で地域の住民組織が空き家対策に乗り出す動きが広がっている。広島大大学院の由井義通教授(都市地理学)は「地方への移住先として空き家は注目されている。若い世帯を呼び込むには、就職や保育をセットにして情報を出すことが必要だ」と指摘した(中国、11.4)

■地方での医師確保について、三原市大和診療所の藤家証一所長は「卒業後の一定期間、中山間地域で勤務する広島大医学部「ふるさと枠」導入から10年以上経ち、効果が出てくるのはこれからだろう」と話した(中国、11.4)

■28日、同大の元教職員でつくる「広島大学マスターズ」などが主催し、広島大と同大キャンパスのある東広島市西条地区について紹介するオンライン講演会が開かれる。同大の相田美砂子特任教授が講師を務める(中国、11.5)

■原爆投下後に降った「黒い雨」をめぐる訴訟は、広島地裁が援護区域外で雨に遭った住民へ被爆者健康手帳交付を命じた判決を不服とする国の意向を受け、広島県と広島市が控訴した。広島大名誉教授の田村和之さんは「県や市は地裁判決をどう評価したのか。正しいと思うなら、控訴を取り下げ国と対峙する覚悟が必要」と話した(毎日、11.5)

■10月1日、広島大はスポーツに関連する教育・研究や地域活性化に取り組む「スポーツセンター」を開設し、東広島キャンパスで看板除幕式をした。2005年に設置したスポーツ科学センターを改組し、機能を強化する(プレスネット、11.5)

■広島大病院は、5月に国際医療支援部を開設し、院内表示の多言語化や通訳の派遣調整に取り組み、外国人がスムーズに医療を受けられる環境づくりを進めている。国際医療支援部長の杉山英二教授によると、同病院が2019年に受け入れた外国人患者は約40カ国の延べ660人にのぼる(中国、11.6)

■5日、広島大の公開オンライン講座「宇宙に生命を探す」(全4回)が始まった。初回は元国立天文台長で広島大特任教授の観山正見氏が宇宙の謎や起源について解説した(中国、11.7)

■6日、広島県は原爆投下後に降った「黒い雨」の援護対象地域を巡って国が設置するとした検討会の委員に、医師で広島大名誉教授の鎌田七男氏を推薦したと発表した(中国、毎日、11.7、中国、11.10、毎日、11.16)

■7日、広島大ホームカミングデーが同大東広島キャンパスで行われた。同日、前身の広島高等工業専門学校の設立から今年で100年となった工学部の記念行事も開催された(中国、11.8)

■広島大本部跡地の民間再開発が一区切りを迎えた。広島市が広島大本部跡地の旧理学部1号館で広島大、広島市立大と連携して新たな平和研究拠点をつくる構想については停滞している(朝日、11.8)

■【コロナ禍の教訓(上)】福祉施設での新型コロナウイルス感染者のクラスターについて、広島大病院感染症科の大毛宏喜教授は「いくら防御を固めてもウイルスが施設に入ってくる可能性はある。職員の体調管理を徹底し、調子が悪いときは休ませる態勢の確保が重要」と指摘した(中国、11.10)

■8日、広島県高校駅伝が行われ、男女ともに世羅高が制し12月20日に京都市で行われる全国高校駅伝に出場する。広島大附属福山高は男子が15位だった(中国、11.10)

■広島大は、成果を起業に結びつけるためのオープンイノベーション(OI)事業本部を立ち上げたり、米国の大学を誘致、中国に分校を設置するなど研究成果の事業化や国際化などの改革を進めている。越智光夫学長は「地方国立大の果たすべき役割は地域の産業育成と街づくりへの貢献だ」と話した(日経、11.11)

■広島県内の小中学生・高校生らが科学研究の成果を競う第64回県科学賞の審査会が行われた。【高校の部】◇県教委賞「流水が生み出す半月模様」広島大附属高生徒【中学の部】◇県教委賞「メニスカスの形状の決定要因の分析〜メニスカスを用いた計量器具の新たな使い方の開発〜」広島大附属中生徒【学校賞の部】◇県議会議長賞◇広島大附属高、◇県科学賞委特別賞「アルギン酸カルシウムゲルの徐放性を用いた薬剤カプセルの基礎研究」広島大附属高生徒◇優秀指導者賞◇広島大附属高・教諭佐々木康子(読売、11.11)

■元法相で衆院議員の河井克行被告と妻で参院議員の案里被告が公職選挙法違反の罪に問われた事件について、広島大大学院の茂木康俊准教授は「与党議員のおごりが事件の背景にある」と話した(朝日、11.11)

■10日、広島県の湯崎知事は記者会見において、16日に初会合を予定する検討会の委員に推薦した広島大名誉教授で血液内科医の鎌田七男氏について「科学的な観点から区域拡大の必要性を説明できる」と期待し、速やかな被害者救済を訴えた(中国、11.11)

■福山、三原両市で文化財の調査報告書の刊行を巡り、不正な公金支出が相次いで発覚した。広島大大学院の吉中信人教授(刑法)は「虚偽公文書作成・同行使罪に当たる恐れがある。法令遵守の徹底が必要だ」と話した(中国、11.11)

■広島大病院は、心房細動の患者の脳梗塞を予防する新たな手術法「左心耳閉鎖術」を導入した。執刀する循環器内科の中野由紀子教授が、手術法について解説した(中国、11.11)

■東広島市は、道路や公共施設などで外国人の利便を図る多言語表記の案内板の新設や内容見直しを検討している。11日、市職員が市内外に住む外国人と街を歩き課題を調べ、市役所でインターンシップをしている広島大生2人も同行した(中国、11.12)

■広島大の山脇成人特任教授の研究グループは、人工知能を使って脳卒中後のうつ病の診断に必要な抑うつ気分、意欲低下、不安といった症状を従来より高精度に識別する診断技術を開発した(日刊工業、11.13)

■11日、広島大歯学部の学生による歯科保健の授業が市立広島特別支援学校で行われた。同学部口腔健康学科の3年生4人が講師を務め、ビデオ会議システムで、模型を手に歯肉炎の原因や歯ブラシの使い方を指導した(中国、11.13)

■左官事務所「どろんこうさぎ」代表のマヤール・デュラモランデ・ギュルバンさんは、2012年広島大大学院総合科学研究科に留学し、高齢化が進む地域の活性化政策を研究。その一環で訪れた東広島市福富町で偶然通りかかった左官職人の技術に心をつかまれ、本職にした(中国セレクト、11.13)

■13日、広島大は新たな同大大学院医系科学研究科長に丸山博文氏を選んだと発表した。任期は来年4月1日から2年間(中国、11.14)

■呼吸器外科・心臓外科の領域で世界最高峰の米国胸部外科学会の国際会議がオンラインで開かれ、肺がん手術の新手法を開発した広島大の岡田守人教授(呼吸器外科)が「マスターサージャン」(伝説的外科医)として招待講演を行った(読売、11.15)

■16日、原爆投下後に降った「黒い雨」を巡り国の援護区域について話し合う厚生労働省の検討会の初会合が行われた。検討会には、広島大原爆放射線医科学研究所長などを歴任した広島大名誉教授の鎌田七男さんが県の推薦で参加した(朝日、読売、毎日、11.17)

■今年4月、過活動膀胱のこれまでの薬が効かなかった人たちを対象に治療法「ボツリヌス療法」が保険適用となった。広島大病院腎泌尿器科の藤井慎介医師が最新の治療法について解説した(中国、11.18)

■【学生リポーターが聞く】広島大の浜田航輝さんら学生リポーターが自動車販売のバルコム山坂哲郎会長兼社長(広島大教育学部卒)にインタビューを行った(中国、11.18)

■【病院の実力 肝臓がん】主な医療機関の2019年の治療実績が公表された。広島大病院は、開腹手術の件数が62件、腹腔鏡手術の件数が44件、焼灼療法の患者数18人、肝動脈(化学)塞栓療法の患者数350人、分子標的薬で治療した患者数110人だった(読売、11.18)

■【生きて(14)】宇宙物理学者で僧侶の観山正見広島大特任教授は、現在広島大の宇宙研究を支える「かなた望遠鏡」を使った観望会にも協力している(中国、11.19)

■20日、広島大は日本貿易振興機構(ジェトロ)と包括的連携協定を結んだ。国際的な産学連携の推進、大学発ベンチャーの海外展開の支援、グローバル人材育成の3分野で連携を深める(中国、日経、11.21)

■20日、三次市吉舎町の日彰館高は同校の生徒と広島大の短期留学生、地元の小中学生を招いたオンライン交流会を開いた(中国、11.21)

■広島大病院の茶山一彰教授(消化器・代謝内科学)が、初期症状が出にくい肝臓がんの最新の治療法について解説した(読売、11.22)

■22日、画家である広島大名誉教授の難波平人さんと武蔵野美術大名誉教授の遠藤彰子さんの2人が東広島市立美術館で対談した(中国、11.23)

■23日、県内の小中高生たちの作品を募った「県児童生徒発明くふう展」の表彰式が行われた。知事賞に広島大附属中の生徒の「靴を乾燥させるシューズケース」が選ばれた(中国、11.24)

■【研究室発】広島大宇宙科学センターの稲見華恵助教は、宇宙の星がなぜ生まれ今の姿になっているのか、星の一生の謎に迫ろうとしている(中国、11.24)

■24日でローマ教皇の広島訪問から1年になることをうけ、23日夜、早稲田大4年の中村園実さんと広島大4年の岩本理沙さんが中心となり学生ら16人が平和への願いを継承するイベントを開いた(読売、11.24)

■各国の高校生が数学を競う今年の「国際数学オリンピック」で、広島大附属高3年の生徒が全出場選手の6分の1に贈られる銀メダルを獲得した。高校1年から3年連続で日本代表として出場し、過去2回いずれも銅メダルを獲得している(朝日、11.25)

■日経BPコンサルティングがまとめた「大学ブランド・イメージ調査2020-2021」で中国・四国の主要59大学のうち、岡山大が4年ぶりに総合1位となった。前年まで3年連続首位だった広島大は2位だった(日経、11.25)

■広島大の越智光夫学長と生物学者の福岡伸一氏が対談を行った(日経、11.25、中国、11.30)

■今月から、広島大総合博物館は東広島キャンパス内の樹木127種類、計1,000本にQRコード付きネーミングプレート(名札)を取り付けるプロジェクトを始めた(読売、11.26)

■認知症の人が新型コロナウイルスに感染した場合、すぐに入院できないのではと家族らが不安を抱えている。広島大などが6月に行った調査では、認知症患者を受け入れる945施設のうち8割弱が認知症患者が新型コロナの陽性者となった場合「認知症を理由に入院や移送が困難になる可能性がある」と回答した(朝日、11.26)

■【広島大学の若手研究者に聞く】ゲノム編集イノベーションセンターの下出紗弓助教は、進化に貢献するウイルスをイエネコの移動の歴史を明らかにすることで研究している(プレスネット、11.26)

■7日、広島大工学部は創立100周年を記念して記念式典を開催した。また、記念オブジェ完成式典を工学部事務棟北側広場で開催した(プレスネット、11.26)

■広島大の瀬戸内圏フィールド科学教育研究センター竹原ステーションに隣接する的場海水浴場において、海洋プラスチックごみに関する勉強会が行われ、地元住民ら約24人が参加した(プレスネット、11.26)

■【高校人国記 県立広島商業高校】同高出身としてバルコムの山坂哲郎会長兼社長(広島大卒)らが紹介された(中国セレクト、11.27)

■26日、広島大とイズミは、学生や教職員が新型コロナウイルスの感染者や濃厚接触者となって自宅待機となった際、食料や日用品の配達で連携する協定を結んだ。同日霞キャンパスで調印式があり、越智光夫学長は「コロナ禍における生活支援のモデルケースになる」と話した(中国、日経、読売、朝日、11.27)

■12月3、10、17日、オンライン会議システムZOOMを使い、広島大オンライン公開講座「イノベーティブ女性起業家」が開催され、参加者を募集している(朝日、11.27)

■26日、日米両政府が共同運営する放射線影響研究所の移転問題で、新たな移転先の候補に広島大霞キャンパスが浮上していることが分かった(中国、11.27)

■27日、広島大防災・減災研究センターは東広島キャンパス内のががら山の山頂付近に穴を掘り、土石流の発生メカニズムを解明するプロジェクトをスタートさせた(中国、読売、11.28)

■27日、広島市は地元の産官学のトップが長期的なまちづくりについて考える「広島の拠点性強化に向けた懇話会」の会合を、市役所で行った。広島大の越智光夫学長たち6人が非公開で協議した(中国、11.28)

■28日、広島大と呉高専は環境に優しく狭い路地などの走行に適した小型電機自動車「グリーンスローモビリティ」の試験運行を呉市で始めた(中国、11.29)

■28日、中国人民解放軍と関係があり軍事関連技術研究を行う同国の7大学と広島大や岡山大など日本の国公私立大計45校が学術・学生交流協定を結んでいることが分かった。中国の知的財産窃取が問題視される中、協定を見直す大学もある(中国、11.29)

■新型コロナウイルス感染拡大時の入試の対応について、広島大の越智光夫学長などの学長に対してアンケートを行った結果、3割弱の大学が入試の日程延期などを視野に入れていることがわかった(日経、11.29)


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