令和3年1月

■【中国新聞LEADERS倶楽部2021-新春トップインタビュー-】広島大の越智光夫学長が、米アリゾナ州立大の日本校の開設やコロナ禍の対応などについて話した(中国、1.1)

■広島大大学院の二川浩樹教授が開発した抗菌・抗ウイルス成分「イータック」は、効果が長く続く点などが好評で、観光施設、ホテル、土産物店などで急速に普及している(中国、1.1)

■昨年11月、国は黒い雨の降雨域の検証を始めた。国の検討会委員を務めている広島大の鎌田七男名誉教授は「黒い雨の実態解明には集団の傾向を調べるだけでなく黒い雨を浴びた体験者の言葉に向き合うことが必要」と語った(中国、1.3)

■【ヒロシマの空白】長年明らかにされていなかった放射性物質を体内に取り組む内部被曝の仕組みの解明が始まっている。昨年6月、広島大の星正治名誉教授ら日本、カザフスタン、ロシアの研究者による共同研究で内部被ばくによる細胞の損傷を初めて具体的に捉えた(中国、1.5)

■【生きて①再録】故広島大の葉佐井博巳名誉教授(核物理学者)は、原爆が人間に浴びせた放射線量の推定方式を長年研究した(中国セレクト、1.7)

■国立大の学長選挙で広島大など約2割の大学が教職員への意向投票を廃止し、投票が行われても約1割で結果と違う候補が学長に選ばれていた(毎日、1.7)

■広島大大学院医系科学研究科の石井伸弥寄附講座教授(老年医学)は、全国の介護施設などを対象に新型コロナウイルスの影響調査を実施し、4割近くが「認知症患者の症状が悪化、身体機能が低下した」と回答したと発表した。また、認知症の人の新型コロナウイルス感染予防について対策パンフレットを作った(読売、1.7)

■筑波大と同大ベンチャーが開発したトマトがゲノム編集食品第1号に受理されるなど注目されている。日本ゲノム編集学会会長を務める広島大大学院の山本卓教授は「消費者目線に立った品種改良をしていくことでゲノム編集が受け入れられるだろう」と話した(日刊工業、1.7)

■【ひとコト】生命保険協会の金井洋副会長は、広島大の特別講義で講師を務めた。社会環境の変化に対応した生命保険の変遷をオンラインで経済学部の学生を対象に解説した(中国、1.8)

■【私の一枚】大戦時、広島師範学校附属国民学校(現広島大附属東雲小)に通っていた読者が、広島師範学校(現広島大)で教師を目指していた木村主悦さんが特攻隊員として出陣する際に渡された手紙と木村さんの写真を紹介した(中国、1.8)

■2021年度秋、広島大は留学生に日本語や日本文化を教える同大の教育研究施設「森戸国際高等教育学院」の北京校を中国・北京の首都師範大に開設すると発表した(中国、1.9)

■【コロナを乗り越えて⑥】大学生のキャンパスライフに新型コロナウイルスが暗い影を落としている。広島大文学部1年の川口陽さんは総合大学で色々な人に出会いたいと単科大学から入学し直したが、人と距離を取ってオンライン講義を受ける日々が続き、総合科学部2年の西村咲野さんは、昨秋予定だった英国留学が中止となったと話した(読売、1.9)

■【生きて②再録】故広島大の葉佐井博巳名誉教授が、子ども時代の戦争の記憶について語った(中国セレクト、1.9)

■【生きて③再録】故広島大の葉佐井博巳名誉教授が、受験した県立広島一中(現国泰寺高)での生活や戦況の悪化による学徒動員の体験を語った(中国セレクト、1.10)

■今年、広島大東広島キャンパスと周辺地域で新たな交通サービスの社会実験が順次スタートする。同大、イズミ、芸陽バス、トヨタ自動車とソフトバンクが出資するモネ・テクノロジーズ、県警、東広島市など12団体で構成する共同事業体が貨客混載のデマンドバスや自動運車両を順次実験する(中国、1.11)

■環境省が地球温暖化対策を講じなかった場合、21世紀末に瀬戸内海の平均水温が3〜4度上昇し、8月には広島湾などで30度を超える予測をまとめた。広島大大学院の小池一彦教授(水産学)は「現状、漁業に気候変動の影響は既に出ている。さらに水温が上がれば影響は拡大する恐れがある」と指摘した(中国、1.12)

■12月、広島高等工業学校(現広島大工学部)の卒業生が第2次世界大戦の戦地に赴く際、母校関係者から送られたと見られる寄せ書きされた日の丸が米国に住む所有者から広島大総合博物館に寄贈された(朝日、読売、1.13)

■【庄原地質学①】庄原市比和町にある比和自然博物館で客員研究員を勤める広島大の沖村雄二名誉教授(地質学)が庄原の地質について紹介した。「庄原市は年代も種類もバラエティーに富み非常に興味深い地域だ」と話した(中国、1.13)

■【生きて④再録】故広島大の葉佐井博巳名誉教授が、1945年8月6日に自身が経験したこと、目の当たりにしたことを語った(中国セレクト、1.13)

■【生きて⑤再録】故広島大の葉佐井博巳名誉教授が、敗戦による混乱の中再開された学校生活について語った(中国セレクト、1.14)

■広島大の菅原政行さんの「Video Vendor(ビデオベンダー)」が2020キャンパスベンチャーグランプリ中国の最優秀賞に選ばれた。小規模事業者でも、ウェブ上で簡単な質問に答えるだけで目的にあったCM動画を簡単に製作できる。1月29日に開催される全国大会に出場する(日刊工業、1.15)

■【生きて⑥再録】故広島大の葉佐井博巳名誉教授は、広島大に1950年に入学し、 電気工学を専攻した。卒業の半年前、肺結核を患っていることが判明し卒業が2年遅れたため企業への採用が難しく研究科生として大学に残り、原子核研究の道へ進むことになった(中国セレクト、1.15)

■広島大大学院の石井伸弥寄附講座教授(老年医学)が、認知症の人の新型コロナウイルス感染予防について、やさしい言葉でマスクの着用や消毒を促し、繰り返し促すことで習慣化させるよう話した(中国、1.16)

■【生きて⑦再録】故広島大の葉佐井博巳名誉教授は、1958年に広島大工学部の応用物理学講座の助手となり、原子核の構造を突き止める研究に参加。55年に東京に開設された原子核研究所では湯川秀樹さんらと実験・議論を繰り返し、実験データの誤差を縮める腕を磨いた(中国セレクト、1.16)

■広島で原爆、神戸で震災を経験した新見博三さんがコロナ禍の受験生にエールを送った。新見さんは6歳で被爆、広島大に就職後各地の国立大で職員を務め、神戸大職員だった26年前震災に襲われ、学生支援や入試準備に奔走した(朝日、1.17)

■【生きて⑧再録】 故広島大の葉佐井博巳名誉教授が、広島大でも全共闘運動が行われた時代について話した(中国セレクト、1.17)

■【庄原地質学④】庄原市西城町の妙見山砕石場にある古生代ペルム紀(2億5千年前頃)の砂岩の地層について、広島大の沖村雄二名誉教授(地質学)は「堆積した砂や泥は圧力を受けて砂岩となる。古いほど固い」と解説した(中国、1.18)

■ゲノム編集技術による食品開発が進んでいる。広島大の堀内浩幸教授(動物生命科学)は、卵アレルギーがある人でも食べられる卵の開発を進めている。またゲノム編集食品には表示義務がないことについて、 日本ゲノム編集学会会長を務める広島大大学院の山本卓教授は「消費者に受け入れてもらうには、店頭での表示は必要」と話した(毎日、1.18)

■【生きて⑨再録】故広島大の葉佐井博巳名誉教授は、1981年に米ロスアラモス研究所に赴き、原子核研究に取り組んだ。放射線量を推定した結果、広島の中性子線量が1桁少ないという論争が始まり、原爆を体験した者として検証しなくてはと思うようになった(中国セレクト、1.19)

■【専門医が診る】広島大病院皮膚科の菅崇賀暢診療講師が、ストーブやネットを使う機会が増える冬場に多くなるやけどの治療や応急手当の仕方について解説した(中国、1.20)

■2022年3月まで、広島大、中国電力や尾道市は地元漁協と連携して、水質浄化により生育環境の改善が期待できる石炭火力発電所から出る石炭灰を活用したアサリ資源の回復実証実験に取り組む(毎日、1.20)

■20日、2020キャンパスベンチャーグランプリ中国の表彰式がリーガロイヤルホテルで行われる。最優秀賞に選ばれた広島大菅原政行さんらに賞金や賞状が授与される(日刊工業、1.20)

■【生きて⑩再録】故広島大の葉佐井博巳名誉教授は、米ロスアラモス研究所から戻った翌1983年に広島大工学部教授に就任し、原爆の放射線量の推定と解析に当たった。被爆した建物の線量を調べ、逆算すれば広島に落とされた原爆の中性子量が分かることに着目し、原爆ドームなど100を超える地点で試料採集に取り組んだ(中国セレクト、1.20)

■東広島市教育委員会は、独特の伝統的景観を持つ市内の酒蔵通り一帯の建造物や歴史について調査した結果をまとめた。特徴ある町並みの保全へ生かしていく。調査は2018年秋から広島大に委託していた(中国、1.21)

■20日にあった2020年の司法試験の合格発表で、広島大法科大学院の合格率は19.4%(合格者6人)と、前年の35.9%(14人)を下回った(中国、1.21)

■【生きて⑪再録】故広島大の葉佐井博巳名誉教授は、原爆放射線量を推定する計算方式「DS86」が日米合同の検討委員会で策定された後も、正確さを求め被爆直後の被爆試料を集めを続けた(中国セレクト、1.21)

■2月6日、広島県NIE推進協議会はオンラインで学習会を開催する。本年度の日本新聞協会「いっしょに読もう!新聞コンクール」で優秀賞に輝いた広島大附属中2年の生徒らが受賞作や新聞と自身の関わりについて話す(中国、1.22)

■青野春水(あおの・しゅんすい=広島大名誉教授、社会科内容学)20日、死去。91歳(中国、読売、1.22)

■20日、2020キャンパスベンチャーグランプリ中国実行委員会は表彰式を開催した。最優秀賞に選ばれた広島大の菅原政行さんは「この賞をきっかけにして地元広島へ恩返しをするビジネスモデルで新たな領域に進んでいきたい」と事業への意欲を見せた(日刊工業、1.22)

■【生きて⑫再録】故広島大の葉佐井博巳名誉教授は、人間が浴びた放射線量に間違いがあってはならないという気持ちから原爆放射線量を推定する計算方式「DS86」の再評価を続けた。科学の進歩から試料からさらなる放射線量を測れるようになるかもしれないため、被爆建物を保存する必要があると話した(中国セレクト、1.22)

■【どうみる核兵器禁止条約発行⑤】核兵器禁止条約の発効について、広島大平和センター長の川野徳幸教授は「日本は北朝鮮の脅威もあり米国の核抑止力のその力に依存しており、唯一の戦争被爆国としてどのように核軍縮を進めるのか世界から日本は立ち位置を問われている」と話した(中国、1.23)

■【生きて⑬再録】故広島大の葉佐井博巳名誉教授は、2007年に「広島市の核兵器攻撃被害想定」の報告書をまとめた。しかし、地下へ逃げるなどの防護策では核攻撃から市民を守ることは難しいため、核兵器そのものを廃絶しなければならないと話した(中国セレクト、1.23)

■23日、核兵器禁止条約の発効を記念したイベント「核なき世界へスタート!」が東京、広島、長崎を結んでオンラインで開催された。広島大4年の赤井理子さんは被爆者が日常生活で悲惨な体験を思い出す瞬間をイラストにしてインスタグラムで発信している思いを語り、同大大学院生のアルビン・コイコイ・ジュニアさんは、昨年8月に6カ国の学生でまとめた「学生ヒロシマ宣言」を紹介し、同大大学院生の菅野計馬さんは被爆者が長年にわたって果たしてきた核廃絶の役割を、若い世代が継ぐべきだと決意を語った(中国、朝日、読売、毎日、1.24)

■【青春文学館】広島大附属三原小の生徒が「窓際のトットちゃん」(黒柳徹子作・いわさきちひろ絵、講談社)を紹介した(中国、1.24)

■【生きて⑭再録】故広島大の葉佐井博巳名誉教授は、被爆者の記憶を語り継いでいく「被爆体験伝承者」の育成について、ヒロシマそのものを学び伝えることが何よりも大切だと話した(中国セレクト、1.24)

■24日、大学生が議員の活動を体験して学ぶ「議員インターンシップ」の事前研修が三原市のサン・シープラザで行われた。広島大や福山大などの学生計25人が、コロナ禍での地域課題をテーマに考えた自治体の政策案を発表した(中国、1.25)

■広島大は2、3月に行う2次試験で、新型コロナウイルスの影響で実施できなくなった場合に限り、大学入学共通テストの得点で合否を判定する特別措置を決めた。25日現在、予定通り2次試験を実施する(中国、読売、1.26)

■呉市倉橋町の戦争遺構「亀ケ首試射場跡」が日本遺産の構成文化財に指定されたことを記念したシンポジウムが、地元の倉橋町の桂浜温泉館で行われた。広島大の下向井龍彦名誉教授らが、試射場設置の背景や歴史について話した(中国、1.26)

■広島経済同友会は、次期代表幹事に、広島信用金庫の武田龍雄理事長(広島大経済学部卒)が内定したと発表した(読売、1.26)

■【オピニオン】広島大の市川浩教授(科学技術史)が、選考・推薦された会員候補6人の政府による任命拒否を契機に議論される日本学術会議について、戦前の教訓から憲法第23条は国家が学問の世界に介入しそれを歪めることを諫めているが、菅首相は学術の世界への違憲、違法介入を進めていると話した(中国、1.26)

■【生きて⑮再録】故広島大の葉佐井博巳名誉教授は、科学者が開発した原爆が殺りくと破壊を招き、原爆症による被害は今も続いているため、科学者の責任は重いと話した。そして被爆者を経験した科学者として、戦争なき世界をつくる責任があると話した(中国セレクト、1.26)

■日本学生科学賞で、科学教育に長年にわたって功績をあげた教員を表彰する指導教諭賞に、広島大附属高の梶山耕成教諭が選ばれた。物理を教える梶山教諭は、生徒たちを第57回の旭化成賞、第63回の文部科学大臣賞に導いた(読売、1.27)

■26日、広島大は温室効果ガス排出の実現をゼロにするとともに、最先端技術を導入したキャンパスを目指す「カーボンニュートラル×スマートキャンパス5.0宣言」を発表した。また、東広島市、住友商事との三者によるスマートシティー実現に向けた包括的連携協定を締結した(中国、読売、日経、1.27、朝日、日刊工業、毎日、1.28、産経、1.29)

■広島大ゲノム編集イノベーションセンターが主体となり、マツダや三島食品など複数企業と連携し、デジタル技術を駆使したゲノム編集の研究、開発をする新たな拠点「バイオDX」産学共創拠点を発足させた。プロジェクトリーダーの山本卓教授(ゲノム生物学)は「ゲノム編集に関連する産業が地域に根付いていくよう、他の企業の参加も呼び込みたい」と話した(中国、1.28)

■2月11日、広島県や広島大など10機関でつくる放射線被曝者医療国際協力推進協議会(HICARE)は設立30年記念の国際シンポジウムをオンラインで開催する。同大原爆放射線医科学研究所の田代聡所長たちが活動を振り返り、長崎や福島の研究者と意見交換を行う(中国、1.28)

■全国各地の自然石を集めた東広島市の石庭「仙石庭園」が、博物館法に基づく「登録博物館」として県教委の指定を受けた。副館長を務める広島大の沖村雄二名誉教授(地質学)は「登録により、学校などが石や地質を学ぶ場として活用する機会も増えるのではないか」と期待している(中国、1.28)

■保存か解体か問題となっている広島最大級の被爆建物「旧陸軍被服支廠」について考えるラジオ番組「Hihukushoラジオ」がネット配信されている。16日の収録のゲストは、元広島大教授の河西英通さん(日本近代史)で、広島の軍都としての歴史を紹介し、被服支廠など被爆建物を残す意義を語った(朝日、1.29)

■【高校人国記(広島大附属高)】開校116年、卒業生は1万6,000人を超える。万葉集研究の第一人者で令和の元号の考案者とされる中西進さんは1942年から2年間在籍。卒業生には「宇宙教育の父」として知られる的川泰宣さん、国立天文台長を務めた観山正見さん、東京理科大名誉教授で化学者の硤合憲三さん、日本公法学会理事長を務める憲法学者の長谷川恭男さんなどがいる(中国セレクト、1.29)

■広島大大学院の新福洋子教授(国際保健看護学)が、世界保健機関「世界の卓越した女性の看護師・助産師のリーダー100人」に日本人で唯一選出された。2014年、アフリカ・タンザニアの大学に同国初の助産学修士課程を創設するなど、現地の母子保健医療に貢献してきた実績が高く評価された(中国、1.30)

■広島大森戸国際高等教育学院の小宮山道夫准教授が、中国で日本語を学ぶ学生向けのオンライン講座を開き、同大の学生4人とJR西条駅周辺を画面越しに案内した(中国、1.30)

■東広島市観光協会は、広島大の学生らの視点を生かした新たな観光ガイドブック「E-magazine」の発刊を計画している。同大総合科学部3年の佐藤歩さんは「地域の魅力や歴史、愛着などネットでは得られない情報など皆さんに、より深く街を知ってもらう一冊になれば」と話した(読売、1.30)

■29日、文部科学省は国公立大2次試験の出願状況の中間集計をまとめた。広島大は昨年より278人減の614人だった(中国、1.30)

■30日、広島県で新たに38人の新型コロナウイルス感染が確認された。うち東広島市の5人は広島大の20代学生で、東広島キャンパスでクラスターが発生した。県によると、県内大学でのクラスター発生は初めて(中国、朝日、毎日、1.31)


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