令和3年9月

■31日、広島市は広島大旧理学部1号館の敷地の一部から基準値の最大8.7倍となる鉛が検出されたと発表した。理学部で使われた薬品との関係が類推されている(中国、読売、9.1、産経、9.3)

■広島大大学院の宮内睦美教授らの研究グループは、歯周炎に歯科的な治療を行うことで、脂肪肝炎の進行を抑制する効果があることを明らかにした(日刊工業、9.2)

■【キャンパスリポーター発】広島工業大の人力飛行機部は2021年度の「鳥人間コンテスト」は不合格だった。交流のある広島大も選考に残ることができず、互いに情報交換をしながら技術の向上を図っている(中国セレクト、9.3)

■1日、広島大情報科学部の1・2年生が東広島市のポータルサイトについて新機能を提案するオンライン発表会が行われた。同学部2年の長谷川圭さんは「ポータルサイトの機能が増えれば大学生も安心して情報収集できる」と話した(中国、9.3、9.16、プレスネット)

■3日、サッカースタジアム建設予定地の中央公園広場で出土した旧陸軍中国軍管区輜重兵補充隊施設の被爆遺構について考える集会が行われた。広島大の藤野次史名誉教授が講師を務め、可能な限りの遺構の保存と平和の発信に活かす重要性について話した(中国、9.4)

■【釣りのススメ】 広島大大学院教授の海野徹也教授が「ボラの下にはチヌがいる」という釣り界の格言について、生物的な観点から解説を行いチヌを狙うときのポイントを話した(中国セレクト、9.4)

■25日、広島大は昨年のノーベル医学生理学賞を受賞した米国立衛生研究所のハービー・アルター名誉研究員のオンライン講演会を開く。講演は録画配信される(中国、9.4、読売、9.7)

■4日、発達障害のある高校生、大学生の学校での学びを考えるシンポジウムがオンラインで行われた。広島市内から参加した広島大大学院の尾形明子准教授(心理学)は高校での人間関係の作り方について「生徒同士が互いの考えに関心を持つ機会を多く設けるべきだ」と指摘した(中国、9.5)

■◇広島六大学野球◇広島大7-5広国院大(読売、9.5)

■広島大大学院の永田靖教授らの研究グループは、肺がんの放射線治療時に起きる副作用の1つである放射線肺臓炎の発症を人工知能(AI)を使って高精度に予測することに成功した。予測精度は従来の6割から8割以上に高まった。放射線治療による副作用を抑えられ、予後の改善が期待できる(日刊工業、9.6、中国、9.15)

■◇広島六大学野球◇広島大6-4広国院大、広島大の勝ち点1(読売、9.6)

■6日、広島大客員教授も務める、赤十字国際委員会のレジス・ザビオ駐日代表が広島市内を訪れ、被爆者と市内最大級の被爆建物「旧陸軍被服支廠」を一緒に訪れるなど交流を行った(中国、9.7)

■8月上旬、広島県立広島叡智学園中学が開いたサマースクールに、県内外から募った中学2・3年生の計約60人が参加し「平和とは何か、広島からどんなメッセージを発信するか」をテーマに4泊5日で英語で議論を重ねた。同校では2019年の開校以来、広島大教育ヴィジョン研究センターの協力で「総合的な学習の時間」に平和について学んでいる(中国、9.7)

■広島大などが参加する国際研究で、ウイルスの排除にかかわる「1型インターフェロン」の中和抗体の有無が新型コロナウイルスの重症化に大きくかかわり、死亡者の2割近くがこの抗体を持っていたことが分かった(中国、9.8)

■10月4日~11日、広島大は新型コロナウイルスの影響により困窮する学生を支えるため通常350円の食堂の朝食を50円で提供する。9月30日まで同大校友会が中心となりクラウドファンディングで資金を募る(プレスネット、9.9)

■元参議院議員で、元広島大客員教授の菅川健二氏が同大法学部の広島市内への移転について、他学部とのつながりが希薄になること、福利厚生施設等共用施設の利用が不便になるなど移転に対する意見を述べた(プレスネット、9.9)

■9日夜、世界小児がん啓発キャンペーンの一環で全国14カ所で同時に実施され、広島では広島城が金色にライトアップされた。広島大病院と同病院と共同研究でつながりのある村上農園が協力し実現した。同病院小児科の岡田賢教授が「闘っている子がいることを知ってもらい応援してほしい」と話した(中国、9.10、朝日、9.12)

■元日立製作所の研究者で広島大や東京大でも研究をしていた徳島文理大学の梶山博司教授は、これまでプラズマテレビの研究に打ち込んでいたが、徳島文理大に着任してから植物の成長促進や糖度を高める研究に従事している。梶山博司教授は「植物のことを知らないから研究ができた」と新しいことに挑戦する意欲を示した(日経、9.10)

■今夏、東広島市、広島大と包括的連携協定を結んだ携帯会社ソフトバンクの宮川社長は「デジタル技術を活用したスマートシティの実現に向け、インフラやテクノロジーの面で貢献したい。大学で実証した技術を将来的には東広島全体に広げていきたい」と話した(中国、9.11)

■広島大など国公立大学の2022年度入試要項がまとまった(中国、9.11)

■【サイエンスる①】広島大元特別研究員の沢井悦郎さんは、2017年にオーストラリアの研究者とともに論文を書き上げ、125年ぶりにマンボウの新種を発見した(中国セレクト、9.12)

■感染力強いインド由来のデルタ株の急拡大による第5波に見舞われる中で、医療をどう守るのか課題となっている。広島大大学院医系科学研究科の坂口剛正教授は「2月に施行された改正感染症法などにより人々の行動や店の営業が制限されている。法で規制したり一様に自粛要請をするだけではなくもっと合理的に地域ごとの実情にあった施策を行うべき」と話した(読売、9.12)

■◇広島六大学野球◇広工大3-1広島大(読売、9.12)

■◇広島六大学野球◇広島大9-5広工大(読売、毎日、9.14)

■研究者の世界は圧倒的な男性社会であるため、女性研究者はハラスメントに遭いやすい立場にある。広島大ハラスメント相談室の北仲千里准教授は「理系女性に話を聞くと、研究を続けたかったらセクハラをサバイブ(生き残り)しなければいけない、と言っている」と話した(朝日、9.14)

■芝生や植栽を荒らすイノシシ被害の軽減にデジタル技術を使う広島県の実験で、DMMアグリイノベーションのグループと広島大のグループがそれぞれ対策を行う(中国、9.14)

■12月12日まで、広島大病院肝臓病教室をオンラインにて開催している。同病院肝疾患相談室のホームページから視聴可能で、消化器外科・移植外科の黒田慎太郎医師が「肝臓病に対する外科治療」と題して話す(中国、9.15)

■【オピニオン】戦場や軍隊での体験が原因で精神疾患を発症する兵士は少なくない。広島大学大学院の中村江里准教授は、かつての日本の戦争でも精神疾患になった旧日本軍兵士たちがいたが、戦時中は存在を隠され、戦後は忘れ去られたことについて話した(中国、9.15)

■呉高専の小倉亜沙美講師(元広島大職員)は、保育園に子どもを預ける外国人と保育士の意思疎通を助けるシートの作成を行っている(中国、9.16)

■研究者からの論文被引用数が日本は過去最低の世界10位に後退した。広島大の小林信一特任教授は日本の研究開発費が米国・中国と3倍以上の開きがあるなど日本の低迷が続く要因について話した(毎日、9.16)

■アフガニスタンでイスラム主義勢力タリバンが権力を手にして以来、広島大は8月下旬に緊急会議を開催し特別対策室を設置した。現地の修了生やその家族が日本への渡航を希望する場合はその支援を行う(朝日、9.17)

■面白いかどうかや結論がすぐにわかるという手軽さから近年時短本の人気が広がりを見せている。広島大の有元伸子教授は、明治時代にも夏目漱石の「夢十夜」を代表とする「小品」と言われる超短編ブームがあったと話した(中国、9.17)

■広島市民病院の秀道広院長(前広島大大学院教授)が近年、大人でも増加傾向にあるアトピー性皮膚炎について話をした(中国、9.17)

■【キャンパスリポーター発】広島大基金室と校友会学生チームは、10月4~22日まで新型コロナウイルスの影響で経済不安を抱える学生に対して50円で朝食を提供するプロジェクトを実施するため、クラウドファンディングで寄附を募っている(記事:大学院1年・頼金育美)(中国セレクト、9.17)

■17日、広島大秋季卒業式が行われ、7学部15研究科から345人が巣立った。越智光夫学長は式辞で新型コロナウイルスやアフガン情勢に触れ「新たな人生の一歩を踏み出す皆さんが平和のために何ができるのかを考え、世界に羽ばたいてほしい」と述べた(中国、9.18)

■10月開設予定の広島大の新しい国際交流拠点施設の名称が決定した。公募で寄せられた168件から学内選考などの結果、工学部2年の霜奈槻さんの作品「MIRAI CREA(ミライ・クリエ)」が採用された(読売、9.18、中国、9.24)

■【病院の実力】2020年度の頭頸部がんの治療実績が公表された。広島大病院は、根治手術が150件、うち経口的切除が24件、根治放射線・化学放射線療法合計72件、IMRTの実施(2021年6月現在)実施有りだった(読売、9.19)

■【サイエンスる②】マンボウの新種発見に貢献した澤井悦郎さんは、2007年に広島大大学院に進学し、岩手で調査を続け、自ら漁船に乗り込んでマンボウの調査を続けた(中国セレクト、9.19)

■◇広島六大学野球◇広島大4-3広工大(読売、9.20)

■広島大の井上つぐみさんは、6年前に国連欧州本部で高校生平和大使として核兵器廃絶を訴えた。井上さんは2019年に広島市の被爆体験伝承者の養成事業に参加し、原爆孤児となった川本省三さんの体験を聞き取り、伝承者としての活動を目指している(中国、9.20)

■広島大の檜山英三教授らの研究チームは、子ども特有の肝臓がん「肝芽腫」について遺伝子の働きを調節しているエンハンサーとよばれる部位のメチル化のパターンにより4グループに分かれていることを発見したと発表した。これによりmグループに合わせた効果的な治療につながる可能性がある(読売、9.21)

■広島大は東広島市と連携し、スマートシティ実現に取り組もうとしており住友商事、フジタ、ソフトバンクなど大手企業も加えたコンソーシアムを近く発足させる。大学構内でビルの効率的なエネルギー管理や地中熱、バイオマス発電など様々なアイデアが上がっている。金子慎治副学長は「様々な実験をやり、ダメだったらすぐ次を試せるようにしていきたい」と話した(日経、9.22)

■はやぶさ2が小惑星「リュウグウ」から持ち替えった試料の初期分析がヤマ場を迎えている。初期分析チームのリーダーの一人で固体有機物担当の薮田ひかる広島大教授は「石炭みたいにのっぺりと黒く、私たちの知る隕石より黒いと実感した」と話した(毎日、9.23)

■【生きて再録③】広島大工学部の前身である広島工業専門学校出身の坪井直さんが、戦時中の学生生活について話した(中国セレクト、9.23)

■23日、外国人留学生が多い国内の国公私立大などを対象にした共同通信の調査で、回答した広島大など56校のうち31校が先端技術を研究する留学生の身元調査を厳格化、または厳格化を検討していると回答した。近年民間技術を軍事応用する「軍民融合」を掲げる中国を念頭に置いて軍事転用可能な先端技術が留学生を通じて流出する懸念が指摘されている(中国、9.24)

■下着大手のワコールと広島大、サッカーなでしこリーグ2部の吉備国際大シャルム岡山高梁は、連携協定を結んだ。広島大の学生やシャルムの選手がワコールのスポーツウェアを試し疲労軽減効果などを確かめる(中国、9.25)

■24日、JA広島中央女性部は組合員から寄せられた県内産800キロのお米を近畿大工学部に贈った。同女性部は、市内にある広島国際大と広島大にも同量のお米を贈る予定(中国、9.25)

■デジタルトランスフォーメーション(DX)への対応が企業に求められる中、専門知識をもった人材の争奪戦は激化しており、受験生の関心も高いことから少子化時代の生き残りをかけた戦略の一つとして各地の大学で情報系学部等の新設が相次いでいる。広島大も2018年に情報科学部を新設した(読売、9.25)

■広島大は学内施設のネーミングライツの活用を進めている。大学は自己資金の獲得、企業は大学との連携強化や学生への認知度アップの狙いがある(中国、9.26)

■3年前、福山市の市立保育園で男児が離乳食をのどに詰まらせ意識不明となった事故が起き、市が設置した第三者委員会は保育上の問題点を認めたが家族に対して補償は行われなかった。今も男児の意識は戻らず、母親は市に対して損害賠償請求の準備を進める。広島大の田村和之名誉教授は「市は過失の有無や補償を認めるか内部で検討すべきだった。保護者と折り合えない場合は裁判となる事案」と話した(中国、9.27)

■原爆文学のユネスコの世界の記憶遺産の登録実現に向け、市民団体「広島文学資料保全の会」などが申請に向けた活動を始めている。同会顧問を務める広島大の水島裕雅名誉教授は峠三吉について「愛国心に満ちた峠が8月6日を境に原爆詩人になっていく様子が日記からよく分かる」と話した(中国、9.27)

■日経実力病院調査で胃がん治療の実力病院が発表された。2012~2013年の治療結果で広島大病院は生存率係数は104.4でⅠ期での生存率は84.3%、Ⅱ期は76.4%、Ⅲ期は未発表で、Ⅳ期は10.9%だった(日経、9.28)

■27日、広島大スポーツセンターと広島市スポーツ協会は、スポーツを通じた地域活性や人材育成で協力する連携協定を結んだ(中国、9.29)

■10月3日、河合塾広島校は広島大への進学を希望する中高生や保護者向けのイベント「広大フェスタ」を開く。同大の教授や現役の広大生を招き、大学での学びや入試対策などを紹介する(中国、9.30)

■東海国立大学機構は、2022年4月1日付で、岐阜大の新学長に同大大学院医学研究科の吉田和弘教授(広島大大学院医学研究科修了)、名古屋大の新総長に杉山直副学長(広島大大学院理学研究科修了)を内定したと発表した(日刊工業、9.30)

■国立天文台や早稲田大、広島大などの国際研究チームは、アルマ望遠鏡による電波観測によりくじら座の方法に131億光年はなれたところにちりに隠れた銀河があるのを発見した(プレスネット、9.30)

■【広島大の若手研究者に聞く】同大大学院人間社会科学研究科の小木曽航平准教授は、民族スポーツの担い手の実践について研究している(プレスネット、9.30)


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