広島大学先進機能物質研究センター(IAMR)と北京大学で部局間交流協定を締結

平成22年5月18日

広島大学先進機能物質研究センター(IAMR)と中国北京大学希土材料化学及び応用国家重点実験室・無機化学研究所との部局間交流協定の締結について
 

広島大学先進機能物質研究センター(以下「IAMR」と略)と中国北京大学希土材料化学及び応用国家重点実験室・無機化学研究所(注1)(以下「北京大学」と略)は、平成22年5月13日、エネルギー貯蔵分野の共同研究を進めるため、部局間協定を締結しましたのでお知らせします。

 

部局間協定の目的

エネルギー貯蔵分野の中でも、IAMRは軽元素系水素貯蔵材料(注2)の固相合成とその解析を強みとし、北京大学は希土類材料(注3)、ナノ材料(注4)の研究を強みとしています。今後、双方の強みを活かした連携を進めて共同研究などに進展させ、IAMRにおけるサステナブル(注5)物質(注6)科学研究の活性化とその国際展開を推進します。

 

【主な取り組み内容】
・エネルギー貯蔵材料の共同研究
・北京大学とIAMRの研究員との交流
・研究成果や学術に関する情報交換

両者は、すでに平成19年から研究者交流をしており、平成21年度には北京大学から博士前期課程の留学生を受け入れ、広島大学で水素貯蔵物質に関する研究を進めています。

写真1 調印式の様子

写真1 調印式の様子、左から小口センター長、Director Chun-hua Yan

写真2 調印後の記念撮影

写真2 調印後の記念撮影、左から小口センター長、小島副センター長、Professor Xingguo Li、Director Chun-hua Yan

お問い合せ先

広島大学先進機能物質研究センター 副センター長 小島由継
TEL:082-424-3904 FAX:082-424-5744

【用語解説】
(注1)北京大学
北京大学は、中華人民共和国北京市海淀区にある1898年に設立された大学。設立以降、中国の学問の中心の一つとして中国中に名を知られる国家重点大学である。北京大学は1898年12月に開校して初めの名称は京師大学堂であり、1912年5月に北京大学と改称された。2000年4月3日に北京大学と北京医科大学が合併されて新しい北京大学と設立された。北京大学は人文学部、社会科学部、理学部、情報と工程学部、医学学部など5個の学部と 14個の単科大学で構成される。
(注2)水素貯蔵材料
水素を安全かつコンパクトに貯蔵する媒体である。
(注3)希土類材料
中国が世界の産出量の90%以上を占めており、水素吸蔵合金、二次電池原料、光学ガラス、強力な希土類磁石、蛍光体、研磨材などの材料となる。
(注4)ナノ材料
ナノ材料中の電子はnmサイズの狭い空間に存在する。そのため、ナノ材料は、同じ組成のマクロな物質とは異なる特性を示す可能性を有する。
(注5)サステナブル
「持続可能な」という意味。将来の環境や次世代の利益を損なわずに社会発展しようという理念。
(注6)サステナブル物質
人類の持続的な繁栄を支えるために必要とされている基盤的物質。環境に優しく安価でありながら、従来の機能物質よりも優れた性能を持ち、再利用のコストも安い材料のシーズとなるものを指す。例えば、クリーン・省エネルギーに役立つ水素貯蔵物質や、廃熱を有効に電気に変換できる熱電変換物質、太陽光を効率よく電気に変換できる安価な色素増感太陽電池など。さらに、エネルギーをロスなく運び蓄えることのできる高温超伝導物質、省エネルギーに役立つ有機分子エレクトロニクス材料、分子磁石、スピンエレクトロニクス材料、軽量でも高強度の高分子材料など。


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