レーザー光使い、ペースメーカーなどのリードを安全に抜去 広島県内で初めて広島大学病院が本格導入

平成23年9月9日

レーザー光使い、ペースメーカーなどのリードを安全に抜去
広島県内で初めて広島大学病院が本格導入

 

広島大学病院心臓血管外科(科長・末田泰二郎教授)ではこのほど、体内に植え込んだペースメーカーなどのリード(導線)を、エキシマレーザーを使って安全に抜くことができる新しい方法を本格的に導入しました。この方法は全国11施設(中国地方では3施設)で実施されていますが、広島県内の実施施設は当院のみです。
2010年にペースメーカーや植え込み式除細動器を装着した患者さんは全国で約4万人、県内で1000人に上っています。このうち約3%がリードの感染などのトラブルを起こしているとみられます。
感染が起きると敗血症や感染性心内膜炎など致命的な合併症の原因ともなるため、リードを抜き取る必要があります。しかし植え込んでから長期間(6ヵ月間以上)経過している場合には、リードが周囲の組織に癒着しているため簡単に引き抜けないことが多く、無理に抜くと血管損傷や心タンポナーデなどの致死的な合併症を起こすこともあります。このため従来は人工心肺装置を使う開胸手術をするしかありませんでした。
新しい方式はエキシマレーザー装置から発生させたレーザー光で癒着した部分をはがすやり方です。小さな切開で済むことから手術も1時間程度で体に優しく、重い合併症がある患者さんにも効果が期待されています。
当院では本年6月に県内で初めて専用のエキシマレーザー装置を導入し、これまでに4例を施行しました(9月8日現在)。なお、この方式は本年より保険適応となりました。
つきましては下記のように記者の皆さま向けに説明会を開催致しますので、是非ともご参加頂ければ幸いです。 

日時: 平成23年9月14日(水) 14:00~15:00

場所: 広島大学病院外来棟3階 (中会議室) 

説明担当者: 末田泰二郎 診療科長(教授)、 今井克彦 診療准教授 

 

(ご参考)
ペースメーカーは電気刺激を心筋に送って脈拍のリズムをコントロールする装置で、完全房室ブロックや洞(どう)不全症候群など徐脈性不整脈(心臓の拍動のリズムが遅くなる)の治療のため皮下に植え込んで使われます。
植え込み式除細動器は、致死性の不整脈を感知すると自動的に弱い電気刺激を出して不整脈を除く装置で、心筋梗塞の後など心室性不整脈が頻繁に起こる場合などに皮下に植え込んで使われます。

記者会見に関するお問い合わせ先

広島大学病院広報担当
担当:山内(やまうち)・藤田(ふじた)
TEL:082-257-5014
E-mail:byo-kouhou@office.hiroshima-u.ac.jp


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