質量ゼロの電子を新たに発見

平成24年1月27日

記 者 会 見 の ご 案 内
質量ゼロの電子を新たに発見
〜タングステンの表面電子の運動状態を解明〜

 

国立大学法人 広島大学【学長 浅原利正】放射光科学研究センター【センター長 谷口雅樹】(以下「HiSOR」という)の宮本幸治助教、広島大学大学院理学研究科の木村昭夫准教授、ミュンスター大学物理研究所のマルクス・ドナート教授を中心とする研究グループは、HiSORの高輝度シンクロトロン放射光と、世界最高水準の高分解能・角度分解光電子分光装置およびスピン角度分解光電子分光装置とを組み合わせることで、タングステン表面上に質量ゼロの電子(ディラック電子)を新たに発見しました。

通常の金属や半導体の電子は質量をもって、固体内部を比較的自由に動き回っています。固体内部の電子の動きを高速化すれば演算速度が速いCPUやメモリー等が開発できます。近年、固体中を高速に移動できる質量ゼロの電子が発見され、注目を集めています。しかし、今まで発見された質量ゼロの電子は磁性や高温超電導体などといった付加性質を持たせにくいという課題を抱えていました。

本研究で発見した質量ゼロの電子は、電子の自転に由来した磁石の性質(スピン)が揃って運動するだけでなく、今までの質量ゼロの電子とは異なり、磁性や超伝導などの付加性質を持たせやすいという特徴を持っています。この発見により、次世代の大容量超低消費電力型のスピントロニクスデバイスや超高速コンピューターの開発がより一層加速すると期待されます。

本研究成果は2月10日発行の米国の科学雑誌「フィジカル・レビュー・レターズ(Physical Review Letters)」に掲載される予定です。

本研究成果につきまして、下記のとおり、記者会見を開催しご説明いたします。
ご多忙とは存じますが、是非ご参加いただきたく、ご案内申し上げます。なお、本件につきましては、会見終了後以降に報道いただきますようお願いいたします。

日時: 平成24年2月1日(水) 13:30~14:30
 
場所: 東京都港区芝浦3-3-6 キャンパス・イノベーションセンター4階 408号室
(広島大学東京オフィス 同センター4階 TEL:03-5440-9065)
 
出席者: 広島大学放射光科学研究センター・助教 宮本幸治、広島大学大学院理学研究科・准教授 木村昭夫

会場へのアクセスマップ
本件に関するお問い合わせ先

【研究内容に関するお問い合わせ先】
広島大学放射光科学研究センター
助教 宮本幸治
TEL: 082-424-6297 (続いて310) (研究室)
E-Mail: kmiyamoto*hiroshima-u.ac.jp
(*は、半角@に置き換えて送信してください)
 
【記者会見に関するお問い合わせ先】
広島大学社会連携・広報・情報室 広報グループ 多賀信政
TEL:082-424-6017
E-mail:koho*office.hiroshima-u.ac.jp
(*は、半角@に置き換えて送信してください)


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