遺伝子組換え生物にあたらない動物の突然変異体が新規方法により作製可能に!昆虫で成功

平成24年8月20日

徳島大学
広島大学

遺伝子組換え生物にあたらない動物の突然変異体が、新規方法により作製可能に!昆虫で成功
 

徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部三戸太郎助教と広島大学大学院理学研究科山本 卓(たかし)教授のグループは共同研究により、人工制限酵素を用いたゲノム編集技術(ZFN法とTALEN法)により,不完全変態の昆虫「コオロギ」の標的遺伝子に突然変異を導入することに成功しました。この技術は多くの動物・植物に応用可能であり、しかもこの方法で作製された突然変異体は、遺伝子組換え生物に該当しない可能性があるので、害虫防除、医薬学、生物育種等の広範囲の応用研究に利用できると期待されています。この成果は、下記に発表される予定です。
掲載誌:Nature Communications
掲載予定の日:8月22日(水)午前0時(ロンドン時間21日の16時) この日以降に報道可能。
 
今回の論文の主なポイントは以下の通りです.
1)本研究は徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部三戸太郎助教らと広島大学大学院理学研究科広島大学の山本卓教授のグループとの共同研究です.
2)遺伝子組換え生物にあたらない動物の突然変異体が、新規方法により作製可能であることをコオロギで証明しました。
3)新規方法は、ZFN法とTALEN法と呼ばれており,ゲノムの狙った部位に突然変異を導入したり、外来の遺伝子を導入したりすることを原理的に可能する技術です。昆虫ゲノムを自在に操作し害虫防除や医薬学の応用研究に結びつけることができると期待されています.
4)不完全変態の昆虫には多くの害虫が含まれますが,遺伝子操作技術はほとんど確立されていません。人工制限酵素を用いたゲノム編集技術(ZFN法とTALEN法)を,不完全変態の昆虫コオロギで初めて導入することに成功しました.
5)コオロギの表皮の黒化に関わる遺伝子を標的とする人工制限酵素を導入したところ,標的遺伝子が破壊され,白色のコオロギが得られました.狙った遺伝子を効率良く破壊しノックアウト個体を得ることが可能であることが示されました.
6)今回コオロギで確立された手法は ラットなど他の動物や植物にも応用でき,生物のゲノム機能研究の進展に大きく貢献すると期待されています.
 
詳細は添付の資料を参照いただければ幸いです。

本リリースに関するお問い合わせ

三戸太郎(MITO Taro):徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部 助教
ライフシステム部門:770-8506 徳島市南常三島町2-1
電話: 088-656-7530 (携帯090-9822-2897)Email: mito*bio.tokushima-u.ac.jp
 
山本 卓(YAMAMOTO Takashi)
広島大学大学院理学研究科数理分子生命理学専攻 教授
739-8526 東広島市鏡山1-3-1
電話:082-424-7446:Email:tybig*hiroshima-u.ac.jp

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