「ハイブリッド型トリアージタッグシステム」による災害医療救護訓練を実施します

平成24年10月26日

「ハイブリッド型トリアージタッグシステム」による災害医療救護訓練を実施します

 

広島大学病院と国立病院機構災害医療センター、山形県立中央病院、NTTデータは、今年3月、ハイブリッド型トリアージタッグシステムを共同で開発しました。このシステムを用いた災害医療救護訓練を10月29日午後に実施しますので、お知らせします。
 
【開発の背景】
災害医療に当たっては緊急治療が必要な負傷者をふるい分ける「トリアージ」が重要になります。従来は複写式になった紙のトリアージタッグ(識別票)が用いられてきました。しかし大災害などで多数の負傷者が出た場合には各部署間での情報共有が難しい制約がありました。一方、東日本大震災では従来のトリアージタッグには負傷者情報がほとんど記載されていないという事態が発生しました。インフラストラクチャーの損壊という大災害時の厳しい環境下における負傷者情報源として、従来のトリアージタッグの限界が指摘されていました。
 
【新しいトリアージタッグシステムの特長】
今回使用するトリアージタッグシステムは2つの特徴を持っています。一つは最新テクノロジーを用いたシステム、もう一つは文字記載が出来ない劣悪な悪環境下でも最低限の負傷者情報を残せるというローテク機能です。相反する二つの機能を併せて、ハイブリッド型トリアージタッグシステムと名付けました。
ハイテクシステムは、電子ペン、画像撮影および伝送用スマートフォン、データ集積ノートパソコンから構成されています。トリアージタッグに記載された情報や画像データを対策本部や治療エリア、医療機関にリアルタイムで伝送でき、情報の共有を円滑に行えます。
ローテク機能は、トリアージに該当する項目を指で穴を空けることによりマークするという極めてシンプルなものです。従来のトリアージタッグでは、ペンで負傷状況が記載できない場合にはタッグの切り取りによるトリアージの最終結果しか残せないという制約がありました。今回、開発したトリアージタッグでは、ペンを用いなくても、負傷状況に関する7つの情報を残すことができるというものです。
 
【訓練の概要】
大地震を想定した仮想災害での救急隊による現場及び医療機関でのトリアージにおいて、本システムの有効性と課題を検証します。
 
【訓練日時と場所】
日時 平成24年10月29日(月)15時~17時
場所 霞キャンパス内の外来棟及び入院棟救命救急センター
 
【訓練の流れ】
15:00 トリアージポストの設置(外来棟1階フロアの一角)
15:20 トリアージ訓練参加者への説明(入院棟1階救急外来前)
15:30 災害現場、救急車内、救命センター・救急外来にてトリアージ開始
16:30 外来棟3階大会議室にて総評、質疑応答
17:00 訓練終了
 
【取材について】
救急車内でのトリアージ及び救急外来棟での治療については撮影・取材可能ですが、職員の指示に従ってください。なお、訓練の実施に先立って29日午後1時より30分間程度、当院外来棟3階の大会議室で谷川攻一教授がメデイアの皆さまの取材に応じます。
準備の都合上、取材を希望される社は26日午後6時までに下のお問い合わせ先までご連絡ください。

お問い合わせ先

広島大学病院 広報室 担当:山内
TEL:082-257-5418


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