研究成果を「サイエンス」紙に発表 陸上植物の進化の謎、世代交代成立の仕組みを解明

平成25年2月20日

記 者 説 明 会 の ご 案 内

研究成果を「サイエンス」紙に発表 陸上植物の進化の謎、世代交代成立の仕組みを解明

 

広島大学大学院理学研究科の榊原恵子特任助教、出口博則教授らの研究グループは、オーストラリア・モナシュ大学、基礎生物学研究所との共同研究によって、陸上植物における世代交代機構(※1)の解明に成功しました。

高校生物の教科書に登場する陸上植物の世代交代は、160年前にドイツのホフマイスターによって植物の詳しい観察から発見されました。現在では、陸上植物が単相と複相(※2)に形も特徴も異なる配偶体(単相)と胞子体(複相)を交互に作る世代交代として知られています。しかし、陸上植物の世代交代の仕組みはその発見以来、謎であり続けました。
榊原特任助教らの研究グループは、コケ植物のヒメツリガネゴケにおいてホメオボックス遺伝子(※3)が単相から複相へと変化する時のスイッチとして働いていることを発見し、陸上植物の世代交代の仕組みを解明しました。
この研究成果を用いれば、植物の形や特徴を変化させ、有用な植物の種子を均質、迅速、大量に作れるようになる可能性があります。この成果は、科学雑誌Scienceに3月1日(日本時間)に発表されます。

本研究成果につきまして、下記のとおり、記者説明会を開催しご説明いたします。
ご多忙とは存じますが、是非ご参加いただきたく、ご案内申し上げます。なお、本件の報道解禁については、新聞は3月1日(金)朝刊、テレビ、ラジオ、インターネットは3月1日(金)午前4時以降にお願いします。

日時: 平成25年2月25日(月) 11:00~12:00
      
場所: キャンパス・イノベーションセンター4階 408号室 (広島大学東京オフィス 同センター4階 TEL:03-5440-9065)
      
出席者: 広島大学理学研究科 生物科学専攻 特任助教 榊原 恵子、基礎生物学研究所 生物進化研究部門 教授 長谷部 光泰

会場へのアクセスマップ
本件に関するお問い合わせ先

【研究内容に関するお問い合わせ先】

広島大学理学研究科生物科学専攻 特任助教 榊原恵子 (さかきばら けいこ)
Tel: 082-424-7452(研究室)
E-mail: bara*hiroshima-u.ac.jp

基礎生物学研究所 生物進化研究部門 教授 長谷部 光泰(はせべ みつやす)
Tel: 0564-55-7546 Fax: 0564-55-7549
Email: mhasebe*nibb.ac.jp
 
【記者会見に関するお問い合わせ先】

広島大学学術・社会産学連携室 広報グループ 多賀信政
TEL:082-424-6017 FAX:082-424-6040
E-mail:koho*office.hiroshima-u.ac.jp

E-mailの*は半角@に置き換えて下さい。

用語説明

※1 世代交代
陸上植物は単相と複相に異なる多細胞の体を作り、それを生活の中で交互に出現させる。(例)花を咲かせる 植物の花粉(単相)と茎葉・花(複相)。シダの前葉体(単相)と茎葉(複相)。

※2 単相と複相
生物にはその細胞の核に含まれる染色体の組数が1組の時期(単相)、と2組の時期(複相)がある。人の場合、私たちの体は複相にあたり、卵と精子が単相に相当する。

※3 ホメオボックス遺伝子
動物、植物、菌類が共通して持っている遺伝子。それぞれの生物の体作りにおいて、他の様々な遺伝子の働きを促進あるいは抑制する指令遺伝子として働いている。


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