アルコールのJ-カーブ効果を動物実験で初めて実証

平成25年9月25日

記 者 説 明 会 の ご 案 内
アルコールのJ-カーブ効果を動物実験で初めて実証
~適量のアルコール摂取による老化抑制と肝機能の改善~

 

広島大学大学院生物圏科学研究科の加藤範久教授、酒類総合研究所の伊豆英恵主任研究員らを中心とした研究グループは、ビール酒造組合との共同研究により、アルコールの適量摂取が健康にプラスになることを老化促進モデルマウス※1と高脂肪食摂取ラット※2を用いた実験で実証しました。

これまで多くの疫学的調査により適量のアルコールを飲んでいる人は、全く飲まない人やアルコールを多量に飲む人と比べて死亡率が低いことが報告され、アルコールのJ-カーブ効果として知られていました。しかしながら、疫学的調査ではJ-カーブ効果がアルコールの直接的影響かどうかを判断するのは困難です。直接的影響か否かを判断するには、動物実験で調べる必要がありますが、そうした研究は少なく、アルコールのJ-カーブ効果を動物実験で再現した報告はありませんでした。

今回の動物実験の結果は、適量のアルコール摂取が老化を抑制し、肝機能を改善することを示しており、J-カーブ効果とも一致することを世界で初めて実証したものです。

本研究成果につきまして、下記のとおり、記者説明会を開催しご説明いたします。
ご多忙とは存じますが、是非ご参加いただきたく、ご案内申し上げます。

本研究成果は、第66回日本栄養・食糧学会大会(平成25年5月19日、名古屋)、IUNS 20th International Congress of Nutrition (平成25年9月18日、グラナダ)で発表済みで、今後は平成25年度日本醸造学会大会(平成25年10月16〜17日、東京)においても発表を行います。

【日 時】 平成25年10月2日(水) 14:00~15:00
      
【場 所】  キャンパス・イノベーションセンター4階 408号室
(広島大学東京オフィス 同センター4階 TEL:03-5440-9065)
      
【出席者】  加藤 範久(広島大学大学院生物圏科学研究科 教授)
伊豆 英恵(独立行政法人酒類総合研究所 主任研究員)

会場へのアクセスマップ
本件に関するお問い合わせ先

【研究内容に関するお問い合わせ先】
国立大学法人 広島大学大学院生物圏科学研究科
教授 加藤 範久 (かとう のりひさ)
Tel: 082-424-7980 Fax:082-424-7916
E-mail: nkato*hiroshima-u.ac.jp
【記者会見に関するお問い合わせ先】
国立大学法人 広島大学 学術・社会産学連携室 広報グループ
新藤季奈(しんどう きな)
TEL:082-424-4518 FAX:082-424-6040
E-mail:koho*office.hiroshima-u.ac.jp

(*は@に変換してください。)

用語解説

※1 老化促進モデルマウス:老化促進、短寿命を示すマウス系統をいう。老化モデル動物としての有用性が認められており、老化研究で頻繁に用いられる。免疫機能不全、学習・記憶障害、老年性骨粗鬆症、白内障等の老化に関わる様々な症状を示す。

※2 高脂肪食摂取ラット:本実験では、通常の栄養実験で広く用いられているSprague Dawley系雄ラットに高脂肪食として30%の牛脂を含む食餌を12週間自由摂取させた。その飼育期間中にアルコールを含む飲料水を与えている。


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