-広島県と共同で平和の構築へ-フィリピン・ミンダナオ バンサモロ自治政府の公務員候補者第1回広島研修を行います

平成26年5月9日

-広島県と共同で平和の構築へ-
フィリピン・ミンダナオ バンサモロ自治政府の公務員候補者第1回広島研修を行います
~JICA草の根技術協力事業(地域経済活性化特別枠)~

広島大学は、広島県と共同で、独立行政法人国際協力機構(JICA)草の根技術協力事業(地域経済活性化特別枠)「フィリピン・ミンダナオのバンサモロ自治政府人材育成事業~広島による平和構築の支援~」の一環として、バンサモロ自治政府の公務員候補者8人をミンダナオから広島に招聘し、下記のとおり研修を実施します。
ミンダナオでは、40年以上にわたってイスラム武装勢力が独立や自治を求めて政府と紛争状態にありました。去る3月27日に、新たな自治政府の設立などを含む包括和平合意がフィリピン政府とモロ・イスラム解放戦線(MILF)との間で調印され、2016年にミンダナオ西部のバンサモロ地域に、「バンサモロ(イスラム教徒の国)自治政府」が発足される予定です。第一陣となる8人は、2015年から2016年まで暫定移行政府を率いることとなるMILFのメンバーであり、日本の広域自治体行政の仕組みや実務を学ぶだけでなく、バンサモロ自治政府のあり方やバンサモロ行政官などの現地のニーズも共有していただき、本研修のよりよいカリキュラム作成にも参加していただきます。
今回の人材育成事業は、広島大学の基本理念である「平和を希求する精神」と広島県の「国際平和拠点ひろしま構想」の元で、実際の平和構築に深く関与する新しい広島の平和構築支援となります。これまでの広島大学のミンダナオ和平への関与の経験を踏まえ、総合大学としての教育能力と研究能力、広島県の実務者の知識とスキルを駆使して、第二次世界大戦の激戦地にもなったバンサモロ地域に平和が定着するよう、現地のニーズを汲み取りつつ、住民が平和の意味を実感できる効率的な政府を実務的に運営できる人材を養成することを目指します。

1.日 程 2014年5月12日(月) ~ 6月6日(金)

2.場 所
(1) 広島大学大学院社会科学研究科(東広島市鏡山1-2-1)
(2) 広島県庁(広島市中区基町10-52)
(3) 国際連合訓練調査研究所(UNITAR)(広島市中区基町5-44)
(4) 呉市倉橋地域
(5) 安芸太田町 など

3.参加者 バンサモロ自治政府の公務員候補者 8人(男性6人、女性2人)

4.研修事業内容

5/12~5/16  場所:広島平和記念公園(*)、UNITAR、広島県庁、本学社会科学研究科

視察:広島平和記念資料館を視察し、広島の復興を擬似体験
講義:(理論と実務の組み合わせ):「広島の復興」(広島県担当)、「UNITARが実施するアフガニスタン公務員研修からの教訓」(UNITAR担当)、「地域開発における地方政府と中央政府との連携」(広島県、本学教員担当)、「平和構築における自治政府建設事例」(本学教員担当)、「地方自治体行政の役割と職務」(広島県、本学教員担当)(金曜日に試験)

 

5/19~5/23  場所:本学社会科学研究科

講義:実務家より「地域総合計画」、「農業振興計画」、「窓口サービス論」、本学教員より「地域振興におけるアカウンタビリティ」、「地域振興財政論」(金曜日に試験)
 

5/26~5/30  場所:呉市倉橋地域、安芸太田町 など(予定)

実地研修:「農山村振興実地研修」、「地域振興実地研修」、「住民窓口サービス実地研修」ワークショップ:「地域振興と広域行政」(金曜日に試験)
 

6/2~6/6  場所:本学社会科学研究科、広島県庁

実地研修:本学、広島県庁内を視察、総括ラウンドテーブル、総括プレゼンテーション、「地域行政」発表会(最終試験)
 

(*)広島平和記念公園での予定は、以下のとおりとなります。本件に関する連絡は、下記お問い合わせ先の携帯電話へご連絡下さい。

2014年5月12日(月) 10:10~ 広島平和記念資料館を見学 11:15~ 原爆死没者慰霊碑でお祈りを捧げる

(※)広島大学は、平和構築連携融合事業(*)の中心的課題として、2006年度よりバンサモロ和平問題に取り組んでいます。
(*)広島大学平和構築連携融合事業とは、ヒロシマという地のもつ歴史的な意義を自覚し、平和への強い目的意識を掲げつつ、総合科学としての平和構築学の確立を目指すとともに、ヒロシマが理念としての平和のみならず、より実践的な平和の拠点となるように活動する事業

お問い合わせ先

広島大学大学院社会科学研究科 香川 めぐみ
TEL:082-424-6936、080-6624-5405
FAX:082-424-7212


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