第12回産学官連携功労者表彰~つなげるイノベーション大賞~「厚生労働大臣賞」の受賞について

平成26年8月29日

第12回産学官連携功労者表彰~つなげるイノベーション大賞~
「厚生労働大臣賞」の受賞について

 

広島大学医歯薬保健学研究院 統合健康科学部門(整形外科学)の越智光夫教授が「第12回産学官連携功労者表彰~つなげるイノベーション大賞~ 厚生労働大臣賞」を受賞しました。
受賞内容は「自家培養軟骨ジャック®の開発と製品化」で日本発の再生医療技術で製品化に成功した初めての事例として、高く評価されました。
株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリンク(J-TEC、本社・愛知県蒲郡市)の菅原桂・研究開発部長との連名の受賞です。
なお、越智教授は「ヒト細胞・組織による培養表皮・培養軟骨の開発」で第2回産学官連携功労者表彰(平成16年度)の日本学術会議会長賞を受賞しており、今回が2度目の受賞となりました。

業績の概要

越智教授は軟骨細胞を培養する足場として、美容外科領域で利用されていたアテロコラーゲンに着目。患者自身の膝軟骨細胞とアテロコラーゲンを混合して三次元培養した後に軟骨欠損部へ移植する「自家培養軟骨移植術」を考案し、世界に先駆けて平成8年から臨床研究を開始しました。

J-TECは平成12年に越智教授から技術移転を受け、平成24年に自家培養軟骨ジャック®の製造販売承認を取得、さらに平成25年4月に「膝関節における外傷性軟骨欠損症又は離断性骨軟骨炎(変形性膝関節症を除く)」を適応対象として保険収載されました。現在、全国で100カ所を超える医療機関が使用認定施設となっています。

画像 J-TEC提供

<画像 J-TEC提供>

受賞理由

  • 国内の大学の再生医療技術を企業が製品化し、承認・保険収載に導いた初の事例
  • 三次元培養軟骨製品の承認取得は世界初
  • 専門的立場から越智教授が製品の品質や臨床上の有用性を検証するなど、きめ細かな連携の積み重ねが成功につながった。

 

越智教授のコメント

「自家培養軟骨の適応となる大きな軟骨欠損で悩んでいる患者さんは相当数に上ると推定されます。今回の受賞によって、患者さんたちがあきらめず、新しい治療法を知って受けていただくきっかけになればと願っています。」

授賞式

9月12日(金)13時半より、東京ビッグサイト(東京・国際展示場)の「イノベーションジャパン2014」会場内にて執り行われます。

「産学官連携功労者表彰」について(内閣府等のホームページより)

大学、公的研究機関、企業等の産学官連携活動において、大きな成果を収め、あるいは先導的な取組を行う等、産学官連携活動の推進に多大な貢献をした優れた成功事例に関し、その功績を称えることで我が国の産学官連携活動の更なる進展に寄与することを目的として、内閣府に設置された選考委員会での審査を経て、平成15年度から毎年1回選定されています。
現在は、内閣総理大臣賞をはじめ総務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省など関係各省の大臣賞、日本経済団体連合会会長賞、日本学術会議会長賞など11の賞の表彰が実施されています。

お問い合わせ先

広島大学病院 特命広報調査・担当 山内
TEL: 082-257-5418


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